21話 始まりは同じでも多彩な変化、それが漫才部クオリティ!
「21話よっ! そう、遂にその時がやってきたの!」
「その時って一体、何があるんですか?」
「アニメの総集編のように、今までのストーリーを振り返るのっ!!」
「うわ……それって、案外うざったいですよ?」
「知ってるわ!! だって、わたしもあの総集編は手抜きに思えてならないもの……」
なんだこの昨日と同じやり取りは……。そういえば、確かに総集編っぽい事をやらなかったけど、始まりをまったく……いや、20話を21話から変更しただけの会話をしなくても……。
とりあえずは、デジャブを感じた。椅子の位置も同じだし、先輩はパイプ椅子の上に立っているし、まぁ著者はやっぱり疲れているのかな、と思う。
「アニメの総集編についての愚痴は置いておく事にしますが、漫才部に振り返るほどの思い出ってありました?」
「あるわよ! 例えば、わたしと後輩くんの出会いの事とか」
「何気に伏線回収だって読者は気付いてないでしょうね……」
「それは、やっぱり後輩くんの思考なんてどうでもいいから……。この作品で読むべきところは、わたしのセリフのみ!」
「幾らなんでもボクの扱いが悪過ぎますよ。先輩、ボクの事、嫌いですか?」
先輩は、急にしょぼくれて椅子から下り、ボクの方へと歩いてきた。そして、どこかネジが打っ飛んじゃった感じに熱を帯びた顔で言った。
「違う……好きよ! 大好きよ! もういつも後輩くんの事を考えている所為で授業中なんて上の空。好き好き好き、ああ、もう一生傍にいたい」
「あの、表情はそれっぽいんですけど、あからさまに言葉が棒読みで平坦ですよ。それに、ちゃっかり勉強が出来ないのをボクのせいにしないで下さい!」
「後輩くんの、馬鹿野郎っっ!! 乙女の純情をなんだと思ってるのよ!!」
「ゲハッッ!!」
ステップを決め、ボクの頭上へと高く舞い上がり、振り上げた右足を、叩きつけるようにボクの脳天へと落とした。一言で言うなら、踵落とし。
どうして……ツッコミを入れると、こうなる。
ボクは勢いよく床へと叩きつけられた。かなり……痛いです。
「もう! そんなんだからわたしに本当に好きになってもらえないんだよ?」
別にどうでもいいです……とは、言えない。これ以上攻撃を受けたら死ねる……いや、既にオーバーキルの領域へと達する。
「すみません……」
情けないが、(多分)ボクは悪くはないが、謝った。
先輩はボクの謝罪を受けて、淡く微笑んだ、と思う。まだ、顔が床に減り込んでいるので確認できない。空気から察するにそう思ったのだ。
「まあ、いいわ。後輩くんはそれでこそ後輩くんだからね。大丈夫よ? 少年漫画の主人公はヘタレでも成長するけど、エロゲの主人公は最後までヘタレな人も多いから」
「ヘタレって…………」
「うんうん、主人公が最後まで雑魚な話もたくさんあるから! 自信を持って!」
「雑魚…………」
「ほら、スクール○イズの伊○誠なんかのヘタレっぷりに比べたら後輩くんなんてまだまだ許容範囲よ」
「アニメは酷かったです…………」
「そうねぇ、でも、原作のENDは救いようがないのよ? ハッピーエンドにしろ、誰かが不幸になるんだから……」
「だから先輩……どうして、エロゲやってるんですか? エッチなのはダメって言ってたじゃないですか……」
「忘れてたぁぁぁぁぁっ!!」
「ってまた、そのパターンですか!? というか、なんで忘れられるんですか!? それに、さっきエロゲの主人公は最後までヘタレな奴が多いって言ってるんですけど、結構色々と手を出してるじゃないですか!!」
ボクは床へとへばり付きながら、先輩が慌ただしく部室から出て行く足音を聞いた。床に密着してるからダイレクトで伝わる。
なんだろう……この新パターンな終わり方……。あれ? そういえば、また総集編って……いや、気にしたら負けだな。
引っ張りますねぇ。別にたいした事じゃないのに……。
さてはて、次回で同じ始まり方は終了したいですね。
あー後は、新キャラとかも出してみたいなぁ。設定を作るのが面倒ですけどね……。
ネコ、かあいいよぉ、はうんっ! な今日この頃。