いきなり姉弟っ!?
「わかってると思うけど今日からあなた達は姉弟だから」
・・・・まじか
まじか!まじか!まじか!
察しは付いていたんだ。母の不自然な言葉遣い、玄関先で見た男性用レザーシューズ。これらからするに母が再婚でもするんではないかと。しかしだ。まぁ、再婚は良いとしよう。本当は色々と母に問いただしたいが今は良いとしよう。僕がここまで動揺しているのはそこじゃない!”キョウダイ”という言葉だ。そもそもキョウダイってなんだっけ?あれキョウダイ?キョウダイ?鏡台?ダメだ。なんかキョウダイ、キョウダイ言いすぎて頭が軽く変になってきた。
「ほんとに可愛い娘ができてよかったわ」
と、呑気な声で母。
僕はそれどころじゃありません。頭の中がが整理できていません。
「いやいや、僕の方こそずっと息子が欲しくってねー。こんなに優しそうな息子ができてすごく嬉しいよ!」
初めてこの男の人の声を聞いた。低くて通る声だなー。
なんて考えてる暇はないか。
僕は馬鹿な感じで聞いてみた。
「えっと・・姉弟って・・・誰と誰が?」
「あなたと美優璃ちゃんに決まってるじゃない」
ですよね~~。
後からだが我ながら馬鹿な質問だと思った。
が、これで1つはっきりしたがどうやらマジらしいな。
母と男の人、もとい今日からの父はさっきから、良かったわ~、僕の方こそ良かったよ~などと互いの息子、娘を褒め合っている。どうでもいいけどなんにも良くない。
すると今まで沈黙を守っていた秋瀬 美優璃は小さくだが口を開いた。
「・・くないよ・・・。良くないよ!なんにも良くない!」
わー、同じこと思ってたんだ。
「馬鹿なんじゃないの!?パパ。学校から帰ってきたらいきなり、ドライブ行くぞって言って、ついて行ったら女の人の家で・・・」
うわー、課程がまるで一緒じゃーん。
「それで・・いきなり今日からこの人結婚することに決めたから、なんて言われてはい、そうですかってなるわけないじゃん!」
正論だ。
「でも、今日はそれについては良いとする。全然良くないけど。それよりも私がいっちばんわけわかんない・・うんん、いっちばん気に食わないのが・・・」
「どうして私とこいつが姉弟なの!?意味不明なんだけど!?もっとかっこよくて年上のお兄ちゃん的な存在ならまだ許してた。でもよりによってこんな!弟だなんて!確か同じクラスだけど別に特別目立つわけでもないし運動とかできなさそうだし、顔は・・まぁまぁだし・・・こんなつまんなそうなやつが弟だなんて絶対ヤダ!断固拒否!」
・・・・めっちゃボロカス言われたー
普通に心が痛いよ。
そこまで言わなくても・・・
落ち込んでる僕。そして一気に緊迫したリビング・・・
ジリジリと顔に伝わる緊迫感。と、ジワジワと熱くなる僕の涙腺。
1分くらいだろうか。いや本当はもっと短かったのかもしれない沈黙の中、母と今日からの父は綺麗なくらい同時に言葉を発した。
「ごちゃごちゃ言っても今日から姉弟」
なんと言うか、僕はこの時なぜか背すじがゾクッとした・・・