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第六十九話 完璧で究極の作家

小説との、向き合い方を変える休暇でした。

ご迷惑おかけして、申し訳ありませんでした。

結局、新しく新作を描き始めることになった俺は、締め切り1週間の間、指を一才止めずに描き続けた。

勝に相談をし、生徒会の仕事を他の役員に任せることになった。

もちろん、勝にもやってもらう。


そして、自分の思う、最高の恋愛小説を書き上げた。

キャラクターの心情を細かく表現し、感動のシーンを細かく書き上げた。

12万文字に、出会いから、告白までを書き、小説の中では1年が経過している。


かなり、展開の早い作品となっているが、個人的にはいい作品だと思っている。

何度も何度も修正をし、自分ならどうするかなどまでしっかりと、考え抜いた。


プロの作家に見せても、恥ずかしくない作品を書いたつもりではあった。

この作品に、作者なりの愛を込め、他の作家への敬意を払って書かせていただいたものでもある。


深夜1時、部屋の中で、完成を静かに祝った。

ただ一人で、部屋の中で、新作のエナドリを片手に、こっそりと。


家族にも作風などは説明してはいけない決まりとなっている。

編集者さんのGOサインが出たと同時に、親にも言うことになっている。


「やっと、、、終わった、、、」


ゲーミングチェアを、限界まで倒し、仮眠を取ろうとする。

エナドリを飲んでいても、快眠できるほど、体が疲れていた。

暖かい沼に体が沈み込んでいくかのように、俺は眠につく。


ーーーお疲れ様、俺。


冷房の音が、静かに部屋になり続けた。



★☆★☆★☆★




何かを努力し、成し遂げた者は、狂おしいほど美しい。

汗や、目の下のクマ、それに体調不良さえ、美しく見えてしまう。

俺はそう思って生きてきた。


だから、自分が努力もせず、つけている、目の下のクマが恥ずかしくて仕方がなかった。

元々、寝不足になると、絶対につくクマは俺の皮膚が薄いせいでもあり、夜の12時を過ぎに寝ると、必ずと言っていいほどの確率でつく。


「君が新人作家の子かい?」


「あ、はい、、、」


「君の作品、よばらしかったよ!エナドリ1000本に相当する輝きだ!」


何、その例え方。

というか、この人、俺と全く合わないタイプなんですけど。


輝く金髪をかき上げ、そう叫ぶ彼の名は【斎藤(さいとう) 成次(せいじ)】。

【とある日の、太陽】と言う作品で、デビューを果たし、その後も社会現象を巻き起こすほどのs作品を多数出している、言わば、大物作家という人。


ネットには顔も出していなければ、声も出していない。


作者紹介では【真面目】という印象を与えるかのような文章。

嘘だろ、、、?


これには俺も絶句。


俺の隣にいるマネージャーさんは、遠い目をしている。


ーーーですよね〜。


心の中で、しれっと共感する。


「君、作品に対する愛はあるかい?」


「は、はい」


「ふんッ、それなら良いのだが」


とんでもない人と出会ってしまった気がした。

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