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第十七話 オタクに優しすぎる俺氏

楽しかった冬休みはあっという間に過ぎ去り、新学期を迎えた。

駅までは二人で登校し、電車からは別々での登校。


いつものように、駅に向かっている最中だった。


「和也くんって、円周率何桁まで言える?」


「いやぁ、自信ないなぁ、そんな自慢できるほど言えないよ」


「とりあえず、言ってみて」


「3.141592653589 793238462643 383279502884 197169399375 105820974944 592307816406 286208998628 034825342117

067982148086 513282306647 093844609550 582231725359 408128481117 450284102701 938521105559 644622948954、、、、」


「す、凄い、、、!」


昔から、雑学や、どうでもいいことの知識を蓄えるのが好きだった和也は、ざっと円周率は500桁まで言えるのだ。

例えば、パンの袋の上についているアレの名前だとか。

会計の時に使う、お金を置くアレの名前だとか。


日常生活には絶対にいらない知識ばかりを知っている、謎に雑学だけはわかる男なのであった。


そんな俺の特技を披露すると、大体は褒めてくれる美鶴。

当然今日も、、、。


「凄い!記憶力もあるなんて!流石!」


当然のように褒めてくれる、優しすぎる彼女(仮)。


「あのぉぉ、、、そういえばの話なんだけど、、、」


「どうかしたの?」


「(仮)ってまだ外れてないの?」


「もちろん」


「もちろん!?」


「俺も正直迷っててさ」


「、、、」


和也の言葉に詰まる美鶴。


ーーーその気になれば、結婚までいけるのに、、、。


そう考える美鶴に対し、和也の脳内はオタクへ優しい思考へと持っていきやすい性質がある。


ーーー俺が今ここで付き合っちゃったら、美鶴ちゃんのファンの人に何て言えば、、、。


ただでさえ、勝と関わることすら危うい自分に、これ以上の関係までいってしまうと、関わりにくいというか、少しこちらから距離を作ってしまう原因になってしまう気しかしなかった。


もちろん、俺も付き合いたい。

でも、、、でも、、、。


心の中で葛藤が始まる。


付き合いたい自分VSオタクに優しい思考の自分。


「多分、一生付き合えない気がする、、、」


「そんなこと言わないで!まだ、時間はあるから、、、。ゆっくり考えて!私はいつまでも待つから」


あぁ、優しい彼女(仮)で良かった。




★☆★☆★☆★☆★




学校に着くと、当然のようにスマホを開き、Tmitterをいじり出す。

校則では学校内でのSNS関係の使用の禁止が定められているが、俺にはそんなこと関係なかった。


とにかく、今はTmitterに逃げたい。現実逃避しないと、自分の体が持たない気がした。

とにかくメンタルが弱い俺にとって、ネットというものは天国のような場所だ。


「北条君?いい加減にしないと、取り上げるわよ?」


「サーセン」


学校三大美女の一人、【桜丘奈々】。

スマホをいじっていると、毎回のように注意される。

彼女は生徒会長兼風紀委員なので、そういう面では凄く厳しい。


「和也、今日もやってな」


「いつも通りだから」


勝とも挨拶を交わし、今日も一日が始まろうとしている時。


どうにも、廊下が騒がしかった。

俺はそういうのには興味があったはあったが、そんなものにはしゃぐほどの子供ではないと思っていたので、席でスマホをいじっていた。


バンッ!

大きな音と同時に、生徒会メンバーである5人が入ってきた。

会長、副会長、書記2人、会計。

教卓の前に立ち、副会長から口に出した言葉は。


「北条和也!お前を生徒会のメンバーとすることになった!」


「は?」


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