第十八話 垢バレしてるのだが。
「副会長、、、俺を生徒会に入れて何をする気ですか、、、」
ここは、生徒会メンバーと一部教師しか出入りしてはいけないとされている、生徒会室。
生徒会メンバーは特権階級とされており、この部屋に入った瞬間、独自ルールが適用されることになる。
「実はな、会計の【岡崎 隼人】がお前のアカウントを見つけたらしく」
【岡崎 隼人】。
同学年のデジタルデバイスオタク。
数々のオタクが「こいつはきっと有名になる」と唸るほどの実力を持っており、自作パソコンの組み方も絶妙らしい。
「どうやって、特定したのか、詳しく聞かせていただきたいのですが」
「この学校も、知名度が低くてな、よい校風なのに生徒が少ない」
「聞かせてもらおうじゃないですか」
「だから、お前がSNSを使って、この学校をPRするってわけだ」
「なるほど、PR担当の生徒会メンバー(仮)みたいなものですか。そして、どうやって見つけたのか、教えてもらおうじゃないですか」
「いや、メンバーとしてはちゃんと生徒会メンバーだからな。総会にも出席してもらう」
総会。
【地域高校生徒会総交流会活動】の略。
それは、近隣校の生徒会メンバーとの交流会のようなもの。
学校を代表して、他の学校へ行き、色々な地域活動をしていこうという、なんとも平和的な活動。
しかし、この会は放課後行われるものであり、必然的に帰宅時間が遅くなってしまう。
夕方から夜にかけて、裏方作業や、色々な仕事が詰まっている俺には、絶対に出席できない会なのであった。
「生徒会入ったら、部屋でスマホいじれますよ」
後ろからそんなことを言ってきたのは同学年の天才【上山 優斗】。
インターネットが大好きで、趣味が合うのだが、対して話さない。
というか、話しずらい。
定期テストでは1位当たり前、一回だけ会長に抜かされたが、それ以降ずっと首位を走り続けている天才。
会長がヘッドハンティングした唯一の人材なのである。
「マジっすか」
「生徒会室なら、Tmitterさわれますよ。現に僕がやってますし」
「おいおい、書記、そんな話聞いてないぞ」
「言ってませんですし」
優斗は机に座りながら、万年筆で色々な書類にサインをしていた。
それに比べて、俺はしっかりとスマホをいじり、適度に話に耳を傾ける程度でいた。
「来年には生徒数を1.5倍にしてほしいらしい。校長からの指示だ」
「あの校長、結構きついこと言いますね」
「まぁ、あの人まともそうに見えて、まともじゃないからな」
「そうなんですね」
この学校の校長の醜態を知ったところで何もメリットはないが、一応覚えておこう。
「あと、和也さん。僕たち同学年なんだから、タメ口で話そう」
「そ、そうだね、、、!違和感ないし、、、!」
なに緊張しているんだ俺は!
ここでスキル【人見知り】を発動してしまった。
このスキルの効果時間はその、緊張してしまう人を目の前にすると、永続してしまう。
この場から離れなければ、、、!
「副会長、俺、トイレ行ってきます」
「あぁ、突きあたり左だ」
「僕もトイレ行きたいので行ってきます」
ノォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
緊急事態発生!和也の脳内では、パニックを起こした。
男子あるあるの【連れション】というものもしていないのにも関わらず、トイレまで着いてきてしまう!
「和也、行こ」
「あぁ、うん、、、」
どうする和也!
次回へ続く←書いてみたかった。
※最後は作者のおふざけです。
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