表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理系な異世界に天才科学者が転生しました  作者: 13Last
プロローグ
1/11

プロローグ1

  現在2100年、80年前では考えられないような


  科学が発展していた。


  その発展に大いに携わった人物の名は


  一柳いちやなぎ こう 28歳 男性独身。


  小学生のときに飛び級で大学に進学し


  わずか15歳で新しい細胞を発見しノーベル賞を受賞。


  それから25歳まで何度もノーベル賞を受賞し


  今ではどの教科書にも載っているし

  

  検索するのに『い』をうつと一番上にでてくる。


  この人の名言は


 「自分の好きなアニメの中の現象を再現したかった」と


  オタクであることも判明。


  何度も机上の空論をくつがえした彼だが


  25歳という若さで突如研究をするのをやめた。


  理由は誰も知らない…知っているのは本人ただ一人だけである。


          ◇


 「つまらん……」


  家のリビングのソファーに寝転がっていた俺は


  もと仲間たちの研究結果の発表の


  記事を見ていた。


  記事には「細胞を若返らせることのできる薬を開発した」と


  大きく書いてあった。


  俺より年上だが部下だったはげの近藤がインタビューを受けており


 「わたしたちの二年の努力した成果が実りました!」と答えたそうだ。


 「けっ……」


  俺はその薬を3日前に一週間でつくった。


  本当につまらない。


  興味のないものは簡単につくれるのに


  興味があるものはつくるのが難しい。


  かつて子どものときに見たアニメのなかでの


  キャラクターたちの戦闘シーンが脳に浮かぶ。


  俺はそのアニメのようなものを現実につくりたいのだ。


 「ん……?」


  カーテンの間から家の門の前に誰かが立っているように


  見えた。


  俺はカーテンをずらした。


  すると取材をしにきたのか知らないが


  カメラマンとマイクを持った人たちがたくさんたっていた。


  防音設備なため気づかなかったが耳をすますと


  名前を呼ばれていることに気づいた。


  無視をしようと思ったが一度意識してしまうと


  耳障りで仕方がなく仕方なく家から出た。


 「……!?一柳さん!今回の研究結果についての


  感想をお聞かせください!」


 「どうして研究をやめてしまったのですか?」


 「今はどうお過ごしですか?」


  俺は今『言葉』という弾を使ったマシンガンに乱発されている。


  うるさいな…


  質問を乱発されても受け止めることはできるが


  撃ち返すことができない。


 「も~うるせぇ!勝手に順番に答えるからな!


  まず感想は つまらん。


  なぜ研究をやめたか つまらん。


  今は何してるか つまらん質問すんな。」


 「感想ですかなぜつまらないのですか?」


  なぜこのように適当に答えても動揺しないかというと


  もうこいつらとも質問する側、される側で長い付き合いで


  なれているのだ。


 「この薬は俺は一年前に一週間で作ったことがある。


  それに今回発表された薬は副作用が多過ぎる」


 「なるほど」


  記者たちは感心して俺の話しを聞いていた。


         ◇


  次の日。朝起きてテレビをつけると


  昨日の取材が流れていた。


  あの後俺の作った薬を撮影させて欲しいと言われ


  仕方なく撮影させた。


  するとその影響もあったのか近藤への栄光はなくなり


  俺の物になった。


  どいやらあの薬はノーベル賞レベルだったようで


  少し悪いことをしてしまった。


 「げっ…冷蔵庫空っぽだ……」


  朝食をつくろうとしたが材料は一つもない…。


  この時間だとスーパーはまだ開店していないだろうから


  少し遠くのコンビニに行くしかない。  


  ジャンバーをはおい車の鍵を持って外に出て車に乗り込んだ。


  門を出て道にでてふとバックミラーを見ると


  俺の家の近くの路上に見知らぬ車が停まっていた。


 (なんであんなとことめてんだ……?)


  少し不思議に思った。


          ◇


  しばらく走っていて気づいたがさっきの車が


  ずっと跡を付いて来ているのが分かった。


 (なんだ記者か……?しつこいな……)


  そんな事を思っていると赤信号になっていたため


  車にブレーキをかけスピードを落としていった。


  バックミラーを見ると後ろの車は赤信号であるのに


  スピードを落とすどころか上げてきていた。


 (おいおいあぶねぇぞ赤信号だぞ…?)


  その時俺はその車を見て感じた。


 (こいつぶつかりにきてっ……!?)


  考えている間に後ろからの凄まじい衝撃と


  鉄と鉄の物体のぶつかり合う金属音というか


  何かをつぶすような大きな音がした。


  そのまま俺の車は前に放り出され向きが逆になり逆さになった。


 「いって……」


  運のいいことに他の車はこなかったため


  少し安心したがそのような暇はなかった。


  ガソリンがまけはじめ少し発火している。


  車から離れようとするがシートベルトが挟まり


  ドアが開かないため動けない。


  すると車に向かって一人歩いてくるのが見えた。


 「良かった助けてくれ」


  俺は必死に割れた窓から手をのばした。


 「誰があなたを助けるんですか?」


 「はっ……?」


  思いもしなかった返事に俺は困惑した。


  助けてくれないのか?


 「よくもわたしの栄光を横取りしたな!!」


  この声には聞き覚えがある。


  近藤だ。声を聞くだけでなく顔が視界にうつったことで


  確信した。


 「なんだよ急に」


 「お前が記者にふざけたことを言わなけば


  今頃わたしはノーベル賞を取り栄光をつかめた!。


  おかげで研究費の借金は払えねえは


  家族に見捨てられるはさんざんだ!!!!」


  俺は暴言をはかれているようだがそんなことよりも出血が多いのか


  意識が遠のいていくのを感じる。


  近藤の声はノイズがはいったように聞こえずらい。


  視界はぼやけている。


  人は自分が死ぬというのを感じ取れるらしい。


  今の俺は感じる…死ぬと…。


  あっ……これ……死んだな………。


  こうして無惨にも一柳 洸の人生は終わりを告げた。


  

  


  


  

 

 


 


  


  



  


  

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