第16章 005 魔王になりたい少年
「ニューセイントドッグガールでダークネスドラゴンに攻撃! ニューセイントフレア!」
ニューセイントドッグガールが手のひらに光の剣が発生し、その光の剣でダークネスドラゴンを打ち倒した。
ダークネスドラゴンは後方に倒れると黒いもやになって消えていく。ニューセイントドッグガールのコストは11、ダークネスドラゴンのコストは10。よって差分の1枚のカードがリーシェルのデッキから休憩エリアに運ばれる。
※デッキ枚数。リーシェルのデッキ枚数19。大和のデッキ枚数8。
大和はダークネスドラゴンを倒すと笑みを浮かべた。
「このカードが来たからにはなかなか越えられないだろう。それからまだこっちはターンエンドの前に減ったデッキをなんとかしなくちゃならない」
そう言ってカードを一枚召喚板へと配置した。
「俺はフォースカード! フレーキの一鳴きを発動! このカードは場の犬カードもしくはドッグカードが一枚以上存在する場合に発動できる。さらに相手の場のカードと自分の場のカード一枚につき2枚を休憩エリアからデッキに戻すことができる! リーシェルの場には1枚のカード、こちらには2枚のカード。よって、6枚のカードがデッキに戻る。そして、このカードは発動コストが1。まず一枚のカードをデッキから休憩エリアに送る」
デッキから休憩エリアへカード一枚を送ると、さらに休憩エリアからデッキへ6枚のカードを戻した。
※デッキ枚数。リーシェルのデッキ枚数19。大和のデッキ枚数13。
次のターンはリーシェルのターンとなる。リーシェルはカードを一枚デッキから引き抜く。
「僕のターン、ドロー」
※デッキ枚数。リーシェルのデッキ枚数18。大和のデッキ枚数13。
大和はリーシェルに問う。
「何故魔王になんぞになりたがるんだ。君がその立場になってどんなメリットがあるっていうんだ」
リーシェルは質問に答える。
「魔王になって、心が欠けた者たちの居場所を作るのさ」
「なんだと?」
「このダークネスカードで魔王という立場にまで上がれば、辛い何かを抱えた者たちの居場所を作ることができる」
リーシェルの考えはまるで先代の魔王の考えとまったく同じであった。タートルはどこかで聞いたことのある発言に心が揺さぶられる。
「魔王という立場というが、それで世界からは嫌われる。命だって狙われる。それでいいのか?」
「いいわけがない! だけど、そこを目指さずにはいられない!」
フリイヤは思った。クライカードは生きることの苦難を抱えているものの発見する手段としても使われていた。それが今、このダークネスカードによって代わりの機能を果たしているのではないかということだ。彼が魔王になりたがっているのもダークネスカードの影響の可能性があり、本当は助けを求めているのかもしれない。
フリイヤは大和に「この勝負、負けちゃだめよ」と告げる。




