第14話 そうして暗躍への道に導かれるデコル君
「さぁて!じゃあ第145回!遊撃隊定例会議をはじめまーす!」
パチパチパチ………。
「ありがとう!ありがとう…。コホン。では、今回の主役は〜、デコル君!さ、こっちこっち!」
肩を掴まれてみんなの前に立たせられる。
「ふえぇ?な、何ですか!」
今、ここはいつもの遊撃隊の基地?のミーティングルームようなところにいる。
「今から君の任務を発表します!という事で、ベイルさん!お願いしま〜す!」
「………このノリもう止めても良いんじゃ無いのか…?…はぁ。まぁ良いだろう。じゃあ俺から説明させてもらおう。まずこれを見て欲しい。」
そうして広げたのはここ一帯の地図だ。かなり正確に作られた物で僕も何度か見た事がある。
「この地図が一体どうしたんですか?」
「赤い線で囲っている区域があるだろう?」
「はい。」
地名を見ると『シヴィカリー領』と書いてある。
「ここの領主の動きがどうも怪しい。だが、奴の権力はそこそこだが、自警団の動きは強い…。迂闊に情報収集が出来る場所じゃあない…。」
「はぁ…。」
「俺ならいけるが今ちょうど別の任務に当たっているから出来無い。じゃあノイルやフワラにやらせてもこいつ等は隠密に向いてない。唯一向いているのはシャルルだけ…。だが肝心のシャルルは、城の形状によって潜入が出来なくなっている。」
「「「うんうん。」」」
「えぇ…それってもう無理じゃないですか…。」
「そこでお前の出番になるんだよ。デコル。」
「……………へ?」
うん。途中から嫌な予感はしてたけど…。この前言っていた『面倒な仕事』ってこの事だったのか!
「じゃあ…もしかして………。」
「あぁ、お前の予想通りだと思うぞ。さぁ、これより『シヴィカリー領潜入作戦』を構成する。始めるぞ、仕事の時間だ。」
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「はぁ…終わったぁ…。」
「お疲れ様!デコル君!」
「ノイルさん。居たんですね…。」
「やっぱり疲れちゃった?休んどく?別に私は大丈夫だから無茶はしないでね!」
「はい、気遣いありがとうございます。でも、大丈夫です。まだこれくらいなら耐えられます。」
「本当に…?少し心配だな〜。だってデコル君、無理するタイプの人間じゃん。甘えたい時はあるだろうに…かわいそうに見えてきちゃった。」
ここまで心配してくれるなんてやっぱり良い人だなぁ。
と、思った次の瞬間に爆弾発言をしてきた。
「そーだ!私が癒してあげようか?私の部屋で。」
「ふぇえ?」
変な声が出てしまった。