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38話 その一本の棒は歴史を変えた……かな?

「あ〜ここら辺に駄菓子屋さんってないのかしら?」


「そういえば、無いですね。やはり、時代の流れっていうやつでしょうかね」


 そんな感じに、今日のツッコミ練習は始まった。

 最近は先輩を苛め過ぎていた(まだまだ足りない気もするが……)と思うので、今日は素直にツッコミを入れたり、話をしようと思った。


「ん〜〜うま○棒が食べたい。ああ、食べたいよぉ〜」


「う○か棒ですか?」


「違うわよ! それはアイス、わたしが食べたいのは、庶民に優しいお値段のう○い棒よっ!!」


 どうしてまたそこで胸を張るのかが理解できないが、そもそも先輩の思考回路などを凡人たるボクが把握するなど余りにもおごましい。正直に言うと、無意味だし面倒だ。

 それにしても、伏字の意味が無いような気がするのは、気のせいではないはず。


「それで、○まい棒でしたら、スーパーにでも置いてあると思いますけど?」


「違うのよ後輩くん。わたしは、駄菓子屋のう○い棒が食べたいのぉ」


 可愛らしく唇を尖らせる先輩の漆黒の瞳が、果てしない宇宙へと夢馳せる少年の輝きを体現する。何をそこまでう○い棒に思いを抱くのは謎だが、まぁそれは置いておこう。


「まさか、駄菓子屋探しでもやろう、と言うのではないですよね?」


 ボクの言葉を受け、先輩が手を打った。


「ナイスアイデアね! 流石はわたしの後輩くん」


 『わたしの』という部分を強調されたのがなんとも複雑だが、一応は褒め言葉として受け取っておく…………ってミスッた!! ボクが助言してしまったようなものではないか!

 あぁぁぁ、と呻きながら頭を抱えた。


「ん? どうしたの、そんなに呻いて? あ! わたしとお出掛けが出来るのがそんなに嬉しいのね!」


「……いえ、それは断じてありえません。この世に絶対が無い! と誰かが叫んでも、これだけは例外です。はい」


「後輩くんって……最近、わたしを拒否してないかしら」


「いえ、そういうつもりは……」


「あ、あれね! 興味が無い振りをして、相手を不安になせ、泣き付いてきたところで、『ふっ……心配はいらないよ、ボクにはきみしかいらないから』って言うのね!」


「どこのラブロマンスですか……。ボクはそんな事はしませんよ」


「え〜っと、じゃあ、『きみには、ボクではなくて、本当に愛すべき人がいるだろう』って諭すのね!」


「いえ、ボクはそんな人生の先輩でもないですし、キザ野郎でもないです」


「ん……そうなると、『ボクではきみを守れない!』とか言っちゃうイタイキャラね!」


「え!? なんでセリフはまともっぽいのに、先輩の解説が酷いですよ!!」


「あ、あぁぁぁ! 流石は後輩くん……。ずばり、という感じに見事なツッコミポイントを掴んでのツッコミね!! 久し振りに本当に素晴らしいわ」


 先輩がパチパチパチ〜と拍手をしてくれた。なんだろう、自然とツッコミを入れてしまったが、あれでよかったようだ。

 少しだけ、心が温かになるのを感じた。

 満足そうに微笑んでうんうん、と頷きを繰り返す先輩。


 ボクは……もしかして、居場所を手にしてしまっているのではないか?


