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レベルが上がりにくい鬼畜な異世界へ転生してしまった俺は神スキルのお陰で快適&最強ライフを手にしました!  作者: メバル
第三章【躍動編】

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【65】闇属性【後】

 いつものようにただただダルそうな姿でザハルはシガレット家に到着。


「人間達と関係を持つつもりはもう無いって決めてたのに、余裕でフル関わりなのってどういうことよ……」


 ブツブツと愚痴るザハル。

 しかしながら今回は有耶無耶うやむやにする訳にもいかず、エコーの答えを聞く必要があった。

 シガレット家の門兵もんぺいへザハルが来たことを伝えるように命じる。


 直ぐに通されたザハルはそんなに久し振りではない再会をエコーと果たす。


「兄上いつも以上に面倒くさそうな顔をされてどうされたのですか?」


「いやーすまん。とてつもなく言いにくい話なんだがな、ケントの奇行というか悪事が全て露呈した。

 内容としてはだな、お前やナスビには非常に胸くそ悪い話になるんだ」


「お待ちください。妻に関わりがあることならば、妻も同席させて下さい」


 そう言ってエコーは妻のビッチ、ではなくプラムを同席させた。


「お久しぶりです。ザハル様」


「うん。お前も変わらんな。んでよ本題に入るが、ケントの能力の根源は生まれつき特異体質だった。っていう所から始まるんだが、そのスキル名が魔物暴食《魔物イーター》ってスキルなんだ」


「魔物イーター!なんて恐ろしい……しかし色々と合点がいきました。以前プラムの抜け殻が紛失した事があったんです。結局見付からず状況は謎のまま沈静化したんですが……兄上、まさかアイツが?」


 冷静ではあるものの、確実にエコーは怒りに満ちていた。それは同じくしてプラムにも起きていた。


「ああ。その通りだ。アイツがプラムの能力を吸収したいが為に禁忌を犯した。

 身内食いをしたのだ」


 その瞬間シガレット家には狂気にも満ちた戦慄が走る。一族の者が怒り騒ぎ立てている。

 だがそこは流石のエコー。長年ジェンノ王国で軍師をしていた男。当然に大きすぎる怒りがあるものの、冷静に会話を続けようとした。


「黙れ……兄上が話しておられる。騒ぐなら場を離れろ。兄上続けて下さい」


「ここで今、2つの議案が出ている。

 俺・キア・ロウガンは処刑派。しかし俺達のリーダーロストは生かして仲間に引き込む派。今ケントにとっても俺達にとっても、勿論最大の被害者であるお前達にとっても大きな道の分かれ目になってる。

 アイツの奇行がこんな禁忌じゃなければ、どんな結果になっても結末だけを伝えに来たが、流石にこの内容でお前達を無視する訳にはいかんと思ってな。

 どうする?着いて来るか?」


「勿論です。プラムも一緒に連れて行って下さい」


「分かった。着いて来い」


「ラーク、今は何も事を荒立てず私が戻るまで皆を頼む。当主として最善の行動は何か。分かっているな?」


「はい父上。お帰りをお待ちしております」


「兄上お願いします」


「分かった。プラム、場所はダンジョン20階層になる。人間のエコーには危険すぎる場所だ。頼んだぞ」


「勿論でございます」


 ザハルは転送陣を開き、エコーとプラムを一緒にダンジョン20階層へ連れて行った。


 ダンジョン20階層に着いた途端、エコーはこの階層のメストに潰されそうになったがプラムによりバリアのようなものを施され難を逃れた。


「だから言ったろうが!頼んだぞって!

