第14話 絶望と踏み躙られた思い
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もう感謝感謝感謝です!!( ̄▽ ̄)!!
あと、今後は学校と仕事の両立で忙しいので感想を頂いても返せないと思います(。-_-。)
「一瞬で終わらせる」
「来る!」
「‥‥!」
風巻さんに言われるまでもなく、凍夜君に意識を集中する。
相手は凍夜君だ。大切な友達だ。
でも、俺が本気で戦っても勝てる見込みはない。だったら、全力で戦って止める。
しかし、その覚悟すら俺の驕りだった事を直ぐに分からせれた。
ドサッーー。
一瞬の出来事だった。
視界から凍夜君が消え、次の瞬間、隣に立っていた風巻さんが倒れていた。
「!?何ーー」
「次はお前だ」
状況を理解するより前に、目の前に凍夜君が聖剣を手に持ち立っていた。
動きが全く見えなかった。
「うぅぉぉおおお!!」
反射的に剣を振り抜く。殺さないようにする事なんて考えず、無意識に目の前の敵の命を刈り取るべく全力で剣を振るった。
剣の軌道は、真っ直ぐに凍夜君の首に向かって進む。速度も振り抜いた体の感覚も悪くない。寧ろ、今まで繰り返して来た斬撃の中でも最高の斬撃の自信がある。
「‥‥無駄だ」
しかし、剣が届く事はなく、根元からまるで獣に食い千切られたかのように刀身がなくなっていた。
「!?」
一瞬の同様。現実離れしすぎた光景に、俺は体を動かせなくなった。
「魔力を食い尽くせ、暴食王」
そして、気付いた時には、聖剣が俺の胸を貫いていた。
「がぁ‥‥ぅぅ」
全力で戦って止める?何を俺は自惚れていたんだ。
俺程度じゃ、戦いにすらならなかったじゃないか……。
体から力が抜け、その場に膝を付く。
胸が熱く、激痛が走る。
呼吸もままならず、身体の力が抜けて行くのと、胸を貫かれた現実が、間近に迫った死を連想させる。
「‥‥っ、俺は‥ま、だ‥‥」
死にたくない!
「安心しろ。死にはしない」
凍夜君の温度が込もらない声が聞こえると同時に、胸から聖剣が引き抜かれた。
「‥‥っ」
ドサッーー。
聖剣が抜かれた途端、俺の体は重力に引かれ硬く冷たい地面に倒れた。そして、意識もだんだんと遠くなって来る。
「ただ、魔力を殆ど喰ったから暫くは動けねぇよ」
薄れゆく意識の中で、俺の横を通り抜ける凍夜君に手を伸ばす。
ーーーーーーー
ちょっと大人気なかったかな?
そんな事をこの辺りの魔力を聖剣に喰わせながら考えていた。
まっ、良い勉強になっただろう。
この辺りに残っていた魔力を喰わせ終わり、2つの魔法を解除する。
これだけしておけば、この場で戦闘があった事何て誰も分からない筈だ。
俺は聖剣をしまい、偽装をかけ直す。
そして、2人の脇を通り抜けようとした時、ズボンの裾を掴まれた。
「‥‥」
足下に目を向ければ、俺のズボンの裾を掴む深海の姿が目に入った。
意識は魔力が枯渇した所為で虚ろになり、伸ばした腕は震えている。誰がどう見ても限界なのが分かる。
「‥‥どうしてそこまでする?」
「‥‥凍夜君は、俺の‥‥大切な‥‥友達‥だから」
その言葉を聞いた瞬間、俺の中で押さえ込んでいたものが抉られた。
友達?仲間?ふざけるな、俺は2度とそんなものを信じない。
信じれば裏切られる。時間をかけ繋いだ絆も意味なんてない。その信頼や絆が大切だと思えば思う程、裏切られた時の傷は深くなり、絶望に変わる。
「‥‥下らない」
深海の手を無理矢理払いのけ、道を進む。
道を進む。
そろそろ王都の外に出る。
「‥‥分かってる」
俺はかつての元仲間たちにされた様に、深海の心を踏み躙った。
俺も相当な屑だな。
それでも、これが今の俺だ。
「‥‥」
一度クラスメイトたちがいる王城を見て、溜め息を吐き出す。
他人がどうなろうと知った事ではない。
でも、
「簡単には死ぬなよ」
俺を追いかけて来てくれた2人の顔を思い出し、そう言葉を紡いだ。
そして、城壁の外、人間領の危険地帯へと歩き出した。