決意の日
軽く登場人物の紹介をします。
主人公の名前は石野 海里
娘の名前は石野 つばさ
母の名前は森下 葉子
伯父(母の兄)は森下 樹
とある晴れた日の正午、私はテレビで再放送のアニメ番組に夢中になっている娘のつばさをリビングに置いてキッチンで電話をしていた。
プルルルル プルルルル
何度か同じ音を聞いた後、「もしもし、海里ちゃんかい?」と伯父の声が聞こえた。
「もしもし、いつきおじさん?このあいだ話して通り今日お家に伺ってもいいですか?」
「ああ大丈夫だよ、今日は葉子の機嫌がいいみたいでね。呑気に庭の花壇を眺めているよ。」
「ありがとう、なら今日つばさと一緒に行きますね。」
「待ってるよ。ただこの間話した通り、何が起きるかわからないからそれだけは分かってね。本当は誰よりも海里ちゃんと会えること楽しみにしているから。」
「認知症のことですよね?わかってます。」
「ならいいんだ、気をつけておいでね。」
「はい、それじゃあまた。」
プツッ
電話を切ると、いつぶりか分からないくらい久々に心臓がドクドク鳴っていた。
深呼吸しつばさに、「今日はおばあちゃんに会う日だからアニメ終わったら準備してね。」
相変わらず夢中なつばさは「は〜い」と間の抜けた返事をした。