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第七十二話 転機

書類を進めつつ、気分転換がてらに、生徒会の資料をまとめていた。

現在の時刻は深夜2時を過ぎた頃で、最近の俺では、少し眠たくなり始める時間帯だった。

肝心のエナドリも、最近は飲む気にはなれないので、自動的に禁止していることになっている。


椅子に座りながら、大きく身体を伸ばし、切り替える。

書類の量は尋常じゃない量で、いつもなら、多いと思ってしまう生徒会の資料でさえ、比にならない量の資料だった。


最近、隣の部屋からの配信をする声を聞くことがなくなり、心配で公式Tmitterを見てみると、活動休止中になっていた。

ネットでは、かなり大問題となっていたそうだが、本人には基本的な要素に変わりがない故、俺自身も何も気が付かなかった。


変わってないが故に、驚く点も多かったのだが。


「まだ起きてたの?」


「ちょっと資料が」


「あぁ」


すっかり元気をなくした、木葉がリビングの椅子に座っていた。

黒い前髪を、ヘアバンドで止めていた。


「木葉も根詰め過ぎたらダメだぞ」


「今の兄さんには言われたくない」


「まぁ、、、言いたいことはわかる」


俺はホットコーヒーを飲み、木葉は目の前で本日2本目のエナドリを飲み干した。


ーーーこんなこと言って、本当は疲れているだろうな、、、。


目の下のクマも誤魔化し、生徒会長として、一人の女の子として、、、。

必死に毎日を生きている。

今も、目の前には画面を開きっぱなしにしているノートパソコンがあり、画面にはPDFファイルが開かれている。


ーーー俺も頑張らないとな。


そう思うほどに、自分を気づつけていることぐらい、今までの経験で何度もわかっていること。

しかし、それでもこうして近くで頑張っている人を見ると、自分も頑張らないといけないという、気持ちが湧いてくる。


「まぁ、、、頑張ってよね、、、」


「あぁ、言わなくても頑張るよ」


木葉は、そう言って微笑むと、パソコンに目を向けた。


ーーー本当、可愛い妹だよ。


「頑張れよ」


俺の小さく呟いたその言葉は、満天の夜空に、消えてなくなった。




★☆★☆★☆★




昔から、性格が悪い、口が悪いと言われ続けた木葉。

本当の自分を隠すために、言いたくもない暴言を吐いていた。

実際、自身はそれ以外の方法を上手くすることができない。


自分の気持ちを隠そうとすると「大丈夫だよ、本当のこと言って」と言われてしまい、誰かに気を使わせてしまう。

そんな一言に、いつも木葉は傷つけられた。


そうして、いつしか「自分の存在は、他人にとっては邪魔なんだ」と思うようになった。


死にたい。


死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい


いつしか、呪いのようにそう思うようにった。


誰も助けてくれない、一人で抱え込み、またそれに押しつぶされようになる。


まるで、底なし沼にでも、はまってしまったかのように、自分の考え、行動が、沼の奥深くまで沈んでいく。

気づけば、身動きが取れない状況に。





そんな時、一つの出来事が起こった。





櫻井(さくらい) 照人(てると)】。

木葉の通っている塾の教師だ。

その人と出会ってから、木葉の人生は一転した。


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