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レベルが上がりにくい鬼畜な異世界へ転生してしまった俺は神スキルのお陰で快適&最強ライフを手にしました!  作者: メバル
第三章【躍動編】

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【66】キアというAI【前】

 前回も話したと通りなのだが、最近ずっとキアの様子がおかしい。

 具体的に言うと、ソワソワしてるようにも見える。

 何があったかは知らんし興味もないけど、アイツ人間としての感情を思い出してきたんじゃないだろうか?と、俺は最近よく考えるようになった。


 決まってアイツがソワソワしながら、らしくない表情で帰ってくるときはロウガンと接触しているときだ。

 しかし、アイツにとってのロウガンは完全に下に見てるときの扱いだ。


 ロウガンも逆らう牙を折られて……粉砕されている。

 そんなあいつらに何があるんだろうか。

 というより、キアはシステム。つまりはAIだ。AIが恋?なわけない。恐らくハレーションを起こしているだけだろう。


 だけど俺は兼ねてからアイツにも言ってきたんだけど、アイツもそろそろ完全独立をしても言い頃合いだと思う。


 このままシステムだけの存在で生きるより、アイツも転生者で最近に関しては生前時のような人間らしさも出て来たなら、俺はこのタイミングなんじゃねーかと思う。


 「問題は切り離し方なんだよな。ちょいとロストに相談してみるか」


 俺はロストが居る場所を広範囲探知で探し、何とか見付けることに成功した。


 「というか、コイツ何処に住んでるんだよ!こんな所に住む?」


 少し丘の高い風の気持ちいい場所ではなく、岸壁!

 風が気持ちいいのではなく、突風で鬼寒く他の生物すらも寄り付かない。

 そこにロストは凍えながら立っていた。


 「バカかお前は!」


 俺の声にビックリするロスト。


 「ビックリするじゃないのよ!クシュン!どうしたの?クシュン!」


 「どうしたの?じゃねーわ!クソ馬鹿たれが!鼻水ダラダラ流しながらどんなアホなところに住んでんだよ!」


 「違うわよ!これは別荘みたいな物よ!」


 「いらんわ!こんな罰ゲーム別荘!ドMか!お前は!いつもの家に連れて行け!」


 「分かったわよ。忙しないわね」


 何が忙しないだ。こんな所に居たら気が触れるわ!

 改めての再確認が出来た。コイツは圧巻のバカであるということを。

 というか、オスクリダドの初期メンバーが全員無計画のバカ集団ということも、最近よく分かってきた。数千年も無計画に動ける心理とそれを何も疑問に思わない、仲間もレベチだわ……


 「で、話って何なの?」


 「この前アサドが人格の切り離しをやってたじゃん?あれってどんな相手でも可能なの?」


 「あーあれね。うん、可能だよ。あの子にまた何かあったの?」


 「今回はケントじゃねぇんだ」


 「え?誰?あまり知らない人に、あの能力は見せたくないんだけど」


 「大丈夫だ。お前もよーく知る奴だ」


 「誰よ」


 「キアだ」


 「キア!?嫌、だってあの子は……」


 「そう。俺の脳と繋がっているAI。いわば俺の体の一部とも言える」


 「そんなことしたらアンタの体がどうなるか分からないわよ!」


 「分かってる。だけどな、俺はどうしてもアイツを独立型として生きさせてあげたいんだ。アイツもなんてことはなく、ただ1人の女の子なんだよ。これからはアイツのアイツだけの人生を歩んで欲しいんだ」


 「そう……色々考え覚悟を決めた上での話って事ね」


 「そうじゃないと、お前にこんな話はしてないよ」


 「確かにね。アンタはそういう人だね。

 しかしAIにねぇ……」


 「AIって言っても、アイツは元人間だぞ?

 同じ転生者にも関わらず肉体を持てなかった。可哀想過ぎるだろ。そんなアイツが肉体を持てるようになって、今では人間だったときの感情を思い出しつつあるんだ。

 タイミング的には今しかないと思ってる」


 「そうだね。そう考えると可哀想よね。

 分かったわ。アサドに連絡してアンタの家に向かうわ」


 「すまねぇ」


 「何言ってんのよ。仲間の為に動くのは普通のことじゃない。それとあの子は最近どうなの?」


 「順調といえばいいのかな。一応更生プログラムはこなしてる。

 俺の身内でもあるし、たまには見に行ってるよ。アイツなりに必死に藻掻いて頑張ってると思うぞ」


 「そう。よかった。あの子はこれからオスクリダドの凄く重要なピースになると思うわ。順調に成長して欲しいわね」


 「そう願ってる」


 「じぁあザハル、明日にでも向かうから待っててね」


 「よろしく頼む」


 俺はロストとの会談を終え帰路に着いた。

 帰宅するとキアが若干微笑んでいるように見えた。

 あんな姿を見せることがなかった完全無欠の冷酷冷静女子が、微笑んでいる。

 ある意味寒気を覚えたが、恐らくやはりそう言うことなんだと思う。


 「ただいま、キア」


 「主、何処に行ってたのですか?」


 おかしい……コイツなぜ俺の行動を知らない?オフってた?

 前例はある。

 俺とレーニアが一緒に過ごす時間の時は、常にオフってくれていたらしい。

 しかし今回は違う。俺が居なくなったのに探索もしてない。


 「お前は知ってると思ってたんだが、知らないなら知らないで構わんよ。それより、何かいいことあったのか?顔が微笑んでるぞ」


 するとキアは珍しく困りげな表情を見せる。


 「はぁ……主。私はやはり何かしらバグが起きているようです」


 「バグ?どんな?」


 「はい。なぜが最近ロウガンと話していると楽しくなったり、何だかホッコリする瞬間が多くあるのです」


 「へぇー」


 「このような感情を持ち合わせて私は産まれてきてないので、明らかなバグだと思います」


 「そうなんだ」


 「修正しようとして何度も演算領域を広げ修正しても、また繰り返す……主、私はもうシステムとしては使い物にならないかも知れません。主のお力になれなくなるかもしれません」


 「いやそれさぁ、単純に恋じゃね?」


 「恋!?あり得ません。そのような感情は……!」


 「だから、変わってきてるんだよお前は。

 どんどんどんどんいい方向にね。

 良かったじゃねーか」


 「しかしシステムとしては」


 「あんまりシステムとかAIって気にしなくていいんじゃねーか?お前はお前。お前らしく生きればいいんだよ。誰になんと言われようと、お前はキア。

 何者であろうと、この事実は変わらないんだから。

 明日、ロストが来るから、またその時にでもゆっくり話そ」


 「は、はい……」


 キアはショックを受けているように思える。しかしながらこれはネガティブな事ではない。キアにとっては大きな一歩になる。


 俺にとってキアは特別だ。だって体の一部であり、幼少期から支え続けてもらった乳母のような存在だ。

 俺はこの日、キアという女性が幸せになるために、全力で力を使うことを心に誓ったのであった。


次回!遂にザハルと切り離しに掛かります!

どんなキアさんが誕生するのか、お楽しみに!

コメントは凄く励みになりますので、叱咤激励で大丈夫です!

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p>無価値と言われた人間が異世界では絶対必須でした
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