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討伐戦2

マーベリック達は、お王都の門の所で倒れ、気を失ってしまい、

気が付いた時には、ベッドの上だった。

マーベリックは、辺りを見渡し、王都に戻れたことに安堵した。

結局、王都まで辿り着いたのは、18名で、元気な者は1人もいなかった。

マーベリックは、起き上がり、ベッドに座り込み自身の体の状態を確認し、

ベッドから出ようとした時に、誰かが入って来た。


「団長!お気づきになられたのですね」


マーベリックは、声のする方に向き直った。


「ネウロか・・・」


「お加減は如何ですか?」


「ああ、済まない、大丈夫だ」


「良かったです。

 それから、他の団員達も命には問題ありません。

 ただ・・・その・・・」


「ノーラか・・・」


「はい・・・」


「ノーラ様は、腕を無くしておられるので・・・」


「わかった・・・」


「すいません・・・」


「お前が、謝る事ではない。

 それよりも、早く陛下に報告をしなければならない」


「はい」


「服を準備してくれ、今から王城に向かう」


「畏まりました。

 私もお供致します」


マーベリックは、ネウロを連れて、王城に向かった。

王城に着き、マーベリックは、陛下へ謁見を求める旨を門番に伝えた。

暫くすると、場内から宰相が現れた。


「騎士団長殿、もう大丈夫なのか」


「エリク殿、報告が遅れて申し訳ありません」


「ああ、良い、それよりも陛下がお待ちだ、付いて来るが良い」


「はい」


マーベリックは、エリクに付いて行き、謁見の間に入っていった。

謁見の間には既に王が玉座に座り、待機していたので慌てて頭を垂れて挨拶をした。


「陛下、報告が遅くなり、誠に申し訳御座いません」


「よい、それよりもマーベリックよ、体の具合はどうだ」


「はい、おかげさまで回復致しました」


「そうか、ならば報告を聞こう」


「はっ」


マーベリックは、王城から出発してからの森の中の事、洞窟内部の事を

詳しく、順を追って話した。

マーベリックの話を聞くにつれ、集まった貴族や重鎮達の顔色が悪くなっていき、

王も、今後の事を考えると頭が痛くなった。


「そうか、その中でよくぞ帰って来てくれた。

 今後は、少し休むが良い」


「有難き幸せ。

 ですが陛下、もう一度、兵を送るのであれば、私も同行させて頂けませんでしょうか」


「マーベリックよ、その体で行くと言うのか」


「はい、このままでは、死んでいった者達に顔向けが出来ません。

 陛下、私の我儘をどうかお聞き届け下さい!」


「分かった。お主の気持ちに答えるとしよう」


「有難き幸せ」


「よし、マーベリックは、少し休んでおくのだ。

 今後の事が決まれば、また連絡をしよう」


「はっ」


マーベリックは、謁見の間を後にし、王城を出て行った。

マーベリックが、出て行った後も会議は続いた。


「さて、皆の者、聞いた通りだ」


「・・・・・・・」


先程の話を聞いて、誰も声を上げる事が出来なかった。

そんな中、宰相のエリクが陛下に進言をした。


「陛下、この度の事で、皆も頭を痛めていると思いますが

 あまり悩んでいる時間も無いかもしれません。

 そこで、この局面を乗り切る為には、王の軍勢だけではなく、

 冒険者ギルドや各貴族の方々のお力も借りてはと思いますが」


その言葉を聞いた貴族たちは、自分達の領土の事も考え、

王に恩を売っておいても損はしないとの思いからそれぞれに返事をした。


「陛下、我が軍からも兵を送りましょう」


「私も、及ばずながら力に成りましょうぞ」


貴族達は、次々に参加の意思を伝え、颯爽と王城を後にし、自身の領土に戻って行った。

謁見の間に残った王は、宰相と向き合った。


「エリクよ、大変な事になったな」


「陛下、心中お察し致しますが、この度の事、やはり王子に参加して頂きたいと思います」


エリクと王は、マーベリックが戻った時点で次の進軍を考えており、

その軍の旗に王子を起用をし、民や、他の貴族へのけん制を企てていた。


「そうだな、貴族まで動かすのに、王族が1人も居ないのであれば今後の政治にも

 影響を及ぼす可能性もあるだろう」


「はい・・・」


「嫌な思いをさせて済まないがソウルを呼んでは貰えぬか」


「畏まりました」


エリクは、控えていた兵に第2王子を呼びに行かせた。

王とエリクが待っていると、すぐさま第2王子のソウルが入って来た。


「失礼します。父上、御用でしょうか」


「ソウルよ、この度のダンジョンの事は聞いておるな」


「勿論です。何でも全滅に近い状態だったと聞き及んでおります」


「そうか、ならば話が早い、この度、新しく軍勢を整え、再度ダンジョン討伐に向かう事になった。

 それで、お前には、その軍の総大将をやって貰いたい。

 引き受けてくれるな」


「勿論です、父上。

 この、ソウル ドラン、王族の名に恥じぬ働きをお見せ致します」


「うむ、頼んだぞ」


「はっ」


ソランは返事をし、謁見の間を後にした。

その後、王城から通達の来たギルドは、再びダンジョン討伐の為の人員を確保する為に奔走した。

また、貴族達も自身の領土で兵の人選を始めており、討伐の準備を進めた。

しかし、シルベスタは困っていた。王城に行っていた息子のサントから聞いた話では

アスタ家からも兵を送らないといけないのだが、ブガートの起こした事件で兵の数も質も

悪くなっていた。

ただ、兵を提供するだけなら問題はないのだが、息子に爵位を継承させたばかりの所で

役に立たなければ、笑いものになることは火を見るよりも明らかだった。

悩んだシルベスタは、響子に相談する事にした。



ブックマーク登録有難う御座います。

不定期投稿ですが宜しくお願い致します。

暖かい目で見て頂ければ幸いです。

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