表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/81

プロローグ 漫才部のボクと先輩

更新は出来れば毎日したいです。

稚拙な文章ですが、どうぞよろしくお願いします。

 今日の部室はとても静かです。堂本咲彩どうもとさあや先輩は今日は何やら思案する顔をして、パイプ椅子の上で体育座りをしています。もう少しで、スカートの中が見えそうですが、そこには未知の力が働いているようで、サービスカットは訪れません。


 ボクはそれが正直、ありがたいです。別に、サービスカット云々はどうでもいいんです。ただ、静かにしてくれているのが、ありがたいのです。

 ですが、先輩はボクの心を読んだかのように、急にパイプ椅子から立ち上がりました。


 そして、綺麗な茶色の長い髪を掻き揚げ、漆黒の瞳を爛々と輝かせ、先輩は叫ぶように言いました。


「この物語は、蔵上勇くらうえいさむが学校である事件により巻き込まれ、異世界へと旅立つお話です。

 勇は正義感が強く、そして誠実な女でした。身長は182センチと中々の長身で、スタイルはよく顔も凛々しい完璧な容姿を持ちながら、文武両道の道を突き進む偉才を持った人間です。プライベートではもちろん、何人もの女子に囲まれモテモテな日々! しかし、勇には類稀な絶対鈍感が具わっており、その想いに気付かないのであった……。


 だが、あの事件でモテモテで平和な学校生活は終わりを迎える。

 そう……学校に不審者が侵入してきたのだ。ただし、その不審者は普通ではなかった。ただ、暴れ狂うだけならよかったのだが、なんと……二十日鼠はつかねずみを売り捌いていたのだっ!!

 学校側はその不審者の余りの無邪気な笑みに騙され、生徒もまた騙され……犠牲者は一人ずつ増えていった。


 魔の手は勇へと忍び寄る。

 そして…………勇は階段から足を滑らせ頭部を強打し…………お亡くなりになった」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!! 勇くん死んじゃったよ!?」


「ふぅ……これで、この作品の解説は終わったわね」


 先輩は満足そうに言って、パイプ椅子へと偉そうに踏ん反りがえった。


「ちょっと! 先輩!? あの、長々と語った話はなんですか? なんの意味があったんですか!?」


「………………」


「先輩そこで黙らないで下さいよっ!! ねぇ、聞いてますか?」


「甘えるんじゃない後輩くん!!」


「ぐべらっ!!」


 ボクの体は先輩の愛の鉄拳(?)により、部室の端まで吹っ飛んだ。

 物凄く痛い。

 倒れたボクを先輩が見下ろす。


「後輩くん、どうしてもきみはツッコミを入れないのかしら?」


「ちゃ……ちゃんと入れましたよ……」


「最後だけじゃない!! 他にもツッコム所がいくつもあったでしょう?」


「ありましたか……?」


「……はぁダメな子ね。きみの名前は偽りなの? 津古溝圭太つこみぞけいたくん」


 出来の悪い弟を見るような目で、先輩はボクを見続けている。


「いえ……芸名でも偽名でもないです。実名です」


「なら、どうして、ツッコミのプロにもなれそうな名字なのに、うまくいかないのよ!?」


「いえ……だからツッコミましたよ?」


 ボクの言葉に肩を落とし、先輩は盛大に溜息をつくと、さっきまで座っていたパイプ椅子へと再び腰掛けた。


「……じゃあ、勇くんが『女』という所には疑問に思わなかったの? それに、不審者の存在が既に度を過ぎた怪しさじゃない。それと、勇くんの死因にまったく事件が関係してないわ。

 後は、異世界ってあの世じゃないかっ!! っていうツッコミも欲しかったわ。細かい所をあげればまだまだあるけど……はぁ~」


 言われてみればそうだ。ボクは遅れてツッコミポイントを理解した。

 いい加減寝転がり続けるのも難なので立ち上がり、先輩の向かい側にあるパイプ椅子へと座った。


「すみません……」


「いいわ、でもまだまだ特訓が必要ね。読者だって、ツッコミが居ない小説なんて読みたくない筈よ。少なくともわたしは読みたくないわね」


「はい……」


 ボクは申し訳なくてただ項垂れる。


「さて、漫才部は部員が二人だけだけど……めげずに頑張るわよ!」


「はいっ!!」


 今度は笑顔で答えた。

 でも、心が空虚だったのは、ボクの本音だろう。

こんな感じに二人のやり取りがメインになります。


誤字脱字の指摘や感想、評価などよろしければお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