 対策しとけよ!クソビッチが!」


「申し訳ありません!」


「よい。ありがとうプラム。助かったよ」


「はい。旦那様」


「けっ!ラブラブかよ!クソが」


「すみません兄上。ラブラブなんです」


「っせーわ!それより、アレだ」


 プラムが目を向けて一瞬言葉を失う。


「アレはなんですか?ケント?なんという禍々しい」


「色んな者をつまみ食いした結果だろうよ。自業自得だ。あんなの放って置いても魔物落ちしかしないし、最早助ける義理もないと思うんだがな」


 時を同じくしてロストもアサドを連れて戻ってきた。

 プラムとエコーはロストの姿に恐れをなしていたが、俺もオスクリダドの一員だと言うことを思い出してくれて、少しは緊張がほぐれたようだ。


「エコー、先にお前たちシガレット家の見解を示せ。牛の答えを気にする必要はない。回答次第では俺が牛をぶっ飛ばす」


「兄上、ありがとうございます。しかしお仲間は大切にしてあげて下さい」


 エコーはケントの側まで歩いて行くと、寂しそうではありながらも圧倒的に軽蔑した目で答えを出した。


「ケント……失望した。まさか私の妻の抜け殻にまで手を出していたとはな。それでいて何もなかったように接することが出来てたことが、お前に対しての異常さを理解した。

 そうは言っても孫のお前に死ねとは言えん。ゆえに俺はお前を追放する。

 今後二度とシガレット家の名を語る事も許さん!

 さらばだ、ケント」


 振り返ったエコーの目には光る物が見えた。


 おもむろにロストが話し出す。


「殺さないと判断したこと!大義である!

 感謝するぞ!エコー・シガレット」


「何で武士もののふ口調になってんのあいつ。クソキモ」


「主、今それ言っちゃダメなやつですよ」


「そうだぞ。乙女が赤面するぞ」


「言っとくがお前たち、全部聞こえてるからな」


 と、言っているロストの耳は真っ赤だった。その姿に笑いを堪えるのに必死だったことを鮮明に覚えている。


「じゃあエコーとして殺さないという選択でいいんだな?」


「……はい。これは私のと言うよりプラムの意向です。プラム、説明してあげて」


「はい。私は主様より行く行くはシガレット家の守護獣になるよう申し付けられました。確かにこの子が犯した罪は重罪で禁忌に値しますが、私達が殺してしまう決断をすると、今後の私は一生涯後悔をしながら生きていくことになると思いました。

 なので、許すことはありませんが、殺さないという選択を致しました」


「分かった。当事者のお前達が決めたならそれでいい。ロスト後は好きにしろ」


「よかった。またアンタと戦わないといけないかと思ったじゃない」


「アホか。そんなことここでしてしまったらエコー達が死んでしまうだろうが」


「じゃあアサド、よろしくね」


「うん」


 ライオンの姿をしたアサド。体型は通常の雄ライオンより2倍近く大きい。

 アサドはケントの周りをグルグルと周り突然立ち止まった。

 アサドの目が青く光るとケントの体から、何とも禍々しい球状の物体が浮かび上がって地面に転がった。


 周りで見ている者はこの玉は危険だと判断し、自衛の体勢を整えたり周りの守護に専念しだした、その時──────


 ″パクり″


「え?」


「は!?」


 皆の疑念と驚きを余所にアサドは目の前にある禍々しい玉を完食した。


「んまい!」


「いやいやいや、アサド!ぺっ!しなさい!」


「ん?何で?美味しいお肉だったぞ」


「いや!違うから!」


「A5ランクのお肉に近い味だった」


「んな訳あるか!」


 連れて来たロストもビックリしていて、どうやらここに居る全員がアサドの能力を初めて見たようだ。


「俺の能力はね、切り離した異物を暴発させずお肉として変換し、俺が食べることで浄化するってスキルなんだよ」


「先に言えや!肝冷やしたわ!バカライオン!」


「だって別に聞かれなかったし」


「ま、まぁ……で、今どういう状況になってんだ?」


「うん。見た所、性根の腐った部分と邪悪な部分はなくなってるね。でも罪が消えるわけではないから、今後はコイツ次第でいいんじゃない?

