【47】超越者
80階層ボス部屋。
俺はロストとキアの3人で話を始めた。
至って真面目な話である。
「実際の所、聞きたいのは3点だ。
1.オスクリダドとは何をしているのか。
2.魔王も勇者も殺せない超越者に何の意味があるのか。
3.この世界は結局何を求めてるのか。
ぶっちゃけこの3つ以外どうでもいい。
お前が知ってる限りのことを教えてくれ」
「うーん……お前が知りたいことのうち正確に答えられる事は2つしかないわね。
1.オスクリダドとは何をしているのか?
そうだね、まずオスクリダドが何かって話なんだけど、人は我々のことを闇の住人とも言うけど、人ってさ分からないことは闇とか、フワッとしたもので片付けようとするじゃない?
でも実際の所は簡単な話で片付けると人の領域を外れた力を持つ者の集まりをオスクリダドって呼称してるだけなんだよね。
何をしているかって話になると、ぶっちゃけまだ何もしてないってのが本音」
「は?俺はお前たちに目を付けられた国は滅びると聞いてるぞ、
何もしてない訳無いだろ」
「あーそれね。変な実験や異世界から転生者や転移者を積極的に呼び出そうとする国を滅ぼしてるだけで、特に大きな活動はないよ」
「オスクリダドは何人いるんだよ」
「私のほかに2人居るよ。
あんたとそこのキアを居れると5人で完成なんだけどねー」
「勝手に入れるな。
というか、やっぱりキアも超越者って言われる存在だったのね……」
「黙ってて申し訳ありません」
「こんなの超越者以外何者でもないじゃない。
人の脳内に存在し脳内からも出れて自立出来てるとか、1番異常よ」
「確かに……」
「2.超越者とは何かって話だけどね、さっきも話した簡単に言うと、魔物の力を取り入れて人の領域を超えれる者のことよ。
普通に考えて無理な話じゃない?
この世界はレベルが非常に上がりにくいってのは知ってるよね?」
「ああ」
「でもそれはね、人間に限ってのことなんだよ」
「それは俺も薄々感じてた。
この世界は人間に厳しすぎる。寧ろ魔物の為に存在する世界に人間が迷い込んだような、歪な世界だと思ってた」
「そう!その通りなんだよ。元々この世界に人間は居なかった。ってのが私たちの仮説なんだよ」
「なるほど……で、あれば3番目の話は何となく見えてくる」
「ん?どゆこと?」
「恐らく初めてこちらの世界に来た人間が勇者で、その瞬間から勇者と魔王の戦いが始まった。と、仮定しよう。
そもそも人間はこの世界に存在しなかったから、転生や転移者で人口を増やしていったが、全員が適応できる環境ではなかった。
だがそんな中でも人間は着実に人口を増えていき人としてのヒーローである勇者を、神格化していったということか……」
「なるほど、それなら今の世界の形に説明がつくわね」
「勇者と魔王が支配する世界って言ってるが、ん?これって逆に勇者も魔王も存在しなくなったらどうなるの?」
「そう!それなのよ。その時に世界は崩壊すると文献には書いてあるのよ。
でも何か変じゃない?」
「崩壊……崩壊……でもさ、こんな歪な世界って存在する意味ってあるわけ?
崩壊するなら、それこそ超越者が必要なタイミングになるんじゃねーの?
その為の、あり得ない力じゃねーのかな?」
「た、確かに……でもさぁ具体的に何をどうすべきなのかは、未だになーんにも分かってないんだよね」
「それはこれからの課題だな。
お前以外の仲間ってレベルどのくらいよ」
「そうだね、名前はまだ伏せておくけど教えとくよ。
1人目は私で形態バッファローレベル2000。
2人目は形態ライオンでレベル1900。
3人目は形態クマでレベル1800。
もしあんたたちが入ったら……って、あんた基本的な形態ってなんなの?」
「水龍でいいよ」
「じゃー……
4人目はザハルで基本形態水龍でレベル2200
5人目はキアで基本形態は脳内システムでレベル1200。
今私たちが確認している1000越えの超越者5人以外に居ないわ」
「何か分かったようでよく分からんな」
「ごめんね。ただこのステータスって自分たちで言うのもなんだけど、異常じゃない?
