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5話 つみとばちゅ

「サブタイトルが馬鹿にしている様な気がするのは、ボクの気のせいではないですよね?」


「もちろんっ!」


 今日は今日とて、漫才部は活動中。

 ボクと先輩はパイプ椅子に腰掛けて、駄弁っています。


「いいんですか? このままだと読者離れも深刻化しますよ?」


「いいんじゃないかしら。元々誰も読んでくれていないだし…………ぶつぶつ」


 先輩は結構気にしているようです。どうか皆さん、読んでやって下さい。じゃないと、溜まりに溜まった鬱憤をボクで晴らそうとします。


「では、面白い話を繰り広げればいいと思いますよ。ここって一応は漫才部ですから」


「それはそうなんだけど……。ネタが切れたのよ」


 自身の茶色の長い髪をテーブルの上に乗せ、幼児みたく遊びだしてしまった。これは、拗ねているのかな? というより、ショックで幼児化?


「ネタ切れるの早過ぎですよ。計画性の無さが窺えますね」


「ぶぅ〜後輩くん酷いんだ、酷いんだ〜」


「そう言われましても……。じゃあ先輩のオタク知識を曝け出してみればいいじゃないですか」


「そんな事して取り返しのつかない事になったらどうするのよ?」


「著者が責任を取ってくれるんじゃないですか?」


 ボクの投げやりな言葉に、先輩は瞳を輝かせる。ちょっと……恐い。


「それもそうねっ!! わたしの責任じゃないわ! じゃあバシバシ語りましょう!」


「どうぞ〜」


 やる気の無い声援(?)を受けて、先輩はパイプ椅子の上に立ち上がった。やはり、というか未知の力が働き、スカートの中は見えない。


「まず言うわっ! アニメ版のひぐ○しで満足している貴方!! ダメよ、原作をやらないと本当の面白さなんてわかったもんじゃないわっ! 同人だからって拒否してちゃダメよ? 別にエロとかじゃないから。同人=エロの方程式は成り立たないわ。同人=夢の欠片のが正しいの」


 不味い……作品の趣旨が変わってる。って今更ボクも気付いた。

 そうか…………これを止めるのがボクの宿命、そして…ツッコミという役職の運命さだめ

 今……すべてを悟った。


「皆はレ○が好きで、『嘘だっ!!』とか叫びまくるけど、鬼隠しだけやって満足してちゃダメなのっ! 罪滅しはかならずやりなさいっ! 感動で身震いするわ。レ○の可愛さと格好良さが、あひょひょって感じよっ!!」


「先輩っ!!!!」


「な……どうしたの、突然叫びを上げて? これからがいい所なのに……」


「このまま先輩に語らせたら、ただのひぐ○しの評論になってしまいます! だから、戦うんですボクは……」


 ボクの内側から溢れ出す闘志に、先輩が後ずさった。


「なんのために……?」


 荒野(部室)に風が吹く。

 勝負は一発……そう、一発で決まるのだ。

 ボクは作品を捻じ曲げる事を提案してしまった罪がある。だから、きっとこれは罰なんだ。


 大好きな先輩の命を絶ってでも、ボクは、この作品を守るっ!!


「この作品のために……そして、続きを待つ読者のためにっ!!」


「そんな人、居ないじゃないのっ!!!!」


「ぐあぁぁぁぁっ!!」


 負けた。完全敗北だ。正論であり、真理であるその先輩の言葉は余りにも……リアルだった。

 というか、ツッコミとボケが逆になってる……。

 まぁいいか……そんな日もあるさ。

ひぐ○し大好きですよ。はい。

もちろん原作は全部やりましたよ。アニメも、小説も、ゲームも漫画もコンプしてます。

あーでも、実写版の映画は見る気ありません。ファン的に見たら負けの様な気がします。

(ああ…そうか、お金がないのはこの所為か…)

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