第18話 『極点』
称号とは、普通は《《魂に刻まれる称賛の象徴》》、となっている。それがその持ち主に力を与えるなんて事は普通ない。
しかし、デコルの場合はかなりの特例。実は各部門を極める事によってその名に冠した能力を与える物がある。こういった物の総称を『極点』、と言われる。
これがあるだけでもかなり珍しいのにも関わらず世界がたった一人の使い手だという。普通、『極点』は一つの部門でも世界にも数人いる。そういった人間は大抵は国に囲われている。一人でもそれだけ有能であり、敵に回ればとてつもない被害が及ぼされるほどだ。
一騎当千。それが《《普通の》》『極点』だ。
しかし、世界で一つだけの能力だとわかってしまった今。狙われているのがデコル、というわけだ。そして、『分解』の『極点』は歴代でもデコル一人。狙われるに決まっている。
これがデコルの『分解』含め、『極点』の一部である。
*まぁデコルのはちょいと違うんだけどねw byロズ
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「ノイルは私たちの中でもたった一人の『極点』。戦闘に使うにはかなりセンスや頭がよくないと使えない……。それを努力だけで埋めていったの……。ノイルは…。だから強いし、真っ向勝負でも中々強い。」
「ノイルさんの称号ってなんなんですか……?」
「『導き手』。あらゆる物を《《誘導させる事が》》できる。」
「なっ⁉︎」
僕の能力もそうだがノイルさんのもよっぽど強力だ。
「でも、あくまでも《《誘導》》。強制ではないから強い意志を曲げる事はできない…。そらす事は可能。だからこそ強い。敵を寝返らせる事だって出来る。面倒な能力。まぁ、私とはかなり相性いいから対策すれば問題はない…。」
「幻覚魔法…ですか……。確かにそれなら工夫すれば対策は出来ますね…。」
「そう。私の体にあらかじめ仕込んでおけば……それでおしまい…。誘導される事なく行動する事が出来る。」
「だからあの時…。そうだったんですね…。ありがとうございます。」
「それじゃあ……行こうか。」
「…………どこにですか?」
「ノイルのとこ。」
覚悟を決めなくちゃならないようだ。
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「デコル…?何か……嫌な予感がする…。あの子なら大丈夫だろうが…。心配になってきたな…。様子を見に行くか…。もうすぐ夕方だからな。」