実は俺、来てました。
本日から2話投稿、再開します。
ご迷惑おかけしました。
「大友勝、参上!」
実はこの男、来ていた。
うっかり、前日に来てしまい、ネカフェに前泊までしていた。
それに、開始五時間前から並んでいたり、いなかったり。
「よし、五万円もあればたりるだろ!」
そう、大友勝という人物は、推しのグッズはコンプリートしたい派なのだ。
そういったことから、過去に販売されたグッズも全て持っている。 いわゆる、「ガチ勢」なのだ。
ーーー握手会開始五時間前。
準備運動として、ドーム前でちょっと早めのラ○オ体操。
グッズ販売は戦だ。なるべく早く売り場へ行くために、準備運動は必須と言っても過言ではない。
「まだ、誰も来てないな。もう一回やるか」
そして、朝7時まで続けた。
「あ、ちわっす」
「久しぶりです」
【新木 星夜】。
ネットで知り合った、勝の友人であり、いつもローテンション。
年齢16才、センター分けて、服もお洒落。 テンションと服が、完全にミスマッチな人物なのであった。
顔も悪くないんだけどな〜。
「これからどうします?」
「とりま、スマホいじって待っとく。」
「わかりました」
現在の時刻は、朝の7時30分。
一部のオタクが、並び始める頃だ。 勝と星夜は、エナドリ一気飲み。
基本、眠気との戦いだった二人にとっては、救いのようなドリンク。
朝の爽やかな風を感じた。
一ーー朝8時。
「ここか〜!久しぶりに来たけど、やっぱり大きいな〜」
この時、ようやく木葉が現地へ到着した。
しかし、二人は接点がない為、会わない。 というか、限定グッズも奪い合いのライバルだった。
開始一時間前となると、一般の人が一気に増える。 そして、ナンパも増えるのであった。
「なぁなぁ星夜、逆ナンとか、、、」
「あ、あの、、、ID教えてもらえますか、、、?」
「いや、そういうの無理なんで」
「星夜、てめぇぶっ○すぞ」
「そんなこと言わないでくださいよ」
意外と身近で、ナンパが行なわれているのを知った勝であった。 そして、推し以外に興味がない星夜なのであった。
「星夜の顔面偏差値、俺にも分けてくれよ」
「まぁ、生まれもってってやつなので」
「本当のこと言っただけなのに」
「よく覚えておきなさい、正論とは、時に人を傷つける剣になるものです」
「そうなんですね」
ポカーンとした表情の星夜に手を出せる者は誰もいなかった。
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