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盗っ人  作者: 日寝暮者
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兎と狐





起きてステータスを調べ朱桜と眷族、精霊と、今の俺の力を調べる。





分からないことはユイナに聞き、発情しては発散させて貰い、お腹が空いては魔具の使い方を教えて貰いながら一緒に作る。





一緒に作るといっても俺の食事だ。彼女の食事は“赤い生き血”の一択のみだから仕方無い。





料理ぐらい一人で作れないのかって?





うん。無理。日本に居た頃は、めんつ○や焼き肉の○れ、チャー○ンの素と完成された調味料ばかり使ってたからな。





野菜とか肉も使うのはだいたい決まってたし。塩と砂糖、見た記憶はあっても今一分からない素材では何も出来ない。



だから手伝って覚えようと思ったんだけど、料理を口にしないユイナのほうが味付けが上手なことに気付き俺はサポートにまわる事にした。





素材はどうしてるのか、気になって聞いたら俺が寝たあとに取りに、または狩りに行ってる、とのこと。ユイナのほうには足を向けて寝れないな。





深夜だが吸血鬼には関係ない…いや深夜だからこそ良いらしい。





時に残念ながら気付いてしまった。これって…ヒモ生活じゃないのか?




いま現在、魔具を使うことが出来ない(魔力0)。調子に乗って骨鼠と骨狼を創ったせいだが引きこもってる今、魔力吸収が出来てないからでもある。





料理や風呂は、まだしもトイレなどもユイナに頼り切るのはあまりにも情けない。(皆、魔具使用)





色に溺れた生活も、否定はしないが流石に危機感を覚えたのだ。





そんなわけでユイナに戦い方を教えて貰う。狩りから始めようと思ったのだ。





何でもかんでも聞いてばかりで、それも情けないが戦い方を自力で見つけられるようなら苦労しない。





個人的には一人でサバイバル出来るやつは変態(誉め言葉)だと思ってる。





初代ラ○ダーなら分かるが十代でトリップしたり非日常でサバイバル出来るとか何なんだろうな。





「いいけどキツいよ?」


俺は勘違いをしていた。ユイナに甘やかされてたから甘いとばかり。だがそれとこれは別物だと身を持って知る。






装備を整え城外に出る。といっても敷地内、城壁の内側のスペースだが。




最初は俺が槍を突いたりしてユイナに見てもらい、その後に指導してもらっていたが……





教えるのが面倒になったのか、途中からは実戦形式になった。





やってるうちに楽しくなってきたのか手加減がなくなってきた。





そして興奮が抑えきれなくなったのか、背中から羽が生えてきた。まるで植物が競い合うように伸び、絡みあい、骨組みとなる。その後、骨組みから皮膜ができる。





話が変わるが少女から彼女へ変わる時、身体は成長した。

当たり前と言えば当たり前だ。





また話は変わるが、この世界全体だと不明だが少なくともこの城にブラジャーは無い。ゆえに“かっぷ”というのも分からない。





だから、俺のイマイチな知識での判断だがユイナはB〜Cだろう。もう一回りあれば…と悔やむサイズだ。





まぁナイとダメ、じゃなく有れば嬉しい、サイズでもあるが。長々と話したが何が言いたいかと言うと現状に不満が無いわけだ。いや無かった!





…ごめん。ひとまず落ち着こう。うん。それがイイ。




(;-_-)=3




……Aになった。

羽が生えてAになった。大事なので二度言った。前から背中に。いや羽の大きさから判断すると全体から寄せて羽になったんだろうけど、だがしかし顕著なのはヤハリ胸部だ。おっ○いでもいい。が、小さくなった。。




はぁ…

はぁぁ…………





とは言え

普通に考えるなら羽を仕舞えば戻るはずだ。多対一でボコられ巨大化する怪○のように戻らないことは無いはず。





それにしても…なんだあれ?羽ばたいている訳でも無いのに浮いてる。ファンタジーだから、とか言い出すのか――と考えてたが今が特訓中なのを忘れていた。





接近してきた――ホバー移動してきたユイナに掴まれ空中でボコボコにされた。下手なワイヤーアクションみたいに空中に留まりのコンボだ。





吹っ飛んだショックもあるが、痛む身体で荒い息を吐き、落ち着いてきたので地面に横になる。





まさか初日からここまで激しくやるとは思ってなかった。そう油断、いや甘えてたのもある。だから槍も早い段階で手放していた。







だから…だからユイナが爪を伸ばし――その長い爪で腹を貫かれるとは思わなかった…





えっ―…?

