教えて。ユイナ先生
◇
ステータスを見ていて気付いた。
「ところで闇精霊の契約者って何よ…。骨鼠と骨狼は表示が眷族になってるし。あとスキルとレベルも一応聞いておきたい」
「面倒臭い」
「えっ」
断れると思わなかったので呆気にとられた。
だが抱き付いてきたユイナが首筋を舐め始めたことで何を考えてるかが分かった。
「分かったから教え――吸血して下さいませ。そして私めにお教え下さい」
俺の返答が気に入らなかったようで目でやり直しを要求された。
テキトウな敬語で良かった辺り、言葉でなく態度がダメだったようだ。
にしても吸血鬼に吸われると気持ちいい、とかどっか(創作物)で目にした気がするんだけどそんなことないな。
いや、ユイナの唇が触れたりして気持ちいいけど。でも、それは吸血鬼とか関係ないしなぁ。ユイナは残念吸血鬼とか?
見た目よりは柔らかい髪を撫でながらそんなことを考えてたら吸血でなく普通に噛まれた。
「いってぇ?!なに?」
『聞こえてる』
一瞬何の事か判らなかったがこれが念話かと思い直す。
『良く解ったね?』
ふっ、元中二(病)を甘く見るなと言いたい。
『眷族は、下位種を配下にしたものよ。主は従者に力を授ける。代わりに従者は主に忠誠を誓う』
力って具体的になに?
『経験値(=レベル)ね。普通は自分の分の経験値を授けるわ…。シンは死体の経験値を流用してるし吸血鬼は血を使うけれど』
ふ〜ん。眷族の解除?みたいのは出来るのか?
『勿論、普通は出来るわ。授かったレベル(経験値)分を返せば眷族は終わりよ。授かった力が多いと大変だけど』
借金の二文字が脳裏をよぎる。
『レベルが高くなれば成る程レベルは上がり辛くなるんだけど…。例えば50から60になるまでの10レベル分貰えばそこから、10レベル分稼いで返さないといけないのよ。』
『つまり最低でも60から70までレベルを上げて返すの。しかも眷族の間は経験値を主にも献上する(搾取される)から上がりにくいレベルが更に上がりにくくなるオマケ付き』
少なくなった経験値でレベル上げって…。眷族のメリット少なくない?
『他にも特典あるわよ。上位種になると寿命が延びるんだけど、その恩恵を受けられるの。ああ、ヒューマンの寿命が100歳ならハイヒューマンはその10倍ね。まぁデメリットもあるんだけど』
寿命か。それなら解らなくもない…かな。デメリットは?
『主が死ぬと従者は授かった経験値を失うのが一つ。まぁ、貰ったものを失うだけ、と言えばそうなんだけど』
『でも怪我をして入院した訳でもないのに、一瞬で、弱体化すれば精神ダメージはキツいでしょうね。主を慕ってれば悲しみも付いて来るし』
『二つ目は例えば従者がヒューマンで120歳とか、寿命を越えてれば当然死ぬし。それと眷族の間は老化が緩やかになるんだけど、その反動を受けるわ』
『そんな訳で眷族生活が長いと影響をモロに受けるわ。』
メリットとデメリットが凄いな。ってか、もしかして主が俺だから召喚したのが骨なのか…
うん。そうなんだろうな。眷族が上下じゃないと成立しないとかなら俺未満で骨になるとか有りそうだ。
『骨が一定レベルになれば元の姿になるけど?』
なに!?つまり女型骸骨なら女に。
ハーレムも夢じゃない?!
『言うこと聞いてくれるといいね』
○| ̄|_
そうか…。好感度が低いと経験値返却で眷族を辞めて場合によっては刺されるかも知れないのか。
うん。なら無理だな。
◇精霊
ところで何で近くに居るのに念話してるのか?、、それは口が使用中で音声会話できないからだ。
ごめん間違えた。非常時に備えて練習してるのだっ!!(キリッ
―…
えーと、それじゃあ精霊は?
『精霊は万物に宿る〜(以下略)。闇精霊の契約者は闇精霊に協力を頼める証、とでも思えばいいんじゃない?』
『上位精霊とか名前付きと契約すれば闇精霊(名前)の契約者に変更されるわ』
なる程。仮契約の証とかそんな感じなのか。
『ちなみに下位精霊は量で上位精霊は質ね。もちろん精霊術者の力量が一番だけど?』
まぁそうだよな〜。とは言え、漫画じゃあるまいし上位精霊と遭う機会なんて有るかどうかも分からないしな〜
機会があれば〜程度で充分だろう。
◇level
レベルアップの方法は魔物をやっつけて経験値貯めるでOK?
『経験値=マナでマナは万物に宿るから極端な話だと山を掘っても動植物を食べても何をしても手に入る』
何それ素敵、とか考えたがそれって逆に失われることでもあるんだよな?
主に下半身から。男は余計に、と考えて出産がある女のほうがキツいのか…
『ああ、子供の分は神々が負担だよ?』
なにそれ?しかも神々?
『レベル1000で下級神だからね。ついでに10000で上級神、下級は地方神で上級神は世界をまたにかける神だよ』
えっ
神もレベルアップでなれるの?とフリーズしてもユイナは待ってくれなかった。
『神々が子供に祝福を与えて将来的に回収、みたいな?だから両親のレベルで子のレベルもある程度は決まるのよ』
『そーゆー訳で子供生んでも大丈夫なの』
『話は戻るけど魔物を倒した経験値は装備にもいくから沢山の血を吸った剣がレベルアップ、昇華したという話もよく聞くわね』
『昇華はヒューマンがハイヒューマンになる100みたいな上位になることよ』
『だから効率良くレベルアップしたいなら強いレベルを全裸でやっつけて倒した魔物も残さず食べることね』
呆然としている間に話は終わったようだ。話半分だったので、もう一度聞いたら血を対価に優しく易しく教えてくれた。
尚、万物に宿るということで人間を倒しても勿論レベルアップする。
『スキルについては神に認められた技や技術のことよ』
「そういや気になったんだけど吸血鬼は眷族辞められないのか?」
「死ねば辞められるわよ?」
…そうじゃないと思うんだ。




