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第六十一話 大好き

人生で成功したことなんて、ほとんどない。

全て、諦めていた人生だった。

父親が目の前で死んだ時も、俺は何も動けなかった。


ただ、泣いて終わっただけだった。

人生に深く刻まれている、失敗経験のトラウマが足枷となって、何かにチャレンジすることを諦めていた。


ーーーどうせ、だめだろう。


いつの日か、それが口癖になっていた。


部屋に引きこもり、大したこともせず、一日を過ごす。

配信をやってみたが、休止という、逃げを使った、自分の怠惰。


自分が始めたことを、最後まで、誰かから任されたことを最後まで。なんていう気持ちは、どこかに捨ててきた。

というか、勝手に振り払われていた。


いつの日か、自分に転機がくることを願って。

自分のことを、誰か他人のせいにして、生きてきた。


「あぁ、、、あ、、、」


夏美は何か、もがき苦しむような声を出しながら倒れ、俺は声すら出なかった。

そして、そこからの記憶はうる覚えだが、俺の体力が戻った後、美鶴を連れて、家を出て、帰ったと思う。


ハッキリとした記憶が残っていない。


どこまでが、真実で、自分の気持ちはどうむいているのかすら、自分でも理解ができないほど、おかしな状況になっていた。


今、どうすればいいのか。


「大丈夫?大丈夫!?」


玄関先で倒れこみ、それからは本当に記憶が途絶えている。


次、目を覚ますと、自室に寝ていた。




★☆★☆★☆★




「和也くんの部屋ひろ〜い!!!」


「最近、お父さんにもらったんだ!いいでしょ〜!」


過去の記憶だ。

一人の女の子が俺の部屋にきた時の話。

彼女は当時、引っ越してきたばかりで、木葉も生まれていないほど、俺たちは小さかった。


彼女の名は覚えていない。

しかし、カリスマ性のある子だったことは覚えている。


透き通るような声、誰もを魅了する天才と言っても過言ではないほどの才能の持ち主。


「和也くん!次は何する?」


ーーーあの時だったんだね。




★☆★☆★☆★




「大丈夫?」


目を開けると、そこは自室だった。

カーテンから日光がさし、時刻を知らせるかのような、光だった。

朝日が完全に昇った、7時前ってところだろうか。


ベッドの横を見ると、美鶴が涙を流しながら、座っていた。


「え?どうしたの?」


「本当、、、ありがと、、、!助けてくれて、、、!」


「夏美は?」


「わかんない、、、」


「ちょっと、おr、、、」


あれ、、、?身体が動かない。

動こうとすると、全身に激痛が走る。

抑えきれないほどの、痛みが続く。


「大丈夫!?今は安静にしておいた方が、、、!」


「そ、そうだね、、、」


身体の痛みを抑えながら、俺は眠りについた。

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