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第20話 元勇者VSクラスメイト ②

なんか中途半端ですが、これで第1章は終了となります(ーー;)


読んで下さった皆様ありがとうございました。


この続きの物語は現在執筆中です(゜O゜)\(- -;


アドバイス、可笑しな点、説明不足などがありましたらどうか今後ともご指導の程をよろしくお願いします

(◎_◎;)

「皆!一乃瀬お前!!」

「く、くそ!ゴミ屑がぁぁあ!」


吠えても一向に俺との距離を詰めようとしない。

どうやら俺からの攻撃を警戒しているようだ。


しかし、バカだな。

俺は魔導師だぞ?距離を開けて時間を与えれば、攻撃して下さいって言ってるようなものだ。


その時、3人のクラスメイトが背を向け逃げ出した。


「あんな奴に勝てるか!」

「俺は死にたくねぇ!」

「ひぃぃい!」


逃げるのは自由だけど、命の保証は出来ないぞ。


「ぎゃ!?」


まるで、鳥を締めたような声を上げ逃げようとした女子生徒は倒れた。背中に黒いナイフが突き刺さり白を基調とした服を赤く染め上げている。


首だけ動かし後ろを見れば、リツェアが温度を宿さない冷たい眼差しで倒れた少女を見ていた。


そして、ヴィルヘルムが消えーー


「は、放せ!」

「ごめんなさい!殺さないで!」


ーー逃げようとした2人の首を掴み持ち上げていた。


「‥‥どうする?」


俺に聞いているんだろうな。


「‥‥好きにしろ」


ヴィルヘルムは頷いた。


そして、手に雷を生み出した。


「「ぎゃぁぁあああ!!?」」


「殺しはしない。‥‥お前らには、その価値もない」


ドサッ‥‥。


ヴィルヘルムは2人を地面に投げ捨て、元の位置まで戻った。


目の前でクラスメイトが3人やられたのを見て、クラスメイトたちは戦意が喪失したのかその場に膝をつき泣きだす者が続出した。


「許さない‥‥、お前たちだけは絶対に許さない!」


叫び声を上げ澤輝が斬りかかって来た。

それを剣で防ぐ。


逃げ道が閉ざされ戦うしかないのは分かるが、もう少し戦い方を考えるべきだ。


「許さない、か‥‥。だから、お前の言葉は空っぽなんだよ」

「何だと!?」

「お前がクラスメイトを巻き込んだんだろ?自分勝手な理想を他人に押し付けて、上手くいかなければ他人の所為か?」


俺の言葉を聞いて露骨に表情を曇らせる。


「押し付けてなんかいない‥‥皆、僕に賛同してくれた!」


こいつは何も見えていないな。


「あんな戦う覚悟もない連中がか?」

「あ、あれは‥‥」

「綺麗事を並べて、周りを巻き込んだ結果がこれか?」

「や、止めろ‥‥うるさいうるサイィィ!!」

「何が強いだ、選ばれただ、自惚れるな!

