9話 !(トゥルン)って訳したらもうダメ
「MG○がムズイわ……どうしても勝てない」
先輩が部室で、愚痴を漏らした。何時ものように、ゲームの事みたいだけど、ボクはその名前を知らない。
「なんですかそのゲーム?」
いつものようにパイプ椅子へと腰掛けて、ボクは先輩へと尋ねる。でも、どうでもいいのでやる気が無い声にどうしてもなってしまう。
「メタ○ギアのオンライン対戦よ。どうにも勝てないの……。やっぱりナイフだけで行く根性が間違っているのかしら?」
同じく向かい側のパイプ椅子へと座る先輩が、寂しそうに項垂れた。だけど、話している内容はちんぷんかんぷんだ。
「いえ……そう言われましても、ゲーム内容がわかりません」
「ダメね。だから後輩くんは流行に乗り遅れるのよ。もう少し周りを見なさいっ! 授業中にでも参加する猛者は居るわ!」
先輩は眉を吊り上げ、何故か軽く説教モード。
「えっと……機種はなんなんですか?」
授業中にまさか据え置きタイプのゲームを、
「P○3よ」
「何者ですかその猛者は!?」
ビックリだ。我が校にそんな頭のネジが打っ飛んだ変人が存在したとは……。
「だから、ツッコミなさいよっ!!」
「ぐふっ!!」
綺麗なストレートパンチを顔面に喰らった。先輩の攻撃は日に日に鋭さは練達され、既に現役のボクサーを凌駕できるレベルに達していた。
それを受け、ボクの体は部室端まで飛んでいく。
「いっつぅ……」
壁に激突し、ボクの体は床に倒れ込んだ。
どうして先輩の超絶パンチを顔面に喰らって気絶しないのか、それは単純にこの話がコメディであるからして、それにたった二人の登場人物の内の一人が居なくなっては、物語が終わってしまうという最悪な結末が待っているからだ。
先輩は火傷のような痛みで顔を押さえ悶えるボクを睥睨する。
「どうしてかな、後輩くん? まさか授業中に○S3をプレイするような偉人が……じゃなくて、変人が実在すると思う?」
「お……思いません……」
「ならどうしてツッコミを入れないの!? それとも後輩くんは実はわたしみたく授業中にP○2をやってしまった前科持ちなの!?」
「えっ、先輩それって本当ですか?」
先輩……恐ろしい子!
「な……なな、なんでそういう所には気付くのよっ!!」
「んぐはっ!!」
燃え尽き掛けたボクに追撃を噛ました。
それにより、真っ白に燃え尽きて、明日が見えないジ○ーになった……。
もちろん何時もの様に、ボクの屍をスルーし先輩は怒って部室を出て行く……。
頼むから、このパターンを定着させて欲しくない。
ナイフだけはやっぱり無茶なのかな?
やっぱり銃を使わないと……ダメなのかしら。
そんな今日この頃。