稲穂
好きなことわざ。
実るほど頭を垂れる稲穂とて
頭を垂れつづけてきたおかげで
ここまで実ったわけでもあるまい
実りきるまではあいつも むしろ 背すじをのばして
あのお天道様を睨むように
頭を高くしていたことだろうさ
それがしだいに実りを纏ううちに
その実りは おのれひとりのちからで
得たものではなく
多くの助けと恩とがもたらしたものだと
身に沁みるように感謝をおぼえて
頭を垂れるようになるのだ
だからまだ 実りきってもいないおまえは
頭を垂れるよりも
背すじをのばして あのお天道様を睨むように
頭を高くしていろ
幾分 不遜だとしても
それが若さとも言えるだろう
だが やがて実りを纏うようになって
受けた助けと恩が身に沁みたとき
おのずと頭を垂れるようになるはず
そういうものだ
実践しているかは、別として。