依頼
屋敷に戻ると、入り口に3人の女性が待っていた。
「失礼ですが、響子様でいらっしゃいますか?」
「はい、私が、響子ですけど・・」
「シルベスタ様からお話を頂きましてこちらに来ました」
「メイドさん?」
「はい、メイドさんです。
私は、サリムと申します」
「響子様、初めまして、ミーナと申します」
「私は、ヤトと申します。
宜しくお願い致します」
「こちらこそ、宜しく」
その後、皆が自己紹介し、屋敷の中に入っていった。
響子は、メイド達に部屋を与え、家の事説明した。
「サリムさん、ミーナさん、ヤトさん、必要な物があったら言って下さい」
「響子様、”さん”は要りませんから。
それと、キッチンなどで必要な物があります」
「わかった。
なら、今から買いに行こう。
それと、個人の部屋の物でもいいからね、家具とかも必要なら言ってね」
「宜しいのですか」
「いいよ」
メイド達は喜んで、響子と買い物に出掛けて
食材や調理道具、家具などを購入してから屋敷に戻った。
夜、皆で、メイド達の作った食事を摂り、風呂に入った。
「あー疲れたぁ、でも、風呂は気持ちいいー!」
「響子よ、湯加減はどうじゃ」
「ナディア、気持ちいいよ・・・
えっ!ナディア・・・どうして此処に・・」
「何を焦っているのじゃ
女同士ではないか」
響子は、ここで焦っては不味いと思い、冷静を装った。
「そ、そうだね、湯加減はいいよ」
「なら、わらわも入るぞ」
ナディアは、響子の横に入って来た。
「気持ちいいのぅ」
響子は、ナディアの裸を思わず見てしまった。
(ナディアって、思ったよりスタイルいいなぁ)
「なんじゃ、響子は女の裸に興味があるのか?」
「え?そんな事はないよ・・・」
「本当か?」
ナディアは、響子に抱き着いて来た。
「ナディア、近いよ!」
「焦るでない!
女同士じゃ、良いではないか」
「そ、そうだね・・・・」
ナディアは、響子の胸を揉んだ。
「キャ!」
「かわいい声を出すのぅ、わらわはどちらでもイケるぞ」
「ナディア・・・」
その時、風呂に新たな乱入者が現れた。
「響子さん、入りますね」
響子は、慌ててナディアから離れた。
「チャム、どうしたの?」
「いえ、私も入っていいですか」
「う、うん、勿論だよ」
響子は、ホッとした。
「惜しかったのぅ、響子よ、また今度じゃ」
「・・・・・」
その後、3人は、風呂から出て、各自の部屋に戻った。
翌日、朝食を摂った後、皆の予定を聞くと
チャム達、3姉妹は、庭で訓練をするらしいので
残りのメンバーでギルドに行く事になった。
ギルドに着き、依頼ボードを見ていると、盗伐依頼があったので受ける事にした。
依頼書
項目 盗伐
内容 ゴブリンの掃討
王都の近くの森にゴブリンが巣を作ったとの報告あり
報酬 銀貨30枚
期間 なし
達成報告 ギルド受付まで
ランク D以上
依頼を受付に持っていき、冒険者登録証を提出した。
響子は、あれから依頼を少しずつこなしてDランクになっていた。
「はい、響子さんはDランクなので問題ありません」
響子は、依頼を受け、皆と王都近くの森にむかった。
森に入り、進んで行くと、響子のマップに魔物の反応があった。
「皆、魔物が現れたよ。数は7体。」
響子達は、フォーメーションを組んだ。
戦闘にシャドウ、リリ、中心に響子、後ろにナディアの順で警戒しながら進んだ。
反応があった魔物はオーガの集団だった。
オーガ達がこちらに気付く前にシャドウが飛び出し、先頭のオーガを瞬殺し、
狼狽えた所を、リリとナディアが襲い掛かった。
オーガは、攻撃をすることなく倒された。
「瞬殺だったね」
「シャドウ、前より早くなってない?」
「そうなのかな」
「多分、早くなっているよ」
「そうか、なら訓練のかいがあったのだな」
シャドウと話をしながらオーガの死体を無限収納に入れた。
オーガの死体を片付けた後、フォーメーションを組み直し、
先に進んだ。
さらに進んで行くと、魔獣の集団に遭遇した。
「ノシシです。数は20体程います。
食べると美味しいです」
「よし、狩ろう!」
響子は、魔法を放った。
「アイスエッヂ」
無数の刃がノシシに向かって行き、首を狩っていった。
数頭残ったノシシも、シャドウ、リリ、ナディアが倒した。
響子は、無限収納に入れてから、ゴブリンの巣を目指した。
山の中を進み、川辺に出ると、そこには地竜が休んでいた。
「響子様、地竜です」
「気付いてないみたいだけど」
「倒しておいた方が良いでしょう」
「ならば、私が行きます」
シャドウは、一気に間合いを詰め、一撃で致命傷を与え、
動きの鈍った所に魔法を放った。
「アイスランス」
氷の槍は、地竜の眉間から地面に向けて突き刺さり、完全に息の根を止めた。
シャドウが倒した地竜を収納し、先に進んだ。
山の崖まで行くと、ゴブリン達が屯しており、その先には洞窟があった。
「あそこがゴブリンの巣だね。どうする?」
「響子様、あの屯しているゴブリン達を先に倒しましょう」
「そうだね、なら、スピード重視で倒した方が良さそうだね」
「私が行きます」
「私も行きます」
シャドウとリリが先行を希望したので、響子はリリにアイテムを渡した。
「響子様、これは・・・」
「俊足のアンクルだよ。
これで、今以上に速くなるよ」
「有り難う御座います」
「頑張ってね」
「はい!」
リリは、アンクルを嵌め、シャドウとタイミングを計り、一斉に飛び出した。
ゴブリン達が気配を感じた時には、左右からリリとシャドウが襲い掛かり
洞窟前に屯していたゴブリン達を全滅させた。
その後、響子達は姿を現し、皆で洞窟に入って行った。
洞窟の中を進むと、ゴブリンの数が増え、通路を塞ぐほどになったが
シャドウとリリが先頭で切り刻んで道を作った。
さらに進むと通路は終わり、広場の様な場所に出た。
広場には、ホブゴブリン達と、ゴブリンライダー達が立ち塞がっていた。
「グギャァ」
ゴブリンライダー達が一斉に襲い掛かって来たが、シャドウとリリが次々に倒して回った。
2人がゴブリンライダーの相手をしていると
ホブゴブリン達は、正面の響子達を襲って来たので、響子が前に出ようとすると
後ろから、ナディアが出て来た。
「わらわの出番じゃ」
ナディアはホブゴブリン達に向かって魔法を唱えた。
「ホーリーキャノン」
光の弾丸がホブゴブリン達を捕らえ、次々に倒していった。
ホブゴブリン達が倒れた事を確認していると
シャドウとリリが、ゴブリンライダーを倒して戻って来た。
「先に進もうか」
そう言って響子達は、広場から先に進んだ。
不定期投稿ですが宜しくお願い致します。
暖かい目で見て頂ければ幸いです。