絶対に意味があると思うんだよね」
「まぁあるだろうな。
寿命も異常に長いし、というか殆ど寿命制限が無いに等しいレベルだしな」
「本題に戻すけどさ、あんた達オスクリダドに入ってよ」
「いきなりだな……1つ聞きたい。
今オスクリダドに入ったら俺と家族の縁はどうなる?」
「1つの勢力に肩入れする訳にはいかないから、別れを意味することになるかな」
「なら断る」
「結局は縁を切らなきゃいけないのよ」
「だが今じゃない。そうだな、正確な数字を言うと、後68年待ってろ」
「長すぎよ」
「じゃー最低息子が王になる迄はそばで見守らせてくれ。
断ると言うなら、俺はオスクリダドの敵となる」
「主、私も忘れないでくださいね」
「すまん。ってことで俺とキアは敵になるけど」
ロストはあきれた表情で両手を挙げた。
「分かったわ。あんた達が敵に回ったら私達では勝てないから、好きにすればいいわ」
「すまんな。ほんとはさ、家庭なんて持つつもりは無かったんだけどな、持ってしまった以上は子供たちが、立派な大人になる迄しっかりと親の義務を果たさないといけないじゃない?
その為の猶予期間だと思ってくれ。
もっと言うなら全てが終わったら俺は本来、のんびり暮らしていきたかったんだが、どんどん俺の理想から遠ざかっていく気がしてるよ」
「超越者としての責務が終わってからスローライフをすればいいじゃない」
「いや、多分俺はそういうものとは無縁である星のもとに生まれたのかもしれなぁ……
1つだけ言っておくけど、俺は最後までスローライフを目指してるからオスクリダドとして活動を開始してもスローライフを目指すからな」
「いいわよ。私たちはプライベートには干渉しないわ。
今いるメンバーも普段何してるか全然知らないし」
「意外と適当だな」
「私たちは、仕事の時だけ集まるって感じで普段はフリーダムよ」
「日雇いのバイトかよ」
「今はね。活動するにも支柱に対しての人が足りないし」
「支柱?」
「あー言ってなかったわね。一番重要なこと。
この世界には何か知らないけど各地域にバカでかい黒い柱で通称闇の柱が3本とバカでかい黄金に輝く通称光の柱が3本あるんだよね。
そんで、その柱は超越者じゃないと見えないらしくて私とクマが闇の柱に適合して、ライオンは光の柱に適合するんだけどさ、後3ピースが足りないのよ。
間違いなくあんたたちは確定だと思うんだけどね」
「ちょっと待て。何れにしても、もう1人居るって事じゃないか」
「ええ、でもまだ見つかってないわ」
「だったらソイツを見つけない事には何も始まんないな。俺も探してはみるが、それって確実に転生か転移者であることは間違いないのか?
魔物って説はないのか?」
「ないわ」
「なぜ言い切れる?」
「簡単に言っちゃうとね、ヒューマン属はどんなに足掻いてもレベル20になれればいい方なのね。
それに対して魔物もまたレベル900以上にはなれないの。
これは私たちが何百年と調べて確定している事実よ。
これを超えるものは転生か転移をした者で、尚且つ超越者としての資質がないと1000は超えれないわ。
これがこの世界の絶対の真理よ」
「なるほどな。なんか色々点と点が繋がった気がする。
分かった。取り敢えずさっきも言ったように時間をくれ。
全てが終わったらオスクリダドの一員として活動する」
「ほんと!?助かるわ!
今度皆を紹介するわね!」
「ああ。じゃー俺たちは帰るわ。
色々教えてくれてありがとな」
「じゃーまた会いましょう」
「そうだな」
俺はそう言い残し、ダンジョンを後にした。
何かすんごい大事になってきたな……めんどくせって全力で思ってしまったのであった。
最近は書くペースが上がってきた自分を褒めたい!
だって誰も褒めてくれないから!!
次回から少しザハル中心の物語なるかもでーす。




