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第三十五話 ここまで、期待されているのだから。

「和也、いける」


「お兄様ならいけるよ!」


「和也くんならいける!」


「は?兄ちゃんが生徒会長になったら、学校に迷惑かけるだけだから。ゴミはとっとと死ね」


「最後のは聞き捨てならないが、それはよしとして、みんなありがと!なんか、自信が湧いてきた気がする!」


家を出る前、生徒会長に立候補している人は、朝一に学校につかなければならない。

あのあと、予定時間が変わり、1、2時間目に再選発表となった。


そして、いつも通り、駅に行き、電車に乗る。

早朝だということもあり、車窓から朝日が入りこんだ。


車窓の隙間から、風がスッと入り込んだ。


風が頬にあたり、春を感じた。


ゆっくりと流れていく、景色に目を奪われ、心が穏やかになる。

さっきまでの緊張を、全て取り払ってくれるかのような、景色だった。


このまま、時が止まってしまえばいいのにな。


心奪われるような、思いを人生で初めて経験した。




★☆★☆★☆★




「校長、スーツ買ったんですね」


「あははっ!気づいたのかね!」


「校長がスーツ着てるなんて、珍しいですからね。大体は、ジャージじゃないですか」


学校の正門に着くと、そこには校長が立っていた。

なるほど、俺が1番についたのか。


周りを見渡しても、誰もいない。


この学校には、俺と校長しかいない。

少し、新鮮な空気を感じ、いつもの学校とは、また違う感じがした。


「じゃあ、軽い質問をするね」


「はい」


「生徒会長になろうと思った理由は?」


「みなさんの期待に応えるためです」


「副会長に、推薦しようと思っている人は?」


「、、、」


そんな感じの質問が約20問程度続いた。

そして、病院で書かされる、問診票みたいなものを持って、校長室へ行き、机に置いて、教室へ戻った。


もちろん、それからは自由。


教室の机でひたすら、スマホでTmitterをしていた。

やっぱり、人とと普通に接せれるって楽しいし、相手と対等な立ち位置なので、話しやすい。

コメントの返信などもしやすいし、キャラなど作る必要がない。


「お、和也じゃん」


「勝」


「今日は、早めに来てると思って、俺もかなり早くに出ちまったよ。今日は、俺も陰ながら応援しているからな!」


「ありがと」


「お、おぉ。そんな素直に感謝されるとは」


「普通でしょ」


「和也の行動は、全て普通じゃないんだよな」


「マジか」


刻々と流れる時間。

二人だけの教室で、ゆったりとした朝を過ごす。

緊張のせいか、どこかもどかしい気持ちになり、ソワソワした。


しかし、時間ははやくなるわけではない。

平等に与えられた時間。



★☆★☆★☆★



そして、発表の時が来た。

現在は体育館の裏にいる。


教師に「名前が呼ばれたら、出てこい」とだけ言われている。


「再選の発表です」


誰もが、目を瞑り、願う。

自分の投票した人への想いを込めて。


自身の学校生活を大きくかえる、そんな重要人物。


「【讃良議 京也(きょうや)】!」


あっ、、、。

その時、俺の目からは涙がこぼれ落ちた。

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