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クレマチス

作者: 秋桜

最近は夜に執筆することが多いので、とにかく眠いのです。

五月病にならないように気をつけたいと思います。


 私は任期四年目にして、とある国の憲法を思案した。

まぁ、私に賛同しないものがいないというわけではなかったがそれなりに対処してきたつもりだ。自分の手は汚さずとも自分が勝ち抜くためには手段は選ばなかった。

衆議院とは言え、綺麗事を言っていてはやっていけないし、誰も褒めてはくれない。だからこそ、みんな綺麗事を述べて裏では汚いことをしている。だがそれを知られても誰もお咎めを受けない。それはこの世界においての暗黙の了解であった。

私もこれに同意はしないが反対の意を論じるつもりもさらさらない。何せこの了解のおかげで今の私があることに違いないのだから。


 では、私が次に行おうとしている政治改革について少しお話ししよう。

それは憲法改正である。自分で手がけた憲法を自らの手で変えるなんておかしな話だがどうしてもこの憲法第二一条が邪魔である。二一条というのは国民における自由を保障する内容であり、今の情勢では見るに堪えない。匿名の利用によって画面の向こうにいる顔の見えない人にいちいち腹を立てている。それによって傷つかなくていい人たちまで苦しんでいる。また、表現の自由なんてものがあるから人々は各々に考えを巡らせ持論を展開し我が国の国民を惑わせるのだ。そんなことならいっそのこと国民の表現の自由そのものを排除してしまった方がよほど平和なのではないか。私にはそう思えてならない。

 まず、そのためにはもう一度当選する必要がある。昨年、我々は解散させられてしまったからね。

当選のためにはある一定以上の票を獲得しなければならない。まぁ、私には昔からの好で仲間がたくさんいるからそこは問題ないはずだ。きっと彼らが裏で手を回してくれるだろう。

これは私がやらせているわけではない。彼らが自分たちで勝手にやっているだけなのだ。何かあっても関係ない。


いよいよ当選者発表の日になった。

もちろん私は当選する自信しかないのでわざわざ心配する必要も無い。自分の事務所で椅子に座って当選の様子をネット中継で見ているいると、そこに私の名はなかった。

おかしい、なぜない?

なぜ私の名がないのだ?

絶対何かの間違いだ!!

私は急いで選挙管理委員会に電話をかけたが彼らは何も間違えていないと主張した。何回も確認してほしいと頼んだが彼らは人件費の問題でそれはできないと言った。そして間違いが起きないように我々がいるのだから我々が間違えるということは無いと言われた。

私の頭に『落選』の文字が浮かんだ。

いくら私がもがいても選挙管理委員会のいうことは変えようのない事実だ。

次に浮かんだのは昔からの好である彼らのことだ。

彼らは必ず私に協力してくれていたから今回もきっと協力すると思っていたのになぜ彼らは協力しなかったのか…

その答えはある人からの1本の電話で分かった。

それは、私が掲げていたマニュフェストに問題があったのだ。

私の協力者たちは皆、民間企業たちであったのだ。

つまり、私が表現の自由を制限してしまっては彼らはほぼ何も出来ない。それどころか、商品を売り出すことすらままならない状態になるのだ。

そうなると分かっていてあえて私に協力するはずもなくきっぱりと私を切り捨てた。

彼らが自分自身を守るために。


数ヶ月後、私は一冊の本を出した。その本は爆発的に売れ、今では4000万部を超えるヒットを記録した。

題名は「子どもについて」というまさに普遍的そのものであった。

内容もそこら辺のものとほぼ変わらない。強いて言うなら、全ての事象についての根本的な原因は子どもにあるということだ。

例えば「いじめ」はなぜ起こるのかについて考えてみる。一般的な考え方だと、いじめは絶対にいけないことであり、そこにどんな理由があったとしてもいじめている側が悪いというようになるが私の考えでは「いじめが起こるのには原因があり、その原因は少なからずいじめられている本人にある。根本的な原因はすべていじめられる子にある」というものだ。

本来であれば、ここまで残忍な内容のものは検閲で引っかかるものなのだが、私の作品は『表現の自由』という権利を主張し、検閲を受けずに済んだ。

今、自分の生計を立てられているのはこの本のヒットのおかげだ。この本には本当に感謝している。『表現の自由』がなくなればこの本は売り出せない。それなのに私は『表現の自由』をなくそうとしていたのだ。

なんて馬鹿なことを考えたのだ。

『表現の自由』の重要性について改めて感じた。


やはり憲法は誰にも変えられない。

今のままでも充分に優れているのだから。

あぁ、これを考えた人って天才。

ちなみに5月3日の誕生花は「クレマチス」です。

花言葉は『策略』です。

考察のヒントになればと思います。




少し私の小話に付き合ってもらえると嬉しいです。


今までの私はある一定の人気グループなどを応援する人間が大嫌いでした。

なぜなら、「どんなに人気のあるアーティストの作品でも良作や愚作があり、それら全てを受け入れてしまう」ということに納得ができなかったからです。たとえ愚作のような曲でもこのグループが作ったからきっといい曲なのだと体に言い聞かせているということがとても惨めなことだと思ってしまいます。


しかし、最近は数多くいるそのアーティストの中でも良作と呼ばれるものばかりを作曲する人がいることに気づきました。


つまり、それは自分自身がそのアーティストにハマっているということなのです。


一定の人気グループが良作ばかり作るのではなく、その人にハマっているからこそ、その人の作品がどれも良作に聞こえるということなのです。

きっと。

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