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32話 色々とギリギリな会話

「ねぇ後輩くん、どうしてミッキ、」


「ダメです先輩! 千葉県某所には触れてはいけません!!」


 ボクは何気ない疑問を口にしようとする先輩の言葉を予測し、この作品を打ち切りにさせないために、口を挟んだ。


「な、何よ、ただミッキ、」


「ダメです!!」


「じゃ、じゃあ……あの国民的人気キャラクターのネズミさんは、どうしてあんなに人気なのかしら?」


 もう少し妥協と譲歩を覚えてもらいたいものだ。先輩は、不満げに向い側のパイプ椅子へと座っている。

 ボクはその攻撃的な視線を受けて頬を引き攣らせる。


「さぁ何故でしょうね……」


 少しどうでもよさ気に答えると、先輩はテーブルへと身を乗り出した。


「だってネズミよ! 皆、ネズミって嫌いでしょう?」


「そ、そうです……ね」


「なのに、あのミッキ、」


「はい、それは禁句です。それを言ったら、消されます」


「……大丈夫よ! わたしにはビル・ゲイ○が付いてるから!」


「あ、そんな設定ありましたね……」


 ちょっと前に、バックかどうとかいう話で、確か先輩のバックには世界の頂点に立つ様々な企業が控えているらしい。真実は不明だが、確かめる気は無い。


「そうよっ!! ウォ○ト・○ィ○ニーには負けないわ!」


「負けるも何も故人ですからね……。しかし、これ以上語るのは危険ですよ。どこかの小学校で……まぁ、プールにそのネズミさんを書いたところ、肖像権がどうたら、と消させられましたからね。あ、でも割と知られてませんが後日談があるんですよ」


「なんだか後輩くん、詳しいのね。もしかして、プールに描いた児童の一人だったりするの?」


「まさか、違いますよ。ただ、気になった事件だっただけです。それで、後日談なんですが、その児童たちは千葉県なのに東京なテーマパークに招待されたそうですよ。それで、やっぱり夢の国は凄い、と言っていたらしいです」