 不意に罪悪感が襲う。

 二人を傷つけて、もう幸せなど、笑顔など、喜びなど、そんなものを求めないと誓ったはずなのに……ボクは。


「どうしたの後輩くん? なんだか元気が無いみたいだけど……。大丈夫?」


 テーブルの向こうから、先輩が、茶色髪を不安げに揺らしながら尋ねてくる。


「い、いえ、なんでもないです」


 ボクは平静を装い、答えた。


「そう、ならいいわ」


 先輩はまた満開に笑顔を咲かせて、ふふ〜ん、と鼻歌でリズムを取りながら、メモ帳にせっせと何かを書き始めた。

 顔を上げずに、ノートへと目を向けたまま先輩がボクへと言った。


「明日の日曜日は、一緒に駄菓子屋めぐりよっ! というより、探すわよ!!」


 つまりは、いまノートに書いているのは明日の行動表とかそういうものだろうか。

 苦笑、いや、既に嘆息だろう。ボクは深く息をついた。


「先輩、いいんですか、ボクと二人っきりで」


「ふふっ! そこは抜かりは無いわ! ジェシカにも付いてきてもらうから!」


「あ、ああ、そうですか。確かに、しっかり者のジェシカ先輩が居れば安心ですね」


「ええ! ダメダメな後輩くんと違ってとても頼りになるわ」


 もうなんだかダメダメって言われるのには慣れた気がする。別にMで、貶されるのが気持ちいい訳ではないです。

 シャーペンではなく何故か鉛筆を使う先輩をぼぉーっと眺めながら、ポツリと呟く。


「先輩は、う○い棒の中で、どの味が一番好きですか?」


「そうねぇ……」


 とどうやらボクの存在を忘れていなかったらしく、思案顔へと変わり、「やっぱりぃ……」と真剣に考え始める。


「そんな真面目に考えなくても……」


 半分呆れつつもそう言うと、先輩は軽く怒った顔でボクの発言を非難する。


「ダメよ後輩くん! あのずっと10円の品は、涙ぐむ企業努力の結晶なのだから……。真剣に考えてあげるのが礼儀ってものでしょう?」


「そ、そうです……ね」


 確かにそうかもしれないが、どうにもな……やっぱりお菓子だし。

 既に鉛筆を動かす手は止まっている。


「ん〜やっぱり、定番のたこ焼き味ね! ちなみに、一番コストがかかるらしいわ!」


「それはまた冷徹な決断ですね」


「だって、好きなものを偽るのはいけないと思うの……」


 先輩はどこか寂しげに、窓の外に広がる外を見やる。数秒そうしてから、また笑顔に戻り、う○い棒トークを上機嫌に始めた。


「他の好きな味わね、ハニーう○い棒 蒲焼き味!」


「なんですか……その、珍妙な味は」


「静岡県限定よっ!!」


「ええ、ずっと限定のままで居続けてください。ボクは、それを心から願います」


「何気に酷いわね後輩くん。えっと、では次は、ココア味ね」


「あれって、なんだかもう、○まい棒とは違う気がしますね」


「実はわたしも少しするわ……」


 なんとなく、ボクと先輩は凹んだ。


「さ! 気を取り直して、今度はあのキャラについて触れてみましょう! パッケージに描かれているあの子、実は正式名は発表されていないわ。だから、愛称で好きで呼べばいいみたいなの。

 ちなみに、『1978年9月13日生まれ、乙女座のA型で、遠い宇宙のとある星からやってきた異星人とされている』らしいわ! もちろん、Wik○pedia参照なのは、秘密よ!」


「言っちゃてるじゃないですか……」


「わたしは読者を信じるわ」


「…………(どうしてこういう時だけ、無駄に格好良さ気なセリフを言うのだろう?)」


「後輩くんの視線が微妙に気になるけど、とりあえず! あのキャラをドラえ○んに似てるとか言ってはいけないのは暗黙の了解よ! そして、お姉さんとの約束!」


 あんな人として終わってる先輩が、自分で自分の事をお姉さんと言うのはなんだか見上げた自尊心だ。他に言うなら、手遅れ。


「えっと、あれが締め、ですか?」


「そうよ! それじゃあ、また来週!」


 あれ? なんだか、週間でやっているアニメのような……。

 まぁいいか来週まで休める……って明日がその来週じゃないか。それに、本当に駄菓子屋探しに行くのだろうか?


 今日は、よく眠れなさそうだ……あは、あはは。

う○い棒で、一話を語り切った。しかも、次の話の伏線を仕込んだ! 伏線ではなく、正確には方向性ですがね……。


えっと、寝ていたのですが、なんだか目覚めてしまい、○まい棒がたまらなく恋しくなって書きました。


さて、ここでなんとなくあとがきっぽく作品に関する話。

まだ未定ですけど、この作品を長く続けるのもいいのですが、どうにも形的に、本編では部室から(廊下には多少でるけど)出ないという条件で書いてます。

そこで、世界が広がらない……。その解決策に番外編にて外に出た話やら、他視点による話は書きますけど、やはり無理がある。それにより、展開がどうしても狭くなってしまいます。


よって、すぐに終わす気はありませんが、この作品はそこまで長くせず、次回作にて広げた話を書こうかな、と……。

もちろん、ギャグしか書けないので、コメディでドンチャン騒ぎをやる話になると思います。(というかなります)


まだ、未定ですけどね。


そこで、読者様からご意見などをもらえると大変ありがたいのですが……ご助力願えないでしょうか?

感想などで送ってくださると大変ありがたいです……。


すみません、なんだかわがままで。


それでは、こんな私を見捨てないでいてくれる読者様方に、お詫びとお礼を申し上げて、締め括る、今日この頃。

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