プロローグ2
「□△□□△」
何を言っているかは分からないが声が聞こえてくる……。
「△△□△」
男性の声と女性の声…会話をしているのだろうか。
視界は相変わらず、くもっていてよく見えない。
なんとなくだが自分はまだ生きているようだ。
背中には柔らかいベッドのような感触があるため
どうやら俺は病院にいるのだろう。
良かった……助かった……。
やけに眠気があるため今はぐっすりと寝て身体を休ませよう。
次起きたら五感は正常に戻っているだろう。
◇
朝、目が覚めた。窓からの日差しがまぶしいくらい照りつけてくる。
(まぶしいな…)
俺はベッドから起き上がりカーテンを閉めに………えっ……
(起き上がれない…)
よっぽどの重傷だったのか身体が動かない…。
頭を起こそうとするもずっしりと自分の頭が鉄の塊のような
重量で傾けることさえできない。
何もできないという恐怖感が俺を襲った。
(助けを呼ぼう…)
「おぎゃあ」
あれ……?
「おぎゃあ」
なんだ…「すいません」と言おうとしているのに
言葉がちゃんと喋れない。
どうしよう…しゃべることも難しいほど怪我してるのか…?
よく分からない推理をしているとドアが開くような音がした。
「大丈夫ですか、ティアム様!?」
誰だよティアムって!?しかも様づけということは
よっぽどお偉いさんがいるんだろうな……
てか俺の他に入院している人いたのかよこの部屋に。
「大丈夫ですか!?」
(うわっ!?)
急に視界に考えられないほどの大きさの女の子が現れた。
見るからにまだまだ子供な顔つきで髪は綺麗さから地毛と
思われる茶髪。茶髪とはいっても金色に近い茶色。黄土色だ。
そして、なぜかメイド服を着ており一番驚いたのは
耳が生えており、尻尾も少しぴょこっと視界にうつっており
まるでキツネのような見た目をしていた。
そして俺を抱え子守歌を歌い始めた。
(えっ待ってこの子大きすぎるし力強い。
俺が身長170センチだから考えるに五メートルは身長はある。
ほんで俺は体重60キロなのに軽々と赤ん坊のように持ち上げた…。
ん……あれっ……?赤ん坊…赤ちゃん……。)
俺は理解した。
(俺生まれ変わってる……)
夢なら覚めてくれよ……。