【74】ボス部屋~の3階層
「主……主」
「何だかキアの声が聞こえる。アイツの残滓がまだ俺の脳内に残ってたのか?」
直後頭に痛みが走る。
「いてっ!なんだ?」
「何寝ぼけたこと言ってるんですか?
皆のレベル上げ終わりましたよ」
「あ、そうなの。あのーつかぬ事を伺いますが、キアさん俺の頭しばいた?」
「はい。何しても起きないし、寝言がちょっと気持ち悪かったので」
「そうなのね」
うん。こいつ絶対主って思ってないな。
普通頭しばかんでしょ!
血出とるし!信じられんわアイツ。
「皆レベルどのくらいになった?」
「発表するわね。あんた驚くわよ
ロスト:レベル2400
アサド:レベル2200
ベール:レベル2100
キア:レベル2300
ロウガン:レベル2200
ケント→レベル2000
どう?あたしもキアもあんたのレベルに近付いたわよ!」
「凄いな!かなり上がったなケント。よく頑張ったな」
「あんた私達も気にしなさいよ!」
「お前らは元々そのくらいだったじゃん。
寧ろ上がり幅低くない?」
「じゃあそういうあんたはレベルいくつになったのよ!」
ザハルはステータスを掲示した。
ザハル:レベル″3000″
「はぁ!?何その数字!どうやったらそんなに上がるのよ!変態よ!あんたは!」
「流石我が友ザハルだな」
「ええ、ザハル様は次元が違います。シガレット家の誇りです」
「やんや騒ぐな。うるさい牛だな。
それよりボス部屋見つけたから行こうぜ。
今回は誰がメイン?」
「じゃあ今回はキアとロウガンペアで行きましょう」
「おう!任せな!宜しくなキアさん!」
「ええ。よろしくお願いいたします」
ちっ!アイツ俺の頭からは流血させやがったくせに、ロウガンには照れて頬を染めてやがる。
乙女過ぎだろ!気持わる!
「主、何が気持ち悪いのですか?いかがなさいましたか?」
俺の背筋が凍った事は言うまでもないが、どうやら気持わるいと言った部分だけが口に出ていたようで、更なる流血は回避できたのであった。
「気にするな……それよりもボス戦だ。レベルが上がったとは言え気を抜くなよ」
「承知しました」
「ウズウズしてきたぜ」
ロウガンは勢いよくボス部屋を開いた。
「どいつが相手だ!かかってこんかっ……」
最後の言葉を言うことは叶わず、ロウガンの片翼が食い千切られた。
「キュアヒール」
キアの回復により翼を取り戻したロウガン。食い千切られた状態でも怒濤の攻撃をしていた。
コイツに痛覚があるんだろうかと疑問に思うことがある。
キアの回復と絶対防御は見事なものだ。
ロウガンがどれだけ傷付こうとも、瞬時に回復している。
いいコンビだ。認めざる得ないな。
「ロウガン狼の動きを予測して動いて下さい!直線的になりすぎです!落ち着いて」
「翼を使い強弱を付けよう。焦るな。難しい相手じゃねー!負けるかよ!」
「良くなってきましたよ!弱点を見極めて!焦らないでロウガン!」
キアの奴、感情丸出しだな。
本当に好きなんだな。あのヒゲラーメンを。
「そうそこ!やっちゃえロウガン!」
「ここだー!!!」
ロウガンの大死闘により狼のボス討伐に成功。
「やったー!」
キアはピョンピョン飛び跳ねて喜んでいる。
「へーそんなリアクションも出来るんだ」
キアは焦りつつも平静を装い、どうにかなかったことにしようとしていた。
「こ、これはロウガンの為です!」
と、言い残し走り去っていくキア。
超乙女なんですけどー!
見てるこっちが照れるわ!
「ザハルみたか?倒したぜ」
誇らしげなロウガン。
何はともあれ2階層まで突破。
さて次は3階層になるのだが、なになに?推奨レベル2800!?
「ちょっと待って!あんたしか無理じゃない!ってもう魔物がわんさか来てるし!」
ザハルが1歩前へ出る。
「半殺しにするから、とどめを刺してレベルを上げろ。構ってる余裕はないができるだけ何とかする。グランドオークか……」
通常ダンジョンのオークよりスピード・パワー・耐久力が段違いに強い。
平均レベル2600と俺以外の仲間には死を意味するようなレベル差である。
豚の分際で。いい度胸だ。
「フォームベヒーモス、フォルム精神体ザハル・ジェンノ。たまにはベヒーモスを使わないと鈍るからね」
ザハルは8割の力を解放。すさまじいメストを垂れ流し、魔物の大群を物理的に数を減らしていった。
ある一定数を減らしてからシールドを張りザハルだけの単独戦闘が始まった。
瀕死になればシールド内へ吹き飛ばし、シールド内の仲間がとどめを刺す。
レベルが2600以上になればシールド外に出て戦闘に加わる。
この戦いを繰り返すことで最初に出てきたのはロスト。次にキア・アサド・ロウガン・ケント・ベールの順番で全員が出てきた。
この時点での全員のレベル。
ロスト:レベル3100
キア:レベル3000
アサド:レベル2900
ロウガン:レベル2850
ベール:レベル2800
ケント:レベル2700
そしてザハル:レベル3500
勿論皆から予想通り嫌味を言われたが、主にロストから。というかロストだけだけどな!
でもこれでボスに挑める挑戦権はゲットできたわけだ。
「キア地形検索でボス部屋見付けてくれよ」
「承知しました」
キアの目が薄い赤に変わり探索モードに入った。
「見付けました。右の柱を曲がった突き当たりがボス部屋です」
「サンキュー。さあいこうぜ。次はロストとアサドだろ?さっさと終わらせて取り敢えず一旦戻ろうぜ」
「そうね。早く終わらせて一旦戻りましょう。長く居続けたら現実と時間の乖離が起きて面倒だからね。今なら現実世界では150日経過してるだけだから、早く戻りましょう」
────その頃3階層ボス部屋では─────
「この程度がボス?
全くもって弱いわね」
目の前には既に絶命しているオークエンペラー。レベル3300。
胴体に巨大な穴が開けられている。
「さあ、早くいらっしゃいオスクリダド。
いや、ザハル・ジェンノ」
この強キャラはいったい!?
年内はこれで最後となります。
2025年も沢山の方から読んで頂きありがとうございました。
予定では2026年1発目は1/3予定にしております。1発目からで申し訳ないですが、衝撃展開の連続になるかもしれません笑
嫌いにならないでね♡
それでは皆様良いお年をお過ごし下さい。
くれぐれも餅を喉に詰めて異世界転生しないようにお願いします。




