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第六十七話 作家になったけど、配信と両立させるの不可能じゃない?

「作家、、、激務だって聞くけど大丈夫?」


「まぁ、なんとかしてみせるよ」


いつも通り、深夜のリビングで二人っきりになる、俺と美鶴。

二人ともエナドリを食卓に置いて、平然と話しをする。

我ながら、感覚が麻痺ってきたなと感じていた。


作家になることを美鶴に話すと、深刻そうな顔をした。


激務だって言うことぐらいは、俺でも知っている。

作家さんがどれだけ苦労して、有名になっているのかも、十分にわかっている。


だからこそ、俺には作品が描けない。

思った通りに書けないのは、もちろんだが、もしも俺の作品が世に出た時。


ーーー絶対にファンは購入する。


つまり、作家として、なんの苦労もせずに売れるのは、申し訳ないのだ。

仕事の関係上、これから作家さんと会う機会も増えるだろう。

その時に、顔向け出来なくなってしまうのが、どうしようもないほど苦痛になると思う。


「作家になった時、和也くんはどうするの?次作も書くの?」


「まぁ、場合によっては」


「ん、、、」


言葉に詰まりを見せる。

俺がこれから、どれだけ体調に変化が起きようが、それは覚悟の上なので、耐えれる気はするが、それによっての『配信の延期』などの周りに迷惑をかけてしまうようなことは絶対に避けなければならない。


信頼が薄れてしまう原因にもなりかねない。


「で、明後日のコラボ配信」


「あ、そっか」


「忘れてたの!?」


「いやぁ、、、覚えてたよ、、、?」


「絶対に嘘」


鬼の形相でこちらを睨む美鶴。

ここは諦めて、渾身の日本文化、DOGEZAをする。

最大限の誠意を払ったDOGEZAはどうやら、美鶴の心に響いた。


「そ、そこまでしなくていいだよ、、、?」


「すいませんでした!」


「なんか、罪悪感あるからやめて!」


そんな、高校生二人が、深夜テンションで話している最中であった。



★☆★☆★☆★



小説を書き始めて、早1週間が過ぎた頃。

文字数で換算すると約3万文字を突破した。

完全なる、恋愛系の小説となってしまったが、自分の好きな系統の小説を書いていると、ストーリーが上手く進みやすい。


というか、書いてて楽しくなってきた。


3日前から、書くことに苦痛を感じなくなっていた。


ーーー自分の世界だ。


そう思って、世界にのめり込むと、これは面白い。

世界の創造者となって、とんでも展開をかけるのが、楽しくて仕方がなかった。


キーボードの入力速度がどんどん上がっている実感がある。

湧いてくるアイデアに指が止まらなくなる。


1分でも時間があれば、その世界にのめり込みたい。

そんな気持ちが次第に強くなり、作家としての、作品への品質などを気にするようになってきた。


もう、三大欲さえ忘れてしまうほど。


「息詰まってない?大丈夫?」


「まぁ、大丈夫かな」


とある日、美鶴はそう話しかけてきた。

俺は、外をぼーっと見つめて、休憩をしていた。

基本的には自室で書いているのだが、息抜きに、深夜の誰もいない部屋で書いたりしている。


どうしても、アイデアが浮かばなかったりなどもあるが、その時はこうやってぼーっとすることが多い。

今は、単純に指が疲れたのを癒しているだけだ。


「でも、勉強と仕事を両立させるのは難しいな、、、」


小説、勉強、配信。

この、一つだけでも大変なものを、全て1日でこなしている。

テストの点数は絶対に落とせないし、小説だって、書かなければならない。

そして、配信もこれからは8月に入ったら、イベントなどで色々な配信に出演しなければならない。


昔、配信していた頃と、配信スタイルなどを変えたことから、自分的にはやりやすくなったが、各方面からの批判をくらうことが多くなった。


そんな、苦難を乗り越え、現在に至る。


正直、辛いと思ったこともあるが、根性でなんとかした。

それ以外に、考える暇はなかったから。


そして、俺は再びキーボードに手を添えた。


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