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66話 私はミニスカメイドは認めない! ロングスカート万歳!

「そういえば、この前の第二期の話で思い出したんだけどさ」


 朝、起きると先輩からのメールが入っていた。日曜日だというのに何のようだろうか、と思ったら、案の定、部活へのご招待。という訳で、今日も頑張って登校した。

 何故か学校の施錠はされておらず、自由に出入りできた。なんと無用心だろうか……。

 何はともあれ、ボクは部室へと辿り着き、先輩の相手をいつものようにすることとなったのである。


「またハ○ヒネタですか? ガン○ムネタの次に多いですよ」


 いつもと同じ席についたボクと先輩は、いつもと同じようにくだらない話を始める。


「大丈夫、ハル○ちゃんネタだからっ!」


「四コマのやつですか……。それが、どうしたんですか?」


 ボクが訊くと、先輩は破顔し答えた。


「あのね、○さんがカッコイイのよっ!」


「…………あの、伏字で完全に隠れているんですけど」


「大丈夫よ、原作を知っていてハ○ヒちゃんを読んでいる人なら、余裕でわかるわ」


「いえ、でも、なんとか説明しましょうよ。読者が付いて来れないです」


「え? 後輩くん、読者なんて遥か一億光年先に置いてけぼりよ?」


 有り得る、というのが恐いところだ。何人かの方からネタがわからない、という指摘を受けているというのに、著者はまつで懲りてない。やれやれだ。

 先輩もそれを理解しているのだろう。まぁ変える気は無いようだが……。


「そうですけど、やっぱりわかりやすく説明しましょう。嫌なら端的でいいですから」


「えぇ〜、後輩くん、わがままね。でも、後輩らしくてなんだか和むわ」


 ふにぃ、と表情を緩ませて理想の後輩像に酔いしれる先輩。やっぱり、先輩は先輩だなぁ、としみじみ思う。

 と、現実逃避とも呼べる先輩の行動にボクはハリセン(部室に何故か転がっていた)で頭を叩く事で制止をかけた。


「いたーいぃ! ……あぅぅ」


 ツッコミの必需品は恐ろしい威力を持っているようだ。あの先輩が、頭をさすって痛がってる……。恐ろしい。それに、なんで落ちていたんだ?

 ハリセンを確認すると、ジェシカ先輩の名前が書いてあった。

 ジェシカ先輩、一体、何に使うつもりだったんですか? というか、名前を何故書いたんですか?

 様々な謎が浮かび上がるが、スルーという方向で脳内会議は帰結した。


「後輩くん……ナイスね! まさか、ハリセンを使うとは……成長したわ」


 涙目ながら、先輩はボクに親指を立てた右手を差し出した。

 それを見て、ボクはなんとも複雑な気分がした。


「まあ、そんな後輩くんに免じて、○さんが誰なのかを説明してあげる。聞きなさい、老若男女なお客様方、この偉大なる堂本咲彩のありがたい言葉をっ!」


 先輩は椅子の上へと立ち上がり、異次元(現実世界)に向けて叫びを上げる。全く、読者に対して大きく出たものだ、とある意味関心してしまう。まぁそれ以上に、読者離れしてしまわないか、という不安のが大きいのだが……。

 ボクの心配を限りなく無視し、先輩は蛍光灯の光を瞳へと宿し、汗ばんだ右手を天井へと突き上げた。


「○さん、それは例のメイドよっ!」


 …………本当に端的な説明であった。とても、わかり易い説明であった。


「流石です先輩、でも出来ればもう少し説明が欲しい所です」


「後輩くんもそう思うっ! そうよね、やっぱりメイドがなんたるかについて語らないとねっ!」


「いえ、違いま――」


 止めようとしたが、無常にも、ボクの声はハイテンションな先輩には届かなかった。


「まず始めに、現代人はメイドを大きく勘違いしているわっ! 現代人が知っているメイドは、サブカルチャー、つまりはオタク文化におけるメイドをいう狭義な意味でしかないのよ。それですべてを知っている、という考えを持つ人が居るなら、即刻、わたしの元にいらっしゃい! それはもう奔流の如くメイド知識をそのしわの少ない脳味噌にギッシリ、ガッシリ詰め込んで、シュパッとズシャッと深く刻み込んであげるわっ!

 後ね、メイドは自分(主)に逆らわない従順な人種、という考えを持って、よ、邪な思考で脳内を一杯にしている奴もわたしの元に即刻いらっしゃいっ! 憲法やらルールやら常識を叩き込んであげるわ!

 さて、前置きは以上にしておいて、それじゃあ、語るわよっ!」


 あ、あれ? 聞き流していたけど、これからが本編?

 面倒だな。タイミングを見計らって帰宅しよう。今の先輩ならばれずになんとかなるかもしれない。


「確かに古代ローマでは、家庭内労働、メイドのような身の回りの世話をするのは『奴隷』の仕事だったわ。だからって現代ですべて思うままに出来る、なんて考えを持ってちゃダメ! 確かに、オタク文化においては、そういうもの、として描かれる作品が多いのが残念なところだけど……まぁ、実際に描いている人は理解していると思うわ。小説にしろゲームにしろ、そういう作品に出る事に関しては調べるものだからね。つまり! 勘違いするのは、一般ピーポーよっ! ゲーム、漫画や小説などで触れるだけで、それを現実として認識し、そういうものだと解釈する。それが一番ダメね! 鵜呑みにせず、自分でちゃんと調べなさいっ!

 ってまた話が逸れたわ。メイドに関してだけど、メイド喫茶なんていうものが出てきたから、もう色々とダメな方向に拍車を掛けられてしまったわ。メイドはウェイトレスじゃない! 更には、あんな機能性のへったくれも無いメイド服っ! メイド服――エプロンドレスがなんであるかって、それは見て楽しむためじゃないのよっ! ちゃんと機能があって着るものなの! でも、あんなフリルが大量だったり、短いスカート、もう何に役に立つの! って話でしょう? まあ、残念ながら、ウェイトレスというので見た目で人を寄せる喫茶店はたくさんあるわ。それこそ、メイド喫茶なんていうものが出来る前から、エプロンドレスのような制服の店があったのよ……。ようは、オタク文化がすべてを歪めた、という事では無いの。ああいう服が、日本人、もしくは人間が好きだったって訳ね。

 さて、続けて語るけど、そもそもどうしてメイド、というものが日本に広まったのか、それはね、あるアダルトゲームが――」


 ボクは音も無く、部室を後にした。もう少し遅ければ、ボクはパニックに陥り精神崩壊を起こしていただろう……。

咲彩が壊れた? 違います、彼女はあれが正常です。

圭太も色々と苦労しているんです……。(最近は咲彩に対する反抗が増えてますけどね……)

何はともあれ、そろそろ番外編を入れないと……。


やっぱり夜は涼しいですね。夏休みの恩恵で完全に夜型人間になりつつあります。

いや、ダメな方向に走ってますね……。


ひぐらしの鳴き声が聞こえたら作業開始!(涼しさ的な意味で)な今日この頃。

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