冒険者3
ギルドで、ゴブリン盗伐の報酬を貰った。
「メリル、今日は、ありがとう」
「あたしも、ありがとうだよ!何より、ゴブリンチャンピオンと戦えたから最高だよ!」
「なら良かった。また一緒に行こうね」
「うん、また誘ってね」
「喜んで!」
響子とメリルは、また一緒に冒険をすることを約束して別れた。
翌日、響子はリリと一緒にギルドに来ていた。
「響子様、今日は、何処にいきますか?」
「う~ん、どうしよう」
響子は、他の街に行ってみたいと思いながら依頼を探した。
「あっ、これにしようか」
依頼書
項目 護衛
内容 商人の馬車をコパの街まで護衛
報酬 1グループ 銀貨10枚
期間 2泊3日
達成報告 コパの街到着後、商人から依頼達成証を貰う
ランク なし
他 3グループでの出発です。
明日、出発予定
響子は、依頼書を受付に持ってゆき、護衛依頼を受けた。
翌日、ガウンの街の門の所まで行くと、商人と他の冒険者グループが待っていた。
「おはようございます」
「ああ、おはようございます。私は、商人のムサンです。この度は、宜しくお願いします」
「はい、宜しくおねがいします。
ところで、他の冒険者の方は?」
「あちらにいますよ」
「有り難うございます」
響子は、ムサンと挨拶を交わし、他の冒険者グループの元へ向かった。
「おはようございます。響子とリリです。
宜しくお願いします」
「こちらこそ、私は《流星》のリーダーのナウルだ。
それとこっちが《蒼き剣》のリーダーのドルク。
宜しく頼む」
「嬢ちゃん、宜しくな」
「はい、宜しくお願いします」
響子達が、挨拶を終えてすぐに出発した。
街から、離れていくと、魔獣が時々出現したが、問題なく倒した。
2日目になり、山中に入って行くと、響子のマップに反応が現れた。
「ナウルさん、ドルクさん、この先で待ち伏せされています」
「えっ!それは本当かい?」
「はい、人数は30人程いますよ」
「分かった、先鋒は俺たちが守る。ドルク、後方を頼めるかい?」
「ああ、任せろ」
「嬢ちゃんたちは、中間で待機して、魔法で攻撃してくれ」
「わかりました」
響子は、馬車の中間地点で、盗賊を待っていると、茂みから
20人程の山賊が現れた。
「おい!大人しくして貰おうか。なあに、馬車の荷物と女さえ貰えば、
立ち去ってやるよ」
「無理です。荷物も女も渡しません」
「そうか、死にたいのだな」
そう言うと、山賊は、正面から襲い掛かってきた。
「殺せ!女は生かして捕らえろ!」
《流星》と山賊は、正面でぶつかっていると、後方から
別動隊が襲って来た。
「こっちは、任せな!」
後方からの相手を《蒼き剣》が受け持った。
ところが前方の《流星》が崩れた。
リーダーのナウルは善戦してが、2人が倒れ、そこから陣形が壊れ始めた。
響子は、その状況を見て、魔法を放った。
「フリージア」
前方の敵が氷ついた。
後方には、リリが援軍に行き敵を倒した。
「すまん、助かったぜ」
「いえ、響子様の指示ですから」
響子は、リリと合流しマップで検索し、見つけた山賊のアジトに行き
山賊の宝を貰った。
その後、皆と合流し、コパの街を目指した。
無事、コパの街に着き、依頼達成の証明書を受け取り解散した。
コパのギルドに行き、証明書を提出して依頼料を受け取り
宿を探す為にギルドを後にした。
街を散策しながら歩いていると、宿屋を見つけたので
聞いてみた。
宿屋の1階は、酒場になっており、その奥に受付があった。
「こんにちわ」
「はーい、今行きます」
受付に現れたのは、小さな女の子だった。
「あ、あの、今日、泊まれますか?」
女の子は、ジーと響子を見た後、奥に向かって呼んだ。
「ちょっと待って下さい。
おねーちゃん!お客さんだよ!」
