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決着

ブガート邸に到着した響子達は、門番を倒し、ドアを叩いた。

すると、執事が応対に出て来た。


「お待たせ致しました。どの様な用事でしょうか?」


「うん、誘拐と強奪の件で来ました」


「はい・・何かの間違いでは・・・」


「間違いないよ、ここに入って行く所も確認済だし、襲って来たのもここの兵だから」


「そうですか・・・暫くお待ちください」


そう言うと執事は、奥に入って行った。

執事が居なくなると兵士達が現れ、剣を構え襲って来た。


「また来た!」


「しつこいですね」


「私がやります!いくよ!

 アロマ、エイナ!」


「はい、姉さま」


チャム達は、兵士に向かって行き、次々と倒して行った。


「チャム達、強くなったね」


「まぁ、ドラゴンと対峙したり、ダンジョン攻略すれば強くなるよ・・・・」


「ですよね・・・」


響子と、リリ、シャドウが話をしていると、屋敷の奥から女性が出て来た。


「何事ですか!戦闘を中止してください!」


兵士は、戦闘を止め、膝をつき、頭を下げた。


「これは、どういう事ですか」


女性の問い掛けに兵士の1人が答えた。


「はい、この館に襲撃して来た不埒者を退治しようと・・・・」


「そうですか。

 では、聞きますが、貴方達は、どちら様ですか?」


「私は、響子。さっきも言ったけど、誘拐と強奪の件で来ました」


「誘拐と強奪?」


「そうです、私達を襲って来たの。

 だから、反撃にきました」


「証拠とかは・・・」


「勿論、あるよ」


響子は、無限牢獄から、1人の襲撃者を取り出し、目の前に座らせた。


「ひぃぃぃぃ!

 もう、勘弁してくれ・・・」


「さっきと同じ事を喋って!」


そう言うと、襲撃者は、女性の前ですべてを語った。

女性は内容を聞き、茫然とした。


「分かって貰えた?」


「はい・・・申し訳ございません」


「で、どうするの」


「少し・・・お待ちいただけませんか」


「わかった、ここで待てばいい?」


「いえ、我が家の応接室に案内いたします」


そう言うと、女性は、響子達を応接室に通してから

席を外した。


暫くすると、応接室に先程の女性と、若い男性と女性が入って来た。


「お待たせいたしました。

 改めて自己紹介を・・・私は、ブガート アスタの妻、シルベスタ アスタです。

 それから息子のサント アスタと、娘のニーナ アスタです。

 この度は、当主が大変ご迷惑をお掛けしました」


「うん、迷惑掛けられました」


「響子様・・・・」


「それで、これから当主に会って頂きますが

 宜しいですか」


「それは、勿論だよ。

 その後は自由にしていいの」


「それは・・・」


「駄目なの?」


「申し訳ございません。

 出来ましたら、今後の対応は私にお任せ頂けませんか」


「何故?

 被害に遭った私達は何もできないの?」


「いえ、それなりの賠償金も支払いますし、必ず罪を償わせますので

 命だけは、勘弁して貰えませんか?」


「わかった。

 貴方の対応を見てから決めます」


「有り難うございます。

 では、参りましょう」


響子達は、シルベスタに付いて行くと

そこは、地下牢で、その中にはブガートが座っていた。


「シルベスタ、どういう事だ!

 領主であるこの私に、このような事をして良いと思っているのか」


「あなたは、もう領主ではありません。

 それから、あなたの貴族の地位の剥奪を伝えます」


「な、何を言っているのだ・・・・」


「貴方の様な男はアスタ家には、要りません。

 貴方を我がアスタ家の養子に迎え、私の旦那でしたが

 それも今日までです。

 アスタ家の名を地に落とす様な者は、必要ありません。

 今後は、息子のサントに領主の地位と爵位を継がせます」


「わ、私はどうしたら・・・」


「この街を追放します。

 勿論、荷物も金銭もありません。

 これからは、平民として生きて下さい」


「す、すまん。勘弁して貰えないか。

 私は、ギルドマスターのデオンに騙されただけなんだ!

 頼む、頼む。お願いだぁぁ!」


泣き叫ぶブガートを放置し、シルベスタは話を続けた。


「勿論、デオンも裁きます。

 でも、その前にブガート、貴方を追放します。

 今後、アスタを名乗る事は許されませんから、覚えておいて下さい」


シルベスタは、執事を呼び、全ての事を改めて聞き、下僕のトスマも解雇した。


「響子様、この度の事、本当に申し訳ありません。

 これから、ギルドマスターのデオンを捕らえますので

 今回の事については、もう少しお時間を貰えると有難いのですが」


「分かったよ。

 今日はもう遅いから、明日また来ます」


「有り難うございます」


響子達は、今回の件をシルベスタに任せて宿に戻った。

翌日、響子達は、シルベスタに会いに行った。

アスタ邸の前で、門番に伝え、シルベスタに取り次いで貰った。


「お待たせ致しました。こちらへ」


執事の案内で、昨日と同じ応接室に通されて

待っていると、シルベスタが入って来た。


「お待たせ致しました」


「いえ、あれからどうなりましたか?」


「はい、ギルドでデオンを捕らえました。

 余罪があるかもしれないので、今は尋問中です」


「ブガートは?」


「昨日の内にこの街を追放しました。

 後、これをどうぞ」


シルベスタはそう言うと、金貨の入った袋をテーブルの上に置いた。


「これは?」


「今回の賠償金です。

 受け取って頂きたいのですが」


「分かりました。

 なら、遠慮なく頂きます」


「これから、響子様達は、どうなさるのですか?」


「う~ん、考えてないけど、取り敢えずはゆっくりするかな。

 追われたりしていて市場とかギルドとかあんまり見ていないから」


「そうですか。

 もし、お力になれそうな事があればいつでも頼って下さいね」


「有り難うございます」


響子達は、礼を言い、アスタ邸を後にした。

アスタ邸を出て宿に向かって歩いていると、正面に男達が道を防いで来た。


「デオンさんが捕まったのはあんたらのせいだろ!」


「人違いです・・・」


「響子様・・・」


「しっ!」


「おい!間違いなはずがあるか!」


「いえ、人違いです」


「馬鹿にするな!貴様らの仕業ってことは分かっているんだよ!」


「そうなんだ・・・・で、どうするの?」


「決まっているだろ!仕返しだよ!」


そう言って、男達は襲って来たが、横からアロマとエイナが割り込んできて

男達を倒してしまった。


「あらっ・・・」


「師匠、どうですか」


「うん・・・まあ、いいだろう」


「有り難うございます!」


師匠に褒められ2人は喜んだ。

響子達は、倒された男達を無限牢獄に放り込んでから宿に戻った。

食事の最中に、響子は皆に明日から3日間を休みにする事を伝えた。



評価及びブックマーク登録有難う御座います。

不定期投稿ですが宜しくお願い致します。

暖かい目で見て頂ければ幸いです。

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