第七十話 これは、業界に激震が走るぞ、、、!
「とんでもない作品を作ったね!」
「と、言いますと?」
「ラブコメ味を感じる、忠実なボケとツッコミ、そして、感動シーンにはキャラクターの心情を捉え、その場面にあった完璧なワードセレクト、、、」
「あ、ありがとうございます」
「君、僕のゴーストライターにならないか、、、?」
「やりませんよ!俺、配信ありますし!」
「君のような逸材がこの業界に来てくれないことが悲しく思うよ、、、」
「そんなにですか、、、!」
「あぁ、、、もちろん、、、」
出版社の会議室で、天才作家である成次と軽い会話をしていた。
出版社は大手の【スターライズノベル】様に決定し、俺の為にプロの編集者までつけてもらえることになった。
成次のオーバーリアクションに、ただただ俺は苦笑い。
正直、この状況からどう抜け出すかを考えていた。
机の上には缶コーヒーが置かれており、これは成次の奢り。
このコーヒーのせいで、この状況から抜け出せない。
俺の作品への評価と訂正を丁寧に指摘してくれる、いい人なのだが、、、。
やはり、声が大きいせいか、俺とは絶対に合わないタイプだ。
俺のHPは約80%ほど、削られている。
「俺、ちょっとお手洗いに、、、」
「私もついて行くよ」
「え?」
「ん?どうかしたか?」
平然のように、こっちに顔を向ける成次に、俺も驚きを隠せない。
ーーー逃げ場ないじゃん、、、!
どこかで聞いたことがある、なぜか歴史に名を残す人は変人が多いと。
典型的なパターンだ!
「やっぱり、行くの辞めます」
「じゃあ、私もやめよう」
なんなの、この人〜!!!
一人、頭を抱える俺であった。
★☆★☆★☆★☆★
出版社では【発売日】【PV】などの重要事項を話し合う。
発売日は約10ヶ月後になるそう、そして、宣伝用のPVは2ヶ月後にスターライズノベル公式のSNSから投稿されるらしい。
声優や表紙や挿絵のことなど、重要なことは全て。
「編集もよろしくね」
「もちろんです」
俺の編集についてくれたのは【片瀬 奈春】さん。
有名なラノベの編集を何冊もこなしてきているそうで、あまりの仕事っぷりに担当編集者としてつけるのは難しいほど。
今回に限り、他の編集の仕事が少なかったため、俺の担当になることになった。
軽く会釈をし、その後は後日会うことになった。
PVは俺の確認の上で投稿するそう。
「よし、頑張るぞ」
俺ももう一踏ん張りしなければならない。
【評価ポイント】【ブックマーク】よろしくお願いします!
感想なども書いていただけると嬉しいです!