第3話 まぁせいぜい頑張りな(ニヤニヤ)
どうゆう事。僕が、国家の敵?意味が分からない。何も僕はしてないのに?
「どうゆう事だ?貴様、巫山戯るのも大概にしろ!」
相変わらずロズさんは笑っている。
「詳しく教えようか?」
「最初からそうしろ!」
えぇ、姉様。それは理不尽では?
「随分と理不尽だね〜。ま、いいでしょう。はい、私が教えてしんぜよ〜う。」
あぁ、姉様がかなり頭に来てる。やばい。
「グヌヌ…(殴りたい…今すぐこの男を殴り倒したい…。)」
「デコル君はねぇ〜、ある称号が発現しちゃってね〜。その称号が普通の物じゃ無いから問題になったんだよねぇ。」
「もしかしてその称号って、分解関係だったりします…?」
ロズさんはニヤッとし、言ったんです。
「あぁ、勿論ねぇ。君の称号の名は『分解者』なんだよ。開放条件は、[己の力で分解を行う事。][スキルである解剖図系統のEXを持っている事。]この二つだ。一見すると簡単そうに見えるがこれがエゲツない確率なのよ。」
「どうゆう事ですか?」
「スキルを持っているのにも関わらず分解を自力でするやつがいるか?それにEX系統はただでさえ貴重なのに解剖系統なんぞそうそう無い。だからだろうなぁ、この称号を作ったアイツの性格の悪さが見える。」
クツクツと笑っているロズさんを見ながら一番大事な部分を説明されてないことに気がついた。
「何で僕が国家から敵認識されなきゃいけないんですか!」
「ン?あっ悪りぃ悪りぃ。言ってなかったな。お前の能力の組み合わせ方によってはもうバケモンだからな。世界中どこを探してもお前みたいなやつはいねぇよ。お前は世界でもトップランクの強さを手に入れたんだよ。」
「それは一体どんな能力なんですか!」
「ただ分解する、それだけよ。」
「……………。え?そんなのが本当に強いんですか?」
「まぁ試しに…そうだな、ちょっと待ってな。」
そういうとどこからともなく空中に出てきた紫色のゲート?みたいなのの中に手を突っ込んだ。
「たしかここら辺にあったはずなんだけどなぁ。」
((い、一体なにをしてるんだこの人は…。))
「お!あったあった。」
そこから手を引っこ抜くと謎の禍々しい剣が握られていた。
「なんですか、それ。」
「俺が試しに魔王の魔力奪って無理やりペーストした鉄の剣〜。」
「「はぁ⁉︎」」
それって危ない物なんじゃ…ていうか魔王ってどうやって会ったの⁉︎今人族と天使族と敵対関係にある魔王軍。そこの党首である魔王は人嫌いだったような…。
「あんま気にすんなよ〜。」
(気にするよ!)(触ってみたい…。)
「さ、早速だけどやってみようか。ね?」
「な、何をですか…。」
「大丈夫大丈夫。さ、ご一緒に〜。『分解』〜。」
胡散臭いし失敗したら怖いしどうすればいいのかな…。ええい、やってしまえ!
僕は叫んだ。
「『分解』‼︎」
次の瞬間、ある意味僕は驚いた。
「「…………何も起きないじゃないですか(ではないか)。」」
「ノンノン!全然違うって〜。いいかい、イメージだよイメージ。今君はただ分解って叫んだだけ。そんなのじゃ俺が分解って言った方がよっぽど効果があるよ。この鉄剣を分解しているところを思い浮かべて〜。」
言われた通りに想像してみる。
……柄、鞘、刀身、その細部まで思い浮かべる。
「そんでもって俺から大サービス⭐︎受け取りな。」
僕の額に人差し指を当ててきたその瞬間に、簡単な知識が入ってきた。
「これで使い方はバッチリだな。ほらいってみな?せーの、」
「『分解』!」
その次の瞬間今度こそちゃんと驚いた。鉄剣はバラバラに分解されていたからだ。そして、禍々しいあのオーラは…なんかフヨフヨ浮いている。
「おーできたできたw。まぁ俺がサポートしたしそんなもんだろうな。」
…………………。
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」」
「あーうるさ。」
「ナニコレェ!すご!どうなってんの!意味がわからない!」
うわぁーすごい事じゃないのかこれ!姉様もびっくりして…あれ?珍しく落ち着いてるなぁ?どうしたんだろう。刹那。肩をすごいスピードで掴んできた。
「あの…姉様?」
「なぁデコル。お前は騎士団には“力”がないから入れません、そういいったな?」
「は、はい。そうですけど…。」
そう答えた瞬間物凄く嬉しそうな顔をした。
…って興奮して気付かなかったけどまさか…!
「騎士団…入ろうか!」
「ごめんなさい姉様!お誘いは嬉しいですが…。生憎とメディク兄さんから研究室へのお誘いがありますので…。」
「大丈夫だぞ!心配しなくとも私がなんとかしてやろう!よし手続きは早めに終わらせた方がいいだろう。さぁ、行くぞ!」
「やめてくださーーーーーい!」
「それじゃ俺は消えるね〜。」
と言ってロズさんは跡形もなく消えた。
そして僕は姉様に連行された。