奥から、女の子が、現れた。
「すいません、お待たせしました。
お泊りですか?」
「はい、泊まれますか」
「空いてますので、大丈夫です。1泊朝食付きで銅貨45枚です」
「取り敢えず、3泊を、お願いします」
「有り難うございます。部屋は2階の一番奥です」
響子は、部屋に行き、ドアを開けた。
部屋は、ベッドと小さな丸テーブルがあるだけだったが
とても清潔だった、
響子は、ベッドに横になると、知らないうちに寝てしまった。
翌朝、響子は起きて1階に朝食を摂りに向かった。
朝食を摂りながら、この宿、このは亭の事をカレンからを聞いた。
ここは、姉妹3人で経営している。
長女は16歳で、次女12歳、3女9歳の3姉妹だ。
響子は、朝食を終え、市場に買い物に向かったが
途中にあった武器屋に入った。
「姉ちゃん、何を探しているんだ」
「剣が欲しいのですけど」
「素材にこだわりがあるか?」
「ないけど、折れない方がいいです」
「なら、ミスリルだな、ちょっと待ってな」
武器屋の親父は、奥に入って行き、暫くすると一本の剣を持って来た。
「姉ちゃん、これでどうだ、ミスリルの剣だ。
持ってみな」
武器屋の親父の言う通りに剣を握ると
手に馴染んだので購入することにした。
その後、市場で買い物を終わらせ、ギルドに向かっていると
泊まっている宿の中から大きな声が聞こえて来た。
「お願いです、帰って貰えませんか」
「おい!俺たちも客だぞ!」
「ですが、このままだと、他のお客様が入って来れません」
「お前が、俺たちの言う事を聞けば問題無いんだよ」
「そんな・・・・」
「この店で無理しなくても、お前が妾になれば、
2人の妹たちも、もっといい生活が出来るのに、何意地はっているんだよ」
「・・・・・」
話を聞いていた響子は宿に入り、話に割り込んだ。
「断りなよ、嫌なんでしょ」
「・・はい・・・・・」
「心配しなくていいよ」
響子とカレンが話していると、チンピラが割り込んで来た。
「姉ちゃん、俺達は、ここの娘と話をしているんだ。
邪魔するな!」
「そうですか、でも、ここに泊まっているんでそこに居られると邪魔なんですけど」
「は?」
「邪魔!」
「ちっ、また来るぜ」
そう言うと、チンピラは出て行った。
チンピラが出て行った後、カレンと話をした。
「どうして、こんな事になったの?」
「この宿は、両親と私で経営していましたが、建物が古くなったので
改装することにしたんです。でも、貯めていたお金だけでは足りなくて
カーム商会からお金を借りたんです。
それから、改装が終わった頃、両親が、2人で出掛けたのですが、
その出先で強盗に遭って殺されました」
「じゃぁ」
「はい、改装したばかりのお店と借金だけが私達に残りました」
「それから、ずっと3人で?」
「はい、でも、暫くして改装費の請求が来て、払っていたのですが
突然、あの人達がお店に現れるようになって、店に入り浸り騒ぐので
お客も減って、売り上げが無くなってしまいました。
すると、奴らが私に条件を突きつけたんです」
「どんな?」
「私に、カーム商会の会長の妾になれという事です」
「え!」
「その条件を、付きつけられて断っているのですが、
借金を返せないと、どちらにしろ借金奴隷になるので・・・・」
「3人共、なるの?」
「はい・・・・」
「そうなんだ、なら、お店を営業出来る様にしないとね」
「え?」
「私が、用心棒するよ」
「大丈夫ですか?
それに、用心棒代を払えるほどの余裕は・・・・・」
「うん、いらないよ」
「え!」
「いらないから、頑張ろうね!」
「はい!有難う御座います」
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