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第四十話 検討に検討を重ね、現実的に検討を加速させます

「ねぇ、、、大切な話があるんだ、、、」


「どうしたの?」


19時頃。

あたりはすっかり日が沈み、遅めのイルミネーションに包まれるショッピングモール。

現在地はショッピングモールの最上階のレストラン。


穏やかな風が吹き、1月の凍えるような寒さを忘れさせてくれるかのような風。


美鶴がやけに真剣そうな顔をした。


「私のこと、、、好き、、、?」


ゆっくりと、こっちを向き、上目遣いで聞いてくる。


「す、好き、、、だけど、、、」


「じゃあ(仮)外せる?」


「それは、検討する」


「わかった、なるべく早くね?検討をしっかりと、加速させてね?」


「うん、検討に検討を重ね、現実的に検討を加速させるね」


どこかで聞いたことのあるセリフでの会話。

そう、これは至って真剣な話。


「(仮)ってなんでつけてるの、、、?」


「それは、、、」


俺は元々、異性が苦手だった。

自分が何か言ったら、泣いてしまう可能性があるし、それで大人に怒られるという危険性を秘めているからだ。

この生涯で、可愛いなと思った人は2人しかいない。


それ以外の女性は、深く関わろうとしなかった。


今でも怖いものは怖いが、深く関わることによって、対処方法や人間性がわかってきた気がした。

しかし、対処方法がわかったところで、咄嗟にその判断ができるわけではない。


「俺は、、、怖いんだよ、、、」


「え、、、?」


「異性と関わることに、恐怖を覚えている。昔から、そうだったような気もするけど、この前の一件で全てが重症化したような感じもする」


「じゃあ、みんな忘れさせてあげる。全部、今までとは違う世界を見せてあげる。楽しくて、明るい世界を一緒に作っていきたいな♪」


あぁ、美鶴ちゃんはこんな人間だったな。


無意識に、安堵のため息が口から溢れた。



★☆★☆★☆★



結論は引き伸ばしにすることになった。

その後は、ゆっくりご飯を食べて、帰宅。


途中、駅などで警察に補導されないか、心配したが、そんなことはなかった。


「「ただいま〜」」


「おかえり〜ご飯できてるわよ〜」


家に帰ると、母は晩飯を作っていた。


「あ、ごめん。食べてきた」


「あら、それは残念ね〜」


「ごめん、明日の朝食べるよ」


「冷蔵庫に入れとくからね〜」


ふと、ついているテレビを見ると、そこにはニュースが流れていた。

殺人事件や、強盗事件など最近はそんなニュースしか見ていない。

日本もここまでいたか、、、。


『え〜検討に検討を重ね、現実的に検討を加速させて参りたいと思います』


どこかで聞いたことがある言葉を、本日二度聞いたことになる。



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