 じゃあ俺は腹も満たされたし帰って寝るよ」


 といってヒーローなのかよく分からないライオン君は帰っていった。


 全員がキョトンとしてしまっていたが、ザハルがここで動く。


「ケント、物理的にはお前の悪いところは消え失せたが、お前がやった罪は消えない。お前も成人した大人だ。シガレット家を追放されたお前は、もう後ろ盾も何もない。簡単に言うと今のお前は1人だ。ここから信頼回復をすることは容易じゃないが、最低限生かされたこと位には感謝して今後どう生きるか自分で判断しろ。

 勿論俺達もお前が更生するまでは一切手を貸さない」


 そこに師であり兄貴分のロウガンも話しかけた。


「お前は孤独になったと言うことを胸に刻め。誰も助けない。家からも追放。今までの能力も使えない。色々試行錯誤して人生最大の困難を乗り切って見せろ」


 ロウガンが振り返るとザハルが19階層と20階層に封印をしていた。


「お前はこの2つの階層から出られないようにした。食料もダンジョンなら豊富だし自力で生きろ」


 それを聞いたケントは心身に強烈なストレスを感じてか、白目をむき突然ゲロを吐き倒れた。

 心音があることは確認できてたので、全員がケントだけを残し地上へ戻った。


「兄上、お手間を取らせました」


「別に。寧ろ被害者はお前らじゃん」


「これからどうなりますかね」


「知らね。変わらなきゃ3度目はないってだけさ」


「そうですね」


「プラム、一旦アレは忘れて今居るシガレット家だけを大切にしてくれ」


「はい」


「じゃあ送るわ。キア、ロウガンと諸々任せていいか」


「問題ありません」


「じゃ、よろ」


「ちょっ待て!それって結局俺が……!」


「ちっ───黙って行きますよ」


「はい」


 ザハルは最早主従関係に近い2人を見送りシガレット家に到着。


「なぁエコー。アイツが何十年何百年先になるか分かんねーが、もし更生できたらよ。そんときは先祖の墓参りを許す権利くらい与えてはどうだ?」


「ええ、判断はプラムに任せようと思います」


「じゃープラム。時が来たら伝えに来るよ」


「はい。どうかあの子をよろしくお願いします」


「ははっ。どうかな。アイツ次第だ。じゃー元気でな」


「主様もお元気で」


「兄上!私が死ぬ前は連絡させますので」


「縁起でもないこと言うんじゃねー!」


 そう言ってザハルは戻っていった。

 戻る途中こう考えていた。

 確かにエコーの言うとおり兄弟も息子も孫も、皆俺より早く死んじまうんだよな。


 仕方がないこと。頭では分かっている。

 頭では分かっていても、追いつかない物もある。ザハルは頭をクシャクシャとしながらベッドに横になった。


「命かぁ……それで言うならキアとか最近殆ど人間みたいになってるよな。ずっと言ってるけど、あいつマジで独立すればいいのに───」


「聞こえてますよ主」


「うぅわーーー!!!」


「いい反応ですね」


「だからその登場の仕方やめろや!何の用だよ!」


「主はなぜ私が独立した方がいいと思うので?」


「別に、お前はお前でお前の人生を歩めばいいじゃんって思うだけよ。独立したところで仲間であり友であり家族であることは変わらないからよ。ただそんだけ」


「主にとってシステムキアより独立キアがいいと?」


「じゃなくて、独立行動してるときのお前って、何か楽しそうだからさ」


「そういった感情は持ち合わせていません」


「だったら別に好きにすればいいんじゃねーの」


「ロウガンと何かあったのか?」


「特に」


「引くくらい口数少ないな。何かあったな?」


「何もございませんよ。主、少し確かめたいことが出来ましたので、もう一度任務に戻ります」


「はいよ。ふふ。人間っぽくなって来てんじゃんアイツ───」



 結果としてケントはシガレット家追放及び孤独との戦いで俺達の言う更生施設に入れた。たまに監視でロウガンが見に来る程度。次やらかしたら即死刑。

 この方向性でロストともシガレットとも話がついた。

 何とか更生してくれればいいなと思ってるが、ぶっちゃけ俺はどっちでもいい。


 それよりもキアが面白いことになりそうじゃない?まじでウケるわ!


次回から遂にキアさんの分岐点!

イメージ画像も作ってみました(*⌒▽⌒*)

良かったら是非コメントお願いします!

テンション爆上がりで励みになります!!

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p>無価値と言われた人間が異世界では絶対必須でした
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