表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/59

海賊

翌日、オトヒメ達の報告を待ちながら、ギルドに行ってみた。

ギルドで依頼を確認してみたが、海賊討伐の依頼はなかった。

響子達は、ギルドを後にし、港に行ってみた。

港に行き、漁師達に話を聞いたところ、港の近郊以外での漁は危険だと聞いた。

陸から離れて、沖で漁をしていた者達は、誰一人として戻って来なかった事も聞いた。

響子は、宿に戻り、落ち着いて考えてみる事にした。

その頃、オトヒメ達は、領主の屋敷を探ったり、近くの村などから聞き込みをしていた。

色々、聞き込みをしたが同じ様な事ばかりだったので

もう少し聞き込み範囲を広げていくと、奇妙な村を見つけた。

その村を見つけたのは偶然で、オトハは、海岸線を歩いていると

岩場に入って行く男達を見つけたのだ。

気になったので、オトハは、後を付けてみると岩場の影に洞窟があり、

その中に、多くの人が生活していた。

こんな場所で生活をしている事を不思議に思い、暫く監視する事に決めた。

オトハは、監視を強固にする為に1度街に戻り、オトヒメにこの村の事を伝えた。

オトヒメは、他の狐人族達にもこの村の事を伝えてからオトハと一緒に

奇妙な村の付近で監視を始めた。

2日後、カインの街から、海賊の盗伐隊が出港したとの連絡を受け、

この村が動き出すのかを見張っていると、案の定、村人たちが動き出した。

村人たちは、小舟に乗り、多くの人を乗せて沖へと出て行った。


「オトハ、街に戻り、響子様にこの事を伝えて下さい。

 私は、このまま監視を続けます」


「わかりました。

 行ってまいります」


オトハは、急いで街に戻った。

街に着いたオトハは、響子に会い、村の事を伝えてから再び監視の為に

オトヒメの元に戻った。


オトハから話を聞いた響子は、リリとナディアに伝え、上空から様子を見る事にした。


「リリ、ナディアちょっと様子を見て来るよ」


「響子様、どうやって行くのですか?」


「うん、魔法で空を飛ぶ」


「響子よ、わらわもいくぞ」


「どうやって?」


「ふんっ、わらわはドラゴンぞ、人化していても翼を出すことぐらい容易いわ」


そう言って、ナディアは、翼を広げた。


「響子よ、いくぞ」


「分かった,リリ、こちらは任せるね」


響子も、魔法を唱えた。


「フライ」


響子も、空を飛び、ナディアと共に海に向かって飛んでいった。

上空から、盗伐隊の船団を見つけ、高度を保ちながら後を付けると

沖の方から、こちらに向かってくる船団を発見した。


「ナディア、向こうの船は海賊なのかな?」


「わからんが可能性は高いと思うのじゃ」


「少し、離れて見ていよう」


「そうじゃのぅ」


響子とナディアは、もっと距離を開け、監視する事にした。

2人が、監視を続けていると、2つの船団がぶつかった。


「船長!海賊の船団が近づいてきます」


「魔法部隊、攻撃準備」


盗伐隊は、戦闘のタイミングを図っていたら、突然、船が海中からの攻撃を受けた。

(ズドォォォォン!!)


「報告、船底に穴が空きました」


その間に、海賊船は盗伐隊の船に接近してきた。

盗伐隊も負けじと魔法を放とうとしたが、再度、海中からの攻撃を受け、船が沈みだした。


「船を捨て、全員退避、退避だ!」


船員は、慌てて脱出しようとしたが、今度は火の玉が襲って来た。

(ドガァァァァァン!!」

脱出の為に船上に集まっていた船員は、次々と火の玉の餌食となった。

先頭の船がやられたことにより、後方から付いて来ていた船は慌てて逃げだしたが

別方向から現れた海賊船により降伏を余儀なくされた。

盗伐隊は、船を奪われ、生き残っていた者達は、海に放り込まれた。

海賊達は、船ごと物資を奪い去っていった。

その様子を見ていた響子は、ナディアに伝えた。


「ナディア、あの船を追ってくれない」


「響子は、どうするのじゃ」


「海に放り込まれた人達を助けるよ」


「わかった。

 わらわに任せるのじゃ」


「うん、お願い」


響子とナディアは、別れて行動を開始した。

響子は、海上に近づき、船の残骸に見つけたロープを括り付け、

浮かんでいる人達に声を掛けて回り、

ロープで結んだ残骸に乗せていった。

響子は、周りを見渡し、誰も居なくなったことを確認してからロープを引いて陸に向かった。


その頃、ナディアは、距離を取り乍ら海賊船を追って行った。

海賊船は、海上の小さな岩の手前で止まり、暫くすると、岩の奥に小さな島が現れ

その島の洞窟に船は入って行った。

ナディアは、小さな島に降りて監視をしていたが

海賊船と拿捕された船が出て来る気配は無く、代わりに小舟に乗った人達が出て来た。

ナディアは、出て来た小舟に距離を取り乍ら後を付けると、陸にある洞窟に入って行った。

洞窟に入った事を確認し、街に戻ろうとしたら、洞窟から離れた位置にいた者達が

手を振って来たので近づくと、そこには、オトヒメとオトハがいた。


「なんじゃ、お主らは、ここで何をしておるのじゃ」


「ナディア様こそ、どうしてこちらに?」


「わらわは、響子の頼みで海賊の後を追っていたらここの洞窟に入って行ったのじゃ」


「ならば、此処の者達は、海賊」


「その通りじゃ」


ナディアとオトヒメは、オトハを監視に残し、街に戻った。

盗伐隊を助けた響子も、街に戻り、宿に向かっていた。

響子が宿に着くと、ナディアとオトヒメが戻っており、

洞窟の人々が海賊である事を響子に伝えた。



不定期投稿ですが宜しくお願い致します。

暖かい目で見て頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