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陰謀

響子達は、王都ドランに到着し、商人と別れてからギルドに向かった。

ギルドに到着し、響子は、受付で山賊の村の事と捕まっていた人達の事を話した。


「そうなんですか・・・」


「はい、それで、その人達と山賊のリーダーを引き取って欲しいのですけど」


「それは、勿論です」


「有り難う御座います。それから、これが依頼達成の証明書です」


「分かりました。依頼達成の代金と山賊盗伐の報奨金をお渡ししますね」


響子は、お金を受け取り、受付を離れ、買取カウンターに行き、

貯めていた魔獣や必要の無い盗賊のお宝を売った。

その商品の多さや魔獣を見て買取カウンターの職員はギルドマスターを呼んだ。

暫くすると、ギルドマスターが来た。


「待たせてすまんな、俺はギルドマスターのデオンだ。

 中々変わった商品を持っていると聞いてな、少し奥で話を聞かせて貰えないか」


「はい、構いませんよ」


響子は、他の皆に待っていてもらい、ギルドマスターと一緒に、応接間に入って行った。


「まあ、座ってくれ」


響子が座ると、受付の職員が飲み物を持ってきてくれた。

テーブルの上に、飲み物を置くとギルドマスターが話し始めた。


「君の持って来た商品は、いったい何処で手に入れたんだ」


「はい、冒険者として依頼をこなしている最中に倒した魔獣や魔物と

 山賊盗伐で得た物ですよ」


「そうか、それにしても色々あると思ってな」


「ああ、ダンジョンで手に入れた物もありますよ」


「ふむ、そうか、ならば君はこの他にも、変わった物を持っているのだろう」


「はい、売りませんけどね」


「だろうな。でも、見せる事ぐらいは出来るだろ」


「出来ますけど、売りませんよ」


「分かっている」


響子は、無限収納から賢者の指輪を見せた。


「こ、これは・・・・」


「賢者の指輪です。魔力の大幅の増大とMPの自動回復機能が付いています」


「凄いな。これは本当に売らないのか」


「はい、売りませんよ」


「しかし、君の様なランクの低い冒険者が持つような物ではないと思うがな」


「えっ、どういう意味ですか?」


「分相応の物を持つ方が、君の為になると言っているんだ」


響子は、賢者の指輪を見せてから、

ギルドマスターの態度が一変したことが気になった。


「あの、帰っていい?」


「話の途中だ!」


響子は、初めは丁寧に対応していたが、ギルドマスターが、段々脅迫のような対応になったので

面倒くさくなり、適当に相手をした。


「私は、売らないと言ったけど」


「それで本当に後悔しないのか」


「しませんよ」


「わかった・・・・・まぁ、本当に後悔しないようにな」


「はい、問題ないよ、じゃあね」


響子が、応接室から出て行くと、ギルドマスターは舌打ちをした。


「あの女、調子に乗りやがって。

 必ず後悔させてやる。ついでにあの指輪を奪ってやる」


響子は、皆の所に戻り、ギルドから出て行った。

ギルドマスターは、響子達の後を知り合いの冒険者達に尾行させ、

人気のない所で襲う計画を立てた。


「今回の相手は女ばかりだ。囲んでしまえばこっちの物だ」


「女も貰っていいのか」


「まぁ、指輪の回収さえすれば後は好きにしてもいいらしいぞ」


「分かったぜ」


響子達が、宿を探して歩いていると1人の男が声を掛けて来た。


「姉さん達は、見ない顔だな、何か探しているのか」


「うん、宿を探しているよ」


「そうか、なら、案内してやるぜ」


響子は、怪しいと思ったが、ギルドマスターとのやり取りで

鬱憤が溜まっていたのでついて行った。


「こっちだ」


響子達が、ついて行くと、人通りの多い道から外れ、広い空き地に着いた。


「ここ、空き地だけど・・・・」


男が、ニヤリと笑うと周りから男達が現れた。


「姉ちゃん、悪い事は言わねえ、持ち物を全部置いて行きな」


響子達は、戦闘態勢をとりながら言った。


「嫌に決まっているでしょ」


「俺達が、優しくしているうちに言う事を聞いた方が身の為だぜ」


「馬鹿なの?」


「てめえ、なめやがって!

 少し痛い目に遭って貰うぜ!」


男達は剣を抜いて、一斉に掛かって来た。

響子は、鬱憤晴らしが出来ると喜んで倒しに行った。


「皆、遠慮なく行きましょう!」


「はーい」


(ドカッ!バキッ!ボコッ!)

男達は、為す術もなく倒された。

響子は、男達を無限牢獄に入れて行き、最後の1人に尋問を行った。


「誰の差し金ですか?」


「・・・・・」


「自白しないと2度と生きては帰れませんよ」


「わ、わかった。言うから、見逃してくれ」


「取り敢えず、話してください」


「ぎ、ギルドマスターから、指輪を奪って来いと言われたんだ」


「そうですか。

 なら、貴方も、この中で反省してください」


「い、嫌だ!助けてくれ!」


響子は、遠慮なく、無限牢獄に放り込んだ。


その後、宿を見つけ泊まった。



その頃、ギルドマスターは、頼んだはずの冒険者達から連絡の無い事を不信に思い、

他の者達に探しに行かせたが、死体も何も無かったと報告を受けた。

ギルドマスターは、次の手を思い付き、実行に移した。

ギルドマスターは、知り合いの貴族のブガートを訪ね、響子達の誘拐を頼んだ。


「ブガート様、どうかお力を貸して頂けませんか」


「デオン殿、ギルドマスターの貴殿が頼みに来るなど

 珍しい事もあるのだな。

 いつもなら、子飼いの冒険者で片付けるのに・・・」


ギルドマスターは、冒険者達が、行方不明である事を隠した。


「はい、実は他の事をやらせておりまして手が足りないのです」


「ほう、良い稼ぎになるなら私も1枚かませて欲しい物だな」


「いえいえ、ブガート様に手を貸して頂くこちらの方が

 金になると思いましたので、こちらの件をお願いしたいのです」


「そんなに金になるのか」


「はい、その冒険者達は、女ばかり7人のグループで

 見た目も良いのですが、持ち物も珍しい物ばかりなので

 捕らえれば、すべて金になると思います」


「そうか、女も良い女なのだな」


「はい、間違い御座いません」


「貴様を信じて受けようではないか。

 それで、取り分はどうする?」


「持ち物を確認した後で分けるという事で如何でしょうか」


「そうだな。私もそれで良い。

 後、ここに連れて来る時は、妻や子供達に見つからぬ様にな」


「それは心得ております」


「わかった、後は任せておけ」


「はい、宜しくお願いします」


ギルドマスターが帰った後、ブガートは執事を呼んだ。


「セントはいるか」


「はい、旦那様、御用でしょうか」


「ああ、デオンがなにやら困っているようなので、手伝う事にした。

 それで、金で動く者を多く集めてくれ。

 集まったら、7人組の女ばかりの冒険者を捕まえて来い。

 暴れる様なら、痛めつけても良いし、最悪、死んでも問題ないそうだ」


「畏まりました。早急に手配致します」


「頼む」


執事のセントは、話が済むと部屋を出て、下僕のトスマの元に向かった。

トスマを見つけると執事のセントは、ブガートから聞いた事を伝え、

人を集めるように命令をした。


「いいな、出来るだけ多くの人数を集めるのだぞ」


「はい、お任せください」


トスマは、返事をすると、足早に去り、命令をこなす為に動いた。




不定期投稿ですが宜しくお願い致します。

暖かい目で見て頂ければ幸いです。

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