頭の中が白く染まり現状を正しく認識出来ない。それでも彼女は止まらず俺の身体を持ち上げ混乱している俺にキスをする。





相変わらず突き刺さったまま、ぶん投げられる。二転三転と地面を転がり止まる。呆然と見ていると彼女は俺を貫いていた爪を舐める。





嬉しそうな笑顔で。初対面なら虜になりそうな惚れ惚れしそうな笑顔で。




血を吸われてる時、表情は分からなかったがこの笑顔なんだろうか?





うん。現実逃避してる場合じゃないな。デートの待ち合わせで彼氏を見つけた女の子みたいな楽しそうな雰囲気のまま近寄ってくる。





痛むお腹がまだまだ終わってないと知らせてくる。

こうして俺は絶望的な闘いに身を投じた。




―…・・





彼女が腕時計を見る。

俺が上げたものだ。―この世界は24時間じゃないみたいなので要らなくなったから―なんだが…




今日はお終い。お疲れ様



その言葉が聞こえた俺は意識を手放した。







「おはよう」




数時間、寝てたらしい





ベッドに腰掛けたユイナに挨拶されたが、先程の事を直ぐに思い出した俺は警戒した。





機嫌が好いらしい彼女は特に気にせず微笑んで水を渡してきた。





彼女は俺が水を飲むのを待たずにご飯の用意をする。





ベッドを降りるとき刺されたお腹の傷が多少痛むが傷自体は目立たなくなっていた。





「治しておいたけど痛む?」





噛んで血を入れる方法で軽い怪我なら治せるらしい。





怪我をして―腹を刺されて―文句を言うつもりだったが微笑んでる彼女を見て止めた。特訓は俺が頼んだのだし油断(甘えてた)したのも俺の責任だ。





怪我の後は痛みを堪えて転がされてもすぐ起きるように注意してたら例え遅くとも酷い目には遭わなかった。




血もそこまで酷くなかったし内臓に支障を来さないようにした所謂、警告だったのだろう。





とは言え納得出来るほど大人になれなかったのでお返しをすることにする。





食事をし休憩を挟み身体を洗いそして襲うことにした。





襲う、というように少し乱暴になったが…




彼女の胸のなか頭を撫でられた事により全ては掌の上で転がされた気がしてならない。





―…・・






「おはよう♪」




「…おはよう」





起きたら抱かれていた。まるで俺が甘えてるみたいなので止めて欲しい。振り解こうにも彼女のほうが細腕なのに全く適わない。





いっそ開き直ることが出来れば幸せなのかも知れないがまだそこまで往くことは出来ない。





なので質問して気を逸らす努力をする。





「羽を出すと何時もああなるのか?」





空を飛ぶなら空気抵抗は少ないほうがいいし、軽いほうがいい。肥満な人が足元見えないように小さければ死角も減る。





羽付きなのに巨乳とか男が喜ぶ以外に意味はない。いや、そこまで言うなら人型で飛べることにも文句を言えと言われそうだが。





「残念だけど…。」





代わりに女吸血鬼のほうが男吸血鬼より早く羽をだせるらしい。





だからどうしたと言われるとキツいが。





「羽ばたく必要もないの?」




「それがスキルの効果よ」





飛行スキルの効果で羽があれば羽ばたかなくても好きに飛べるらしい。

スキルは“神に認められた技“などだが神々に認められればこのように補正が掛かるらしい。祝福と言い換えてもいい。





ホバー出来るとか羨ましい―そこで気になった。羽ありの時は体重が空気なんじゃないかと…

実際は別としても効果は一緒なんじゃないかと。






俺の考えは正しかった。貧しくなる代わりに俺は幅を広げることに成功した!レパートリーだ!

夢は広がった♪





…ユイナは残念そうな目で俺を見てるが今の俺には気にならない。





こうして俺の日課には特訓が増え夢も広がった。




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