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怪奇討伐部  作者: グラニュー糖*
9/10

疑心暗鬼の悪魔たち

第八話 vs.ムジナ、ヘラ



怨霊に連れられてやってきたのは、いかにもここですというような暗い暗い洞窟だった。

かなり深そうだ。

ムジナは「すげー」と言いながらヘラの前を歩いていた。


「ありがとう」

「どうも」


怨霊は短く返事するとどこかへ去ってしまった。

それにしても大きな洞窟だ。

この奥に霊王・ハレティがいるのか……。

あの見た目からしてこんなところに住んでるとは思えないが。


「霊はジメジメしたところが好きなのか……」


絶対違うだろ。

ムジナはそんなツッコミを心に閉じ込めながら、二人はこの洞窟内へと歩き出した。


松明が無いので、この暗い道をヘラの炎の魔法で照らしながら歩くこと数分。

分かれ道があった。

これは完全に狙っているだろ……。

素人でもわかるような分かれ道トラップ。

しかし単なる分かれ道だったなら?

二人は相談し、ムジナは左。ヘラは右へと進んで行った。


その様子を霊王ハレティは大きな水晶に中継魔法をかけて見ていた。


「ふふふ、それでいいのです。どっちにしろ、ここにたどり着くのですから。でも、それだけじゃつまらない。なのでちょっと邪魔しちゃいましょう。……行ってくれますね?」


ハレティが声をかけたのは小さな動物たち。

狸と狐。

しかしこの二匹は『化け』狸と『化け』狐である。

二匹は顔を見合わせるなり、それぞれの道へと進み始めた。



「はぁ……その辺にあった木の棒に魔法をかけてもらったけど……切れそうだ」


落ちていた木の棒にそのまま着火すると全て燃えるので、その辺に落ちていた布で包んでヘラに着火してもらった。恐らく亡者が落としたものだろう。


「それにしても……めっちゃ長い!!!」


いつまでも同じ光景でこの暗さで……時間の感覚も無くなってきたところで、何かが飛び出してきた。

その姿はムジナのよく知る姿だった。


「お、ヘラ。そっちは何も無かったのか?」

「……」

「おい、何とか言えよー」


ムジナが笑いながら近づくと、無言のヘラは大きく後ろへ飛んだ。

まるで動物のように両手を地につけて着地した。


「……ヘラ、だよな?」

「……」


いつまでも返事しないヘラに不信感を抱き、武器を取り出そうとしたムジナ。

しかし、取り出したものは剣とは全く違うものだった。

鳥の頭蓋骨の口の部分から刃が飛び出したようなデザインの大きな鎌。

ムジナが取り出したのは剣ではなく、ムジナの種族、死神の特徴である鎌だった。


ムジナは小さく舌打ちをし、ヘラの元へと猛ダッシュする。

いつもは表に出さないが、血の気の多いヘラのことだからすぐに剣を取り出して斬りかかってくると思ったが、逃げてばかりいた。

何かがおかしい。

寸止めでもいいので取り敢えず勝たなければならない。


ムジナはゴツゴツとした壁を蹴り、勢いをつけてヘラに襲いかかる。

ヘラがムジナに向けて手をかざすと、大量の葉がムジナに向けて放出された。

ムジナは鎌で葉を切り刻むと、ヘラの首に当たるか当たらないかギリギリのところで攻撃を止めた。

その瞬間、ヘラが白い煙に包まれる。

視界が良くなったところでヘラがいたところを見ると、そこには狸がいた。


狸といえば変身だ。

もしや、この狸がヘラに変身していたのか?

ムジナがじっと狸を見ていると、突然喋り出した。


「なかなかやるな」

「ぎゃああああしゃべったーー!!」

「しかし儂もこのままでは引き下がれん。勝たせてもらう」

「ふん、今負けたのに?」

「ふふふ、お前が逆らえないような奴の姿になってやろう」


狸が頭の上に乗せていた葉に手を当てると、また白い煙に包まれた。

そこから現れたのは……。


「嘘、だろ……?」


ムジナが鎌を構えるより先に『そいつ』は動き、羽交い締めする。

そしてムジナは動けないまま洞窟の奥に引きずり込まれた……。



一方、ヘラはというと……。

彼は狐と対峙していた。

今、狐はムジナに変身している。


「ムジナ……」

「……」

「……」


__怪しい。ムジナがこんなに無口なわけない。


先にムジナが動いたので、カウンターの形を取る。

しかしムジナは予想外の動きをとった。

どんどん奥へと誘いだすムジナ。

怪しいと思いながらも追いかけていった。


いきなり止まったムジナ。

ヘラはチャンスと思い、炎の魔法を叩き込んだ。

するとムジナは白い煙に包まれ……狐が現れた。


「やっぱりな……」

「その反応だと気付いてたようだね。敵ながらあっぱれだ」

「当たり前だろ。そうでなきゃ炎をブチ込んでない」

「ま、そうだね」


狐は観念したかのように顔を擦った。


「さぁ、霊王のところに連れてってもらおうか」


ヘラが一歩前に歩むと、狐は再び白い煙に包まれた。そして現れたのは……。


「お前……何で知ってる?」

「ふふ、狐だと知ってても傷つけられないでしょ?」

「……姉ちゃん……」

「ハレティ様のところへ連れてってあげる」


ヘラは握りしめていた剣を異界へ戻すと、大人しくついていった。


二人が一番愛す者。

そう、狸と狐は彼らの家族に変化していたのだ……。

どうも、グラニュー糖*です!

一期は次回完結です!

バトル祭りです。もう大好き。


みなさんは映画とか好きですか?

私は好きです。

ホラーやアクション、アニメばっか見てます。

恋愛(笑)は見ません。

友達に連れられて見たんですが、「あ、あいつ死ぬわ。あ、こうなるわ」ってなるんですよね……。


去年、英語の授業の半分が映画だったんですが、一番最初の授業で、映画史上一番好きな映画が流れたので嬉しかったです。ちなみにSFです。宇宙戦争という映画です。オススメですよ。


では、また!

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