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番外編5 思い出も証拠品も東京湾に沈めてやる!

「オレンジの空! 黒い海! あぁぁ、海だわぁ!」


 暮れなずむ砂浜に、水着姿の先輩のハイテンションな声が轟いた。


「ってもう夕方!? ボクが言うのも難ですけどサービスカットとかは無しですか!?」


「こ、後輩くんの変態っ! えっち〜〜〜〜!!」


 先輩の絶叫がビーチに木霊した。叫びながら先輩はどんどん遠くに離れていく。そして、途中で見事にずっこけて、砂浜に顔面からダイブした。物凄く痛そうだ。


「……確かに、さっきのセリフは変態的でしたけど、その、やっぱり、海に着たんですから……そういうのも必要かな、と」


 言い訳気味にボクは、パラソルの下で黄昏れる二人の先輩方を見やった。

 ジェシカ先輩と空葉先輩は、夕日を眺めて、もう先輩とボクの存在なんて完全無視していた。


「変態だな」


「変態ですわね」


 ……目はボクの方を向いていないが、明らかにボクへの言葉であった。なんだろう。アウェーの洗礼、再び?

 まぁいいけど、そろそろ先輩を引き抜かないと、砂浜で窒息死する。窒息死させるなら、せめて海の中にしてあげないとな。

 ボクはまだ夕日を仰ぐお二人を放置して、先輩の元へと走った。



 今更ながら、今の状況を説明したいと思う。著者は、うみ○こEP5やるのぉ! と駄々を捏ねているので、簡単に終わらせないと。本当に困ったものだ。今年はコミケに行かなかったようだが、ちゃっかりネットで注文していたのだ。

 おっと、著者近況なんてどうでもいいのだ。何故、ボクたちは、今、海に居るのか。


 それはある日、突然に先輩が、もう瞳を爛々に輝かせて、


「海に行くわよぉぉぉ!」


 と勢いよく部室に入ってきたのが始まりだった。


「海ですか?」


 僕が尋ね返すと、先輩は走って来たせいで乱れた呼吸を少々落ち着けてから、


「そうよ! もう伏線張ってあったから、準備はできてるわよね? よって、明日には出発よっ!!」


 という感じに、ぽんぽんと話は決定された。伏線の存在を忘れていたボクは、大忙しだった。


 そして今、ボクたちはジェシカ先輩が保有する南の島に来ている。そう、島だ。金持ちかな? とは思っていたが、まさか漫画のお嬢様みたく島を持っているとは思わなかった。

 青い海、輝く砂浜、といった感じだったのだが、どうしてか、もう夕暮れ時である。気にしたらもう負けかな、と思い始めた。

 何はともあれ、海に来たのだ。細かい事を色々と無視して。



 先輩を回収しボクたちは、ジェシカ先輩の別荘へと戻った。

 水着から着替えてから、広間のような部屋に集まる事になった。

 荷物を置いてすぐに海へと移動したので、部屋割りを決めることになったのだが、男二人に女二人のメンバーなら、必然的に、


「ワタクシと翔さん、そして咲彩と圭太さん。これで部屋割りはOKですわね」


「そうなりますよね……ってジェシカ先輩! 何を言ってるんですか!?」


 ボクは日頃先輩に(嫌々)鍛えてもらっているツッコミを炸裂させた。


「ジェシカさんの言うとお――」


「空葉先輩も乗らないで下さいっ!」


 海に来て確信したのだが、空葉先輩はやっぱり変態だ! ああ、もう完全に変態だ。昼間の話だが、海ではしゃぐ先輩とジェシカ先輩を見て、


「水着いいですよねぇ。やっぱり、一番はスク水かな……あ、でもお二人のビキニも胸がリズミカルに――」


 とかいう発言していたのだから。あれは、演技ではなかった。男同士のテレパシー的なもので、それを理解した。


「そうよ! どうするの、こ、後輩くんが夜這いなんてかけてきたらっ!」


 先輩がボクをケダモノを見る目で見てきた。唇に指を当てて怯えているのが、小動物を連想させる。というか、先輩の中でのボクってどんな奴なんですか?


「大丈夫、咲彩! 圭太さんがそうする前に、ワタクシが咲彩に夜這いを掛けるから!」


「えぇぇ!? ジェシカ、あなたもわたしの敵!?」


 ジェシカ先輩の指が、卑猥なわきわきと動きを繰り出し、先輩に接近する。その危険人物の接近を察知した先輩は、部室でよく使っている瞬間移動で、距離をとった。

 そのまま先輩とジェシカ先輩は追いかけっこを始めてしまった。お二人がそういうキャラなのはもうわかっている事だから別に驚きはないのだが、追いかけっこができる部屋っていうのも随分と凄いな、と改めて感動するばかりだ。


「賑やかだね」


 はしゃぐ同級生の二人を保護者的な雰囲気を醸し出して、空葉先輩は見守っていた。


「……空葉先輩、どれが本当の空葉先輩の姿なんですか?」


 ボクがそう訊くと、空葉先輩はうれいを帯びた瞳でボクを見下ろした。


「あえて言うなら、全部、僕だよ。それは悪く解釈すると、自分が定まっていない、という事になる。さて、津古溝くんはどれが本当だと思います?」


「本当に全部かもしれませんね。それは、定まっていない、というのではなく、ただ強調される一面がその時によって違うだけだと思いますよ」


 ボクの回答に空葉先輩は寂しげに微笑んだ。


「面白い答えです」


 それっきり空葉先輩は難しい顔をして黙り込んでしまったので、ボクはまだ元気にはしゃぐジェシカ先輩と先輩の方を見た。

 まだ先輩が逃走する側だった。


「ジェシカァァっ! その手は下ろしなさい! 変態的よ!」


「あら? いいじゃない、ワタクシのテクニックで快楽に溺れさせてあげましてよっ!」


「いやよ! わたしはまだ大人だけど、子どもで、大人……あれ? あれ? ってもういいわ! ジェシカ、このわたしの武器の前に平伏すがいい!」


「なっ!? エスカ○ボルグ!?」


「ふっふっふっふっふ……。何度も撲殺し、狂気へと誘ってしんぜよう!」


「咲彩、あなたがそれを使うというのなら、ワタクシは、これを使いましてよ!」


「なっ!? ジェシカ……それは」


「レスト○ーション! ふふっ、グレ○ダンでは、天剣○受者まで登りつめたワタクシを止められましてっ!」


 ……天使VS武芸者という物凄いバトルを展開していた。

 あれ? なんだか頭痛がする。きっと精神的なものだろう。

 騒がしいバトルを終えて、そしてお風呂でドッキリ、という定番イベントや、酒を飲んでのハイテンションな食事などのお約束は無く、ボクたちはそれぞれの部屋へと散った。


 部屋割りはもちろん、男二人、女二人に分かれました。

 本望です。後悔など微塵もありません。

遅くなりましたぁ。

ストーリーを考えるのは苦手です。それに、本当に夏休みなのに忙しくて忙しくて、物凄くしんどいです。

ちょっと文章の感じが変わり始めていますよね。前のを読み直して、ブレを抑えないと不味いです。


さて、この番外編、ちょこっと長いです。

なので、まだ続きますよ。


うみねこに熱中する今日この頃。

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