第11話 抜き放たれる聖剣
何と日間ランキングで、30位になってしまいました
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しかも、ブクマは800件超え!?総合評価も1000を超えました!!
本当に読んで下さってる皆さんには感謝感激です!!!
あ、あと白虎の獣人の名前はヴィルヘルムでいきます!
この名前、自分的にかっこよくて気に入ってるので、このまま続けて使おうかな、と思います(^_^;)
俺たち召喚された異世界人は、特に聖王国から行動の制限は受けてはいない。
城の外に出ようが、王都から出て魔物と戦おうが基本は自己責任だと言われている。
しかし、聖王国の周りの魔物は人間の領地内の魔物の中では強く、召喚されたばかりの戦闘初心者では勝つのは難しい。更に近隣に国はなく歩いて1番近い小国でも4日はかかることも初日に説明を受けている。
図書館で下調べをしたが嘘はなさそうだ。
だから、俺は王都の外に向かって歩いているのだが.....。
はぁー、しつこい奴らだ。
城を出た直後から付けて来ているが、下手くそな尾行だな。
いや、あの2人が尾行に慣れていたら....。
俺は2人が日常的に他人を尾行している姿を想像した。
恐すぎる。
顔を少し上げれば、この王都ティファナを囲む様に作られている城壁が目に入る。
あの城壁は、高い壁というだけでなく、様々な魔法が付与されている。まさに、国と国民を護る盾だ。
……そろそろ城壁が近くなって来たな。
ここで俺は脇道に進み先を変える。
ここも事前に下調べしていた道だ。この道の奥は滅多に人が通らず、少しの戦闘くらいなら行える広さがある。
「‥‥よぅ、人を尾行するとは良い趣味してるな」
「「!!」」
路地の奥でで待ち構えていた俺を見て2人は驚いている。
あの程度の尾行でそこまで驚くなよ。
「それで、俺に何の様だ?風巻、深海」
俺の目の前には、先程まで話していたデコボココンビー風巻と深海ーが立っている。
「いや、私たちは、その、何となくー」
「帰れ」
これ以上は時間の無駄だ。
「これ以上俺に関われば、容赦しない」
「‥‥断る」
「私も、ここで退く訳にはいかないわ」
こいつら.....。
「‥‥ここで、凍夜君を見失ったら‥‥2度と、君に届かない気がする」
届かない、か....。案外外れてないかもな。
俺はもうクラスメイトとも戦争とも関わるつもりはない。世界がどうなろうとどれだけ他人が傷付こうと俺には関係ない事なのだから。
「‥‥はぁー、しょうがねぇな。
第三階梯魔法〝静かなる音〟
第四階梯魔法〝濃霧〟」
俺はまずこの場から音が漏れない様にし、水の第四階梯魔法〝濃霧〟で外側からの視界を封じた。
今ここは、俺たちから離れた所に濃霧が発生し、3人の視界を遮る事はない。例えるなら、台風の目の真ん中にいる感じだ。
これは、並大抵の魔力操作では不可能な芸当だ。
風巻と深海はその事に気付いている様だ。
「何ていう魔力操作....」
「‥‥!?」
驚いている2人を尻目に、俺は偽装を解く。
「〝実力偽装〟、〝魔力偽装〟解除!」
その言葉と同時に、俺から解き放たれた魔力が物理的な圧力となり2人を襲う。
「‥‥くっ」
「何て魔力量なの!?もしかして、澤輝以上....」
「はぁ?俺をあんな三流エセ勇者と一緒にすんじゃねぇ!」
圧力に敵意を混ぜる。
それだけで2人の息は荒くなり、足が震えている。
「どうした?俺を止めるんじゃないのか?」
俺の言葉に反応し、2人はそれぞれの武器を構える。
「ふーん、構えは上々、戦意はギリギリ及第点、覚悟は合格ラインだな」
まっ、これくらい耐えられないなら魔王と戦う何て夢のまた夢だけどな。
「お前らの覚悟に僅かな敬意を表し、俺も少しだけ全力を出そう」
「「!!」」
2人の顔には大粒の汗が流れ、顔色も緊張の為かだんだんと悪くなっている。
それでも構えを緩める様子はない。
まっ、お前ら程度では何をしても無駄だけどな。
俺の突き出した右手に、魔力が集まり剣の姿に変わって行く。
「 底無き欲望宿りし聖剣よ 我が手に顕現せよ!
万物を喰らい尽くせ【聖剣・暴食王】 !!」
その時、かつて世界最強と言われた勇者の聖剣が再びこの世界に顕現した。