【73】2階層って言ったよね!?
【73】2階層って言ったよね!?
現在、俺達は目の前の立て札に目を疑っている最中である。
推奨レベル1500
「あのさぁこれエグくない?2階層だよね!?もう既にお前の言ってたタッグ制って崩壊してない?」
「ちょちょちょっと待って!一旦皆のレベルを整理しよう。
まず私はレベル2100
アサド→レベル2000
ベール→レベル1900
ザハル→レベル2600
キア→レベル1900
ロウガン→レベル1400
ケント→レベル1000」
「ふむ。ならばキアさんや、ロウガンを前線に出して鍛えてやってくれる?ケントの育成はベールに委託するよ」
「承知しました。ロウガンを鬼畜レベルで扱きますね」
「ちょ!!今でも十分鬼教官なのに!これ以上って!」
「なので鬼畜教官になりますので安心して下さい。グレードアップです」
「いいよ!そんな嬉しくもないグレードアップ!」
「はいはい……痴話喧嘩はいいから。なぁロスト、キアとロウガンを前線に置いてベールとケントを後方に控えさせて、レベル上げをしたらどうだ?お前とアサドはケントのバックアップ。俺はキアとロウガンのバックアップってのはどうよ?」
「採用!それで行こう!」
「絶対ノープランだったろお前……」
「私はいつでもノープランよ」
「自信満々に言うなよ……」
「主、前方からレベル1300。ボルグウルフ来ます!数30!」
「ロウガン、ファイトー」
「エグいてエグいて!!」
元魔王のロウガン君でも一進一退の攻防になっている。元魔王が魔物と一進一退の構図がなんかウケる。
キアから鬼畜な指示も飛び、ロウガンはてんやわんや。
しぶしぶキアが5体程片付ける。
「すまねぇ!助かったキア!」
「やむ無しです」
と言いながらも頬は赤らめている。
ちゃんと照れてんじゃねーよ!
個体数も強さもある魔物が、わんさか沸いて出て来る。地味に中々強いんだよね。
しかも俺に関しては1人で戦わされてるから息つく暇がない。
これで2階層だよ。俺はまだ少し余裕があるけど、結構皆マジモードじゃんよ。
「ザハル遊んでるんだったら、ちょっとこっち手伝って!」
ボスからの指令が入ったので救援に入るか。タバコでも吸おうかと思ったのに……全く人使いの荒い奴だ。そっと胸ポケットにしまいフルボッコしてやった。
ボコった魔物は例のごとくケントに食わせ吸収という方法でレベル上げをする。
ただここで少しケントの思惑とは異なることが起きる。どうやらレベル1000以降になるとレベル差が200以上あると、スキルまでは取得出来ないらしい。
まぁそりゃそうだよね。レベル差があり過ぎるスキルなんて、どうせ持ってても発動すら出来ないしね。メスト量の絶対値問題ってものがあるからさ。そんなうまい話はないって事さ。
さてさてワンマン退治は順調なのではないかと俺は客観的に見てるとそう思える。
かく言う俺は、助っ人も終わりリラックスタイムに突入。甘い缶コーヒー片手に至福の一服。そうそう最近周りの人間から煙り臭いと散々言われたので、電子タバコに替えました!このお陰で1日10箱吸ってしまうんですけど!こっちの方が問題だと思うんだけど!
どうやって電子タバコを手に入れたのか?って気になってる人も多く居るだろう。そんなもの俺のスキルで現代の物をチョチョイと召喚よ。
チートやん!って思うでしょ?
はい!チートです!今更何を驚いているの!?
そろそろ片付きそうだな。と思ったときに、とても嫌な鈍い音が聞こえてきた。
″ゴキッ″
振り返るとそこには身体がくの字に曲がって横たわるケントの姿があった。
ロストのアイコンタクトで直ぐに俺がケントの元に駆けつける。
腰からえび反りの形で折られているケントの身体。
意識はないがまだ微かに脈がある。
俺は直ぐにシールドを貼り、転移しマイムを連れてきた。マイムはこちらが何かを言わずにして直ぐに処置にかかってくれた。
「ザハル!病院にいる僕の家族にこの手紙を渡して子供達だけでも連れて来て!急いで!」
「分かった」
俺は即病院に転医し手紙を渡したところマイムの息子2匹と娘1匹を連れて来た。
「皆やることは分かってるね!まだ間に合う!必ず助けるよ!」
見ない間にマイムが頼もしくなっていた事に、何だか俺は少し嬉しく感じたのであった。
ケントを一撃で沈めた奴はどうやら特殊個体のようだ。
ロストまでもが苦戦している。
「サーチ……レベル2000。なるほどね、そりゃ皆がボロ雑巾のようになるわけだ」
「あんた変な解説しなくていいから、早くどうにかしなさい!」
怒られちった。
「仕方ない、あれやるか……スキル:サクション」
サクションとは簡単に言ってしまえば吸収である。何となくあの個体は使えそうだったので、俺の特殊空間へポイした。
俺はポイ捨てはしないが特殊空間へのポイは別物だ。うん。そう思いたい。
そうこう言ってる間にケントが回復。
Dr.マイムが有能すぎるぜ!
「特殊結界発動。全員中に入ってろ。
少しずつだが回復も出来る。回復したら出てレベル上げ。傷付いたら結界の中へを繰り返せ。その結界は俺のレベルを超える魔物が攻撃するか、俺が死なない限り消えない」
ボロ雑巾……基、仲間達は結界の中に落ち着いた。
「あんたはどうすんの?」
「アニマル探検隊してくるわ。じゃ!」
「もう居なくなったわ、なんでアイツは無傷なのよ……」
「ふむふむ。想像以上の魔物の個体数も多く、レベルも2000前後がボス部屋に近付くに連れて圧倒的に増えるな」
″キュイン″
「何だ?スロットみたいな音したぞ?
おっ?俺のレベルが上がった音だったのね。ん?なになに?なるほど、遂にレベル3000か。え?なに?今後は千単位のレベルアップは、あの中毒性のある音なの?」
俺はそんなことを考えつつ面白い個体は特殊空間へポイしながら結界へ戻っていった。
「おっ?皆強くなってるじゃん」
「おかげさまでね。あんた少しずつ回復するとか言ってたけど、あれ即回復じゃない!なんて代物を発動してんのよ!
あんなのあるんだったら、ケントも直ぐ回復したんじゃないの?」
「いや、あそこまでの怪我はマイムしか無理だ。俺のはあくまで体力回復と多少の傷くらいだ。マイムが居なきゃ死んでたよ。
それはそうと全員のレベルが2000ちかくなってんじゃん。ケントまで。よく頑張ったなケント」
俺がケントの頭を撫でながら褒めると、少し照れながらも嬉しそうなケントがいた。
「直ぐにでもボス部屋に行こうと思ったが、もう少しここで休みこの階層でレベルが上がりにくくなるまで全員鍛えた方がいい。この流れだったら3階層は、更にエグいのは確定してるから」
「そうね。そうしましょう」
「マイム、お土産。これ食べたらマイム達もめっちゃレベル上がるんじゃない?」
「ありがとう!うん!レベル1000くらいになれそうだよ」
「じゃあ子供達と分け合って食べてね。
キア、全員が次のステップに行けそうになったら起こしてね」
俺は異空間からソールマンの寝袋を取り出し仮眠することにした。




