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第三十三話 天才配信者

「美鶴様、、、?」


「様?」


美鶴が昼頃、街を散歩していたところ、とある人に会ってしまった。


「あのぉ、、、握手会で腕時計渡した、、、」


「夏美さんだったっけ?覚えてるよ」


表情が真顔になる。

そう、美鶴は分かっていた。

自分の彼氏を裏切った最低女であり、彼女がどんなことをしたかまで。


隠さず、殺気のオーラを出した。

しかし、夏美には伝わらない。


なぜなら。


ーーーえ!マジやばいじゃん!美鶴様じゃ〜ん!!ラッキー!


対して夏美は、危機感など持っていなかった。

それもそのこと、気持ち的には超ハイテンション。


「あの、、、握手してもらえますか?」


「この前、したよね?」


「もう一回!」


「ま、まぁ、、、」


半ば強引にされた握手。

それに反応したのか、美鶴の足が突然、一歩後ろに下がった。


この状況には、整理はついている。

しかし、それ以上に、今の状況をどう回避するかに前思考を回していた。


ーーーどうすばいいの、、、?


突然、頭が真っ白になった。


「美鶴ちゃん!もう、急にいなくなったから、みんな心配してたよ〜」


「散歩するって言ったよ?」


「じゃあ、聞こえてない、、、」


「か、和也くん!」


「あ」


凍りついた場。

一瞬で全思考が停止した。


「え、あ、うん」


「知り合い、、、?」


「(違うに決まってるでしょ!)」


「(そうっすよね〜)」


心の中で苦笑いを浮かべる俺。


いやぁ、、、参ったなぁ、、、。


そう、修羅場というものに巻き込まれてしまった。

来るタイミング間違えた!


「二人は、知り合い?」


「まぁ、、、」


「へぇ〜」


ニヤニヤする、夏美。

沈黙を貫く、和也と美鶴に対し、なおも質問を続ける。


「いつ知り合ったの?」


「つい最近」


これにも、納得の様子を示す。


「あの、、、美鶴様?こいつ、オタクですよ?」


「あなたもでしょ?」


あ、バカだ。

推し活に人生を捧げてきた身の知能としては、上出来な方だが、一般的にみると、知能指数は底辺であり、つまり一般的に見るとバカなのだ。


これは、普通にやったらいける。


「あのさ、さっきの関係の話なんだけど」


「あ、うん」


「配信者仲間だね」


「「え?」」


はい、お疲れ様でした。


「はい、これ」


スマホに表示されたのは【八剣 健斗】フォロワー1000万人。

VTuber界隈の頂点に君臨する、2年前から活動を開始した、フリーの配信者。

歌ってみたなどの投稿を中心としているが、投稿頻度は少なく、時々投稿する動画には【命が吹き込まれている】と言われるほどの、躍動感や臨場感のあるオリジナルMV。


彼の作り出す、MVやオリジナル曲は多くの人の心を虜にし、Tmitter最速の【アカウント作成からファロワー100万人達成】を果たした天才配信者。


そして、1年の活動休止期間に入っている彼。


もう、言わずともわかるだろう。


「これ、夏美の推しだよね?あと、この二人で付き合ってほしいって付き合ってる時、言ってたよね?」


「え、、、う、嘘でしょ、、、?」


大きく息を吸い込んだ。


「実は、成立してました〜。今まで黙っててごめんね〜」


「え、、、あ、、、」


冷たい声は、彼女の心情を全て物語っており、気持ちが全て伝わってきた。


隣にいる、ひたすらに驚いている美鶴の腕を引っ張り。


「帰るよ」


そう言って、その場を去った。

そんな、天才配信者の唐突な告白であった。

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