第二階梯魔法 〝地の窪み(アース・デント)〟」


澤輝の足下の地面が窪み、バランスを崩した所を狙う。


「ぐぅあ!」


大した傷ではない筈だが、澤輝は膝をつき俺を見上げる。その目は震え、いつもクラスを纏めているリーダーとしてのカリスマ的な雰囲気は感じられない。


俺は澤輝に背を向け唯一立っている海堂に向かって歩く。


「待たせたな海堂」


「ご、ゴミ屑が!」


それしか言えねぇのかよ。


「調子に乗るんじゃねぇ!!」


海堂から放たれる拳を交わし、逸らし逆にカウンターで拳を放つがーー


「ぐぅ」

「どうした?俺を殴るんじゃないのか?」

「ぶ、ぶっ殺す!!」


ーーその度に海堂の固有スキル『復讐の狂戦士(モルドレッド)』の効果で攻撃の威力とスピードが上がる。


厄介な固有スキルだな。


「はぁ、はぁ、はぁ」


相当ダメージを与えた結果、海堂の体を赤黒い光が覆っていた。


「ゴミ屑がぁぁああ!!絶手ェ殺す!」


今までとは比べものにならないほどのスピードで海堂の拳が俺に迫る。


おそらく海堂には自分の拳が俺を貫く未来でも見えてるんだろうが、残念だったな。


ドサッ‥‥‥。


「‥‥えっ?」


海堂の拳より早く俺の剣が振り抜かれ、海堂の右手を斬り落とした。


「俺の腕が、ぁぁあああ!!?」

「‥‥うるせぇよ。

第五階梯魔法〝風の強打(ウィンド・ブロウ)〟」


風の衝撃に打たれ、その勢いのまま巨木に打ち付けられた海堂は気を失った。


留めをさすために海堂に向かって歩みよっていると、光の矢が飛んで来た。


「!‥‥誰だ、お前?」


魔法を交わし放たれた方を見れば、1人の少女が震えるのを堪えながら俺を見ていた。


少女の見た目は、シャルティアに似た黄金色に近い金髪碧眼の少女だ。しかし、シャルティアが美人なら、こちらは可愛い感じた。幼さを残し、身長もシャルティアより小さい。


「私は、ララシーク・エール・リム・エスティファム、聖王国第二王女なのです!」


「ほう、第二王女か」


まさか召喚の間に王族が2人もいるのは予想外だな。


視界の端でシャルティアが海堂の元に向かっているのが見えたが、今はそんな事どうでもいい。


それよりも、先ほどまで倒れていた騎士と魔導師たちが立ち上がりララシークの元に走って来ている。


もう動けるようになったか。


俺がこの後の戦闘について考えていると、ララシークが話しかけて来た。


「何故、魔族や獣人のような野蛮で穢れた者たちと一緒にいるのですか?」


俺はララシークと眼が合う。


こいつの眼‥‥気に入らない。


あれは狂信者の眼だ。


「俺にとっては魔族や獣人も人間も大して変わらないけどな」


俺の言葉にこの場の多くの者が息を呑んだ。


「な、何を言っているのです!?魔族や獣人は人の道から堕ちた汚らわしい生き物です!」


はぁ、まだ聖王国にはこんな胸糞悪い狂信者がいるのか‥‥逃亡して正解だったな。


「‥‥お前何でそんな事を知ってるんだ?」


「本で読みましたのです」


「‥‥本だけか?」


「‥‥騎士や魔導師、お姉様に聞きましたのです」


「それってつまり、お前は何も知らないって事だよな」


言葉の意味が理解出来ていないのか首を傾けるララシーク。


「お前は他人から聞いた事ばかり信じて、自分では何も見ようとしない。まるで、籠の中の鳥‥‥いや、都合の良い人形だ」


「なぁっ!?」


耳まで赤くして怒りを露わにするララシークの元に騎士と魔導師たちがやって来た。倒れている海堂にもシャルティアが魔法で応急処置を施している。


そしてーー


「ピィィィイイイイ!!」


ーー笛の音が鳴り響いた。


騎士の1人が魔法の笛を吹いたようだ。


魔法の笛は吹くと吹いた者の居場所が分かる便利な道具だ。しかも、吹く笛の音によって意味が変わるらしい。


一見便利そうだが、魔法の笛を感知する魔法道具があれば誰でも感知出来るので一長一短だ。


それを吹いたという事は、もう直ぐここに聖王国の騎士たちが雪崩れ込んで来る。


聖王国のの騎士たちなら問題ないが、もしもあの騎士団(・・・・・)に来られると死なないとは思うが厄介だ。


ここまでだな。


「第四階梯魔法〝濃霧ミスト〟」


濃い霧が突如出現し視界を封じる。


敵に警戒しながら俺は3人の元に向かう。


「わ、私は!人形なんかじゃない!」


霧の奥からララシークの叫び声が聞こえ、足を止めた。


何か気に触る事でも言ったか?

‥‥まぁ良いか。


「だったら、もっと外の世界を見ろ」


今度こそ3人の元に辿り着く。


言いたい事は色々あるが、


「一旦ここから離れよう」


3人は俺の言葉に頷き森に向かって地を蹴った。







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