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犬神清太郎、前置きする

犬神 いぬがみ


犬を使用した呪術。

しかし呪いなどには使われず、主に家人に憑かせ、一家に富を齎せることが出来る。

大きさは鼠ほどであり、壺の中や床下に潜んでいる。

また、人などにも憑き、人に憑いた場合は嫉妬深く大喰らいになり、鋸に憑いた場合は使い物にならなくなるという。

ちなみに犬神はコドクの一種と考えられているが、実はそうではなく、どちらかと言うと狐霊信仰(管狐など)の一種である。

 犬神。

 それが俺の名字だ。何処にでもない名字だ。

 多分、この言葉を聞いて多くの人が最初に思い出すのは、横溝正史の名作「犬神家の一族」だろう。あれは、俺も読んだ。

 あの人の文才は凄い。フツーの作家が書けばグロテスク、「そういう趣味」のある奴が書けば、人によっては見るに耐えない文章になるというのに、それを淡々と、しかし美しく書くのだ。特に、最初の殺人で菊人形に生首が取り付けられているシーンは、映画化された「犬神家の一族」でこんなにグロテスクだったのかとギョッとしたほどだ。俺が読んだのは高校生の時だったが、それから俺は横溝正史のファンになった。帯の文句は偽りじゃなかったね。

 そんな俺の横溝語りはいいとして、もう一つ、「犬神」と聞いて想起するものがある。少しばかり、民俗学やオカルトに足を突っ込んでいれば分かる「あれ」だ。


 いわゆる、犬神。


 妖怪の話とか、和風ホラーに良く出てくるワードだ。多分、このワードが広まったのは夢枕獏の「闇狩り師」シリーズなんじゃないだろうか。俺はこれも読んだ。

 俺は「犬神家の一族」は好きだが、この犬神は嫌いだ。上記の本は面白いが、このワードで何か勘違いしたのか、犬神を式鬼しきおにとか、或いはヒーローが使役する使い魔みたいに考えている奴が多い。それが面倒なのだ。

 何故か。決まってるだろ?



 俺が、その犬神に関わってるからだ。



 俺の一族は、いわゆる「犬神憑き」らしい。なんで「いわゆる」か、というと、俺も、俺の親父も、ついでにいうとジジババも犬神なんてものは見たことがないからだ。

 そうだろう。俺が調べた限りでは、犬神っていうものはネズミサイズで、水瓶やら箪笥やら床下に棲んでいるものだそうな。その上、一応「憑き物」の類なのだが、犬神が憑きやすいのは情緒不安定な人物らしい。……お生憎様だが、俺の一族郎党は皆揃って特別肝が据わっている。

 「現代に生きる憑き物筋!」と聞けばまあオカルティックでミステリアスだが、そんな格好いいモンじゃあない。大体、神仏分離令の所為で、殆どの憑き物筋は潰されている。

 哀しいかな、民間信仰。


 だがそんな民間信仰が、俺に与える影響(というか弊害)は大きい。

 仕事場で心霊写真が撮れたと言えば、「お前がなんとかしろ」と押し付けられて、ご丁寧に「心霊スポットに行ってきた」というわけの分からない報告をしてくる奴もいる。「私達、結婚しました!」じゃあるまいし……

 現代人はオカルトに、夢を見すぎてると思う。


どうも、こちらでははじめまして。

某ブログの僻地で小説を書いているものでございます。


この小説は不定期更新です。

更新は進み具合や、私の都合によりますので、そこをご了承頂ければ幸いです。

また、一人称小説は久しぶりなので、生暖かい目で見守ってください。

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