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第三十七話 オファー

生徒会室に足を運んだ放課後のこと。

生徒会は俺以外は会長推薦となっている。


生徒会長には【副会長】【会計】【書記】【全体補佐】の4人を選出しなければならない。

そして、このメンバー選びは極めて重要であり、これをミスると、これからの生徒会活動に必要な、信頼を大幅に失ってしまうことになる。


生徒会長席と呼ばれる、本革に包まれた、ふかふかな椅子に座り、頭を抱える。

なぜか、ここに座っていると、歴代の生徒会長に守られているかのような感覚があり、とても落ち着く。


自室のような安心感の中で考えると、考えがまとまるかと思い、しばらく考えていたところ、眠気が俺を襲った。

緊張や、選挙活動などで最近は、しっかりと寝れていない日が続いていた。


咄嗟に、立ち上がり、眠気を覚ます。

健康的な生活を取り戻そうと、俺は夜以外に寝るのをやめた。


「相当、悩んでいる様子だね」


「会長」


「もう、私は会長じゃないし、ただのクラスメイト。敬語もやめていいから」


「なんか、不思議だね」


「そうね、長くこの部屋を使ってないような感じがするわ」


静かな部屋の中、二人は適当な椅子に座り、向かい合う。


「私も生徒会長になった時、すごく迷ったの。当時は1年生だったから、余計に。でも、そんな中、先輩って言ってもわからないか。副会長がこの部屋に来てくれて、アドバイスを出してくれたの。だから、次は私もしないと」


「なるほど、お世話になります!」


「私は当然のことをするだけ、別に私がやりたくてやってるだけだから、そんな気を使わなくてもいいのよ」


黒い髪をサッと、流す。

黒く輝く髪に思わず、目を奪われるところだった。


「まずは、成績よね。成績を第一に考えるのよ」


そして、全校生徒の定期テストのデータを点数の高い順に並べていく。


「次は性格の良さ。人の気持ちがわからない人は、生徒会の人間として失格になってしまうから。死んでも、性格の悪い人は入れないように!」


「死んでも、、、?」


そして、教師への聞き込み調査を行った。



★☆★☆★☆★



流石に、全校生徒の特徴を把握するのには、骨が折れた。

無数に存在する、人の特徴を把握しろなんて、無理難題できるわけない。


「じゃあ、最後に、選出ね。印象の良さそうな人を選ぶの」


「顔写真を見て、決めるってこと?」


「そうよ」


ここまでで、30人程度まで絞ることができた。

顔写真を見て、印象が良さそうな人を探す。


「じゃあ、この4人に決まりね。オファーは自分でやってね」


「はい」


生徒会書記【石墨(いしずみ) 直人(なおと)】1年。

書道の全国大会で優勝した経験があるゆえ、字がとても整っている。

そして、成績は優秀で、学年ではいつもトップ10には入っている。


生徒会会計【上山 優斗】2年生。

今回も選出された、学年トップの成績を有す彼。

俺が生徒会長になった時には、絶対に優斗を入れると決めていた。

そのぐらい、信用が厚い人物の一人。


生徒会全体補佐【七条(しちじょう) 菜沙(なずな)】1年。

2学期の終盤から入ってきた転入生。

容姿は整っており、絶対音感という、特殊能力付きの才女。


そして、生徒会副会長【大友 勝】。

成績はそこそこ、家がコンビニを経営しており、手伝いとしてレジ打ちをしている。

社会経験は豊富で、どんなことも瞬時に対応できる。

デバイス関係に詳しい。


以上の4人となった。



★☆★☆★☆★



「全部、OKしてもらえて良かった〜」


満を持して出したオファーは全て快諾。

勝に出した時は、目の前で爆笑していたのを覚えている。


『絶対、ネタ枠だろ!(笑)』


と言っていたのが、印象的だった。


「じゃあ、来年度は頑張ってね」


「もちのろん!」


無事、生徒会長最初の仕事を終えた俺であった。

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