「うまく丸め込まれている様な気がするのは気のせい?」


「気にしたら負けだと思います」


「そうね……。で、何故人気なのかしら?」


 ……先輩はこの作品を終わらせたいのだろうか。

 引く気が無い先輩に、ボクは何とか付き合い、色々とギリギリな会話を繰り広げる事となった。

 ボクは軽く息を吐き出し、ズボンの右ポケットにいつも入れているピ○キーを数粒、口に入れ、頭の回転を良くする。


「人気な理由ですか……。やっぱりキャラクターじゃないですか?」


「だから、そこはネズミだから何故人気なのかって言っているでしょう?」


「ギャップ萌え的な感じにですよ」


「ああ! 流石は後輩くんね、確かに、日常で嫌われるネズミ、しかし実のところは、っていう感じにギャップを……。それって騙されている感がするわね」


「いいえ、魔法ですよ先輩。魔法なんです……ええ、魔法です」


 ボクは暗示のように繰り返した。

 だが先輩はそんなもの通用しなかった。眉を吊り上げ、


「ってダメよ後輩くん! そんな投げやりでは!」


 と諦めのような言葉を口にしたボクに怒る。


「すみません。ただ、これ以上の会話はやっぱり危険かな、と」


「それでも臆せずに突っ込む! それが漫才部クオリティよ!」


「ツッコミじゃなくて、突っ込むんですね。わざわざ死地へと飛び込む気なんですね……」


 呆れながら、無茶苦茶な先輩の言葉を理解し、脳へと刻み込むように言った。


「そうよ! ちゃんと後方支援はマイクロ○フトがしてくれるから!!」


「ディ○○ーVSマイクロソ○トですか……。世紀の大決戦ですね」


「その戦場を漫才部が先駆けて、本隊を突っ切り、神速で駆け抜け、そのまま本陣へと行くのよ!!」


「なんて無茶な……。先輩、それは命が幾らあっても足りません!」


 ボクはその規模か大き過ぎる戦いに漫才部が参戦する事にはツッコミを入れずに、とりあえずは無謀な作戦へとツッコミを入れた。

 ボクのツッコミに先輩は不敵な笑みを浮かべる。


「大丈夫よ後輩くん! それは嘘で、スニーキングで行くわ。スネー○が装備していたステルス迷彩よりもハイテクなやつで潜入任務よ、もちろん無限バンダナも装備ね。

 目的地は、アウター……じゃなくて、千葉県某所よっ!!」


 どうしよう、先輩、マジだ。


「む、無茶ですっ!! 明日が日曜日で学校が無くても、色々と無茶ですって!」


「大丈夫よ後輩くん、わたしが付いてるから」


 それがもっとボクを不安にさせるんです!! と叫びたい、しかしそんな事を言えば、もう帰らぬ人へとなれることだろう。

 ボクは、暴走しまくる先輩を止める算段を考えたが、中々浮かばない。


「異論はないわね。それじゃあ、明日は二人で、東京と偽るテーマパークへと行くわよ!」


 不味いぞ、先輩がノリノリで鼻歌まで始めてしまった。どうすればいい? このままじゃ……ボクの短い生涯が終えてしまう!

 右ポケットからピン○ーを取り出し、一気に口に流し込んだ。

 ピーチ味が口全体に広がり、思考が一気にクリアになる。


「先輩っ!!」


 ボクにドーピング(○ンキー同時多量摂取)により、覚醒フラグが立ち、勢いよくパイプ椅子の上へと登り、見下ろす形で先輩と眼を合わせる。


「ど、どうしたの後輩くん? 椅子の上に立つなんてマナーがなっていないわよ」


 何度もやっている先輩はどうなのだろう、と思ったが、そんな事はいいんだ。今は、先輩とのお出掛けフラグをへし折らねばならない。

 ボクはそのためなら、尊敬……しなくもない先輩を傷つけてしまうこともいとわない!!


「先輩」


「へっ?」


 ボクの声が急にアダルティに変化した。

 その一瞬の変化に先輩が酷く戸惑う。


「先輩、これってやっぱり……デートですよね?」


「へっ……?」


「男女が二人っきりで、どこかに遊びに行く、ましてや千葉県某所、もう決定的ですよね」


「な、なななななななななぁぁぁっ!!!! こ、後輩、後輩くん!? な、なななにを言ってるの!?!? ど、どどどどうしてわたしが後輩くんなんかとで、デデデ大……じゃなくて、デートしなくちゃならないのよ!?!?」


 先輩が壊れた。顔を真っ赤に染め、もうオーバーヒートして湯気が上がってる。その状態で、両手をブンブンと振り回し、千鳥足でフラフラと海面に浮かぶクラゲのように揺れている。


「ボクはてっきりデートかと……」


 しれっと追加攻撃。


「ち、違うわ! そんなつもり一切無いわよ! も、もう!! そ、そそそんな後輩くんなんて連れてって上げないんだから!!」


 それだけ言うと、猛ダッシュで部室から出て行った。脱兎の如くというやつだ。


「ふぅ……」


 ボクは大きく息を吐き出し、パイプ椅子から下り、座り直した。

 これでなんとか助かったな。それにしても、冗談でも先輩とデートなどと……ボクの体が後悔で震えている。ジンマシンまで出てきてる。

 よかった、先輩がこの手のネタにとことん弱くて。下ネタや、男女の事とかに先輩は酷く動揺とか混乱とか、まぁ暴走するからな。


 理解できているという事は、知っているという事だが、なんだろうか……深くは考えない方のがいいのだろう。



 ボクは、静かになった部室で、一人安堵の息を漏らした……。

ギリギリです。もうギリギリです。

私自身がギリギリです。というか文にギリギリが多いです。ええ、もうギリギリ……ってもううるせぇ!


はい、またもや連続投稿なんてしやがってます。そうやって調子に乗ってるから、明日のネタが無いんです。


朝食兼昼食を頂く今日この頃。(栄養に気を付けよう!)

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