週間
◇
『週一』
どうしよう?どうするべきか?いきなり反対しても余計に悪化する可能性がある。なら、まずは了解した上で、何故か?を聞くべきか。いや、了解しないほうがいいのか?
素早く考える。ここ最近、いや向こうに居たときより考える。だが経験が圧倒的に足りない。仕方なく普通に聞く。
「…なぜ?」
無駄に深刻そうな声を出したが普通に返された。
飽きた――……・・
そう言われた俺は心に甚大なダメージを受けた。後から冗談だと訂正が入ったが、先制の一撃のダメージはでかかった…
ユイナに会話の主導権を握られた状態で、説明を受けた。
曰わく、為にならない、とのことだった。意味が分からないが…
色々と説明された。中には“飽きられたくない”とか可愛らしい理由もあったが“猿の相手は嫌”というのが本命だと思う。
否定して…と視線に込めたが、微笑むばかりで否定されなかった。
だが、なら丸一日!
と情けなく叫んでも否定されなかった。
三日に…言おうとしたら拒否されたが。
「ユイナ好きだ…」
唐突かも知れないが、今まで言ってなかったことに気付き、告白した。
…言った後に情緒が無いと思ったが今更だ。
言ってから気づいても遅い。まぁ日○人は、愛を普段から囁かないところがダメ、とかTVで言ってたし大丈夫だろう。
「…人間の言葉は信用できないわ」
…まさか全否定が入るとは思わなかった。ただ、腕の中に入るユイナを見て、言葉でなく態度で示せとそう言われた気がする。
いやそう言ったに違いない。ギュッと抱き締めながらそう思う。
そうなわけで金曜日は祝福の日になっ――
「ああ、そうだ。週一は私の都合でしょう?代わり…と言ってはなんだけどシンはハーレムを作るといいわ」
「ッ!?……いや気持ちだけ受け取る。俺はユイナ一筋だからな(キリッ」
一瞬、歓びで感情が爆発しそうになったが冷静に返した。
男の反応を見る女の手口では無いかと思い直したのだ。
最も――もしかして本気かも?と半分思ってるから浮き足立った中での冷静――だが。
「三度は言わないわよ?ハーレムを作るといいわ?」
深読みしすぎたか?
とは言え
「ハーレムってユイナは気にならないのか?」
全く気にならないとか、興味ない、と同じですよ?
「オスがメスを囲うのはそんなに珍しいことじゃないでしょう?……必要なことを必要なだけやってくれれば構わないわ」
?…??………???
メスを囲うのは珍しくないけど……強いオス限定デスヨネ?ソレ?
――分かります…聞いたらきっと「強くなればいい」とかいうんですよね?ハァァ…
…しかも、もう一つも何気にハードル高くないか?吸血鬼とか異種族の必要って何よ。そこを知るのも必要なこと…だとでも?
とは言えシャイな照れ隠しなんじゃないのか?と思う。そう思ったら
「分かった…。ハーレムを作ろう!…ただユイナもハーレムメンバーだからね?」
――自分の事ながら器がちっちゃいなぁ…
しかし万が一があってはイケないんだよ!!
と熱弁してみる。(誰に?)
ユイナは優しい感じで笑っていた。
「(フフッ)ヨロシク、オネガイシマスネ?」
「おうよ!これからも末永く宜しく」
一度離れてから挨拶し握手を交わしてハグした。
自分の行動なんだが不思議な感じだ。
…まぁいいか。
取り敢えず俺は週一に伴い週間を採用することにした。
この世界の一週間が七日かどうか判らないが…
俺が予定を立てるのには関係ない。
月間や年間予定は情報不足で立てられないというのもあるが、俺が予定を立てても守れないからだ。
―予定を考えるのは好きなんだけど……
予定を考えるときが最高潮だからなぁ…
そんな訳で金曜日な今日。迸る情熱な日な訳だ。
そして今日も今日とて水風呂に入るんだけど…
「いい加減、温かい風呂に入りたい。あと髪も水洗いからシャンプーとまではいかなくても洗いたい…」
井戸水を温めようか…
風呂に使う水はマナだから温められない(時間で消える)から井戸水を温めるしかないけど…
物凄い面倒臭いから諦めていたのだけど…週一だけでも努力するべきか?
なんて考えていたら
「お湯がいいの?」
と不思議そうに言われた。聞いてみると、どうやらお湯も出るらしい。
他の部屋から魔石を持ってくる必要があるらしいけど……
逆に言うと持ってきて取り付ければいいだけらしい…畜生…
もっと早く言えば良かった。
――温かい…♪
ホッコリする…♪♪
残念ながらユイナには解らないらしい
勿体ない(゜o゜;)
勿体ないと思っていた時期もありました。はい。
兎は逃げるときも耳を立てるらしい。人間が汗をかくように、発熱の為だ。
発熱の為だ。そしてユイナは汗をかかないと言った。つまり発熱の方法が違う。
違う。。
―――羽を展開して発熱する。……する。…羽を……展開する。―――つまりペッタンコ――
―――――
――……
………
よくよく考えれば、普段はそのほうが好いんじゃないかと気付くのは、この後だ。
祝福の日だけ、ぬるま湯に浸かればいいのだ。
――別に水風呂にする必要はない――
順番が逆(?)になったが洗髪剤はないけど洗毛剤はあるらしい。
ぶっちゃけ獣用らしい。…薄めて恐る恐る使ってみる。
――下の方で。だって髪は怖いもん。
後日、髪の毛を洗ったがシャンプーを、超えた!
いや安物のシャンプーしか知らないけどさ。
――父がヒエラルキーの頂点だったが、母に任せきりだから男性陣は安物シャンプーで父は気付かないという…。しっかりと女性陣は良いものを使っていた―――
「獣用って言っても獣人用だからね」
思い出したように言われたが早く言って欲しい。
それなら気にする必要無か―いや、あるか?
毛の性質が一緒とは限らないもんな。それなら配慮は有り難かったのか?
兎も角シャンプーは予想以上に凄まじかった。
スゴい柔らかくなった。ビックリしたよ。
尚、補足だがユイナは無くとも問題ない。というか必要なかった。何だろう、この理不尽感…
◇
――狩りに…行く。
いや、いつも通りだけど。
パーティーという概念がある。
経験値を分割できるのだ。弱者に対する救済処置なのか何なのか、編成出来る(リーダーは)のは人間限定になっている。
吸血鬼からは編成出来ないようだ。最も俺のパーティーに入れることは出来るが。
あとゲームみたいに全員で均等分割じゃない。
まず経験値の半分?を戦闘の貢献度(活躍度?)に応じて山分け、残りの経験値をパーティー人数で均等分割だ。
あくまで推測で細かい数値は不明だ。検証厨じゃないし大まかに分かれば問題ない。
にしても草を踏んづけたり切ったりでも経験値が入る。
だから木を伐って薪を作れば、筋力と経験値が手に入る。
もう体力作りと割り切って木こりよろしく薪作りしようかな。
う〜ん。真剣に悩むな
ってかここには、鼠と狼しかいないのか?
見当たらん…




