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グルート  作者: 撫子 じゃすてぃす
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フルーフ女学園

ガールズラブとなっていますがソフトなのでそこまで全面的ではないです。


男女の恋愛もちょっぴりでてきたり。


執筆にはあまり慣れていないので至らぬ点はあると思われますがよろしくお願いします

20年前に、突如として現れた死神を名乗る集団。

彼らはヨーロッパを中心に世界中で発生していた人間の原因不明の死を起こしたのだという。


18年前、前世の記憶をもつ少女たちが生まれはじめ、彼女たちだけが死神に抵抗する力があることが判明。

そして、彼女たちは前世で生け贄として殺されたという共通の記憶をもっていた―


「これ、卒業までに何回聞けばいいのかな?」

「宮古、聞こえてるぞ」

「だって、式典の度に言うですもん。飽きますよ」


4月、始業式が終わりクラスでのオリエーテーリングにてそうそう教師に注意されながらも悪びれた様子が全くない少女―宮古 椿はそういってのけた。

彼女は今年フルーフ女学園中等部3年生に進級した普通の中学生…というわけではなかった。


東京都世田谷区に位置するフルーフ女学園、正式名称は死神殲滅部隊育成所日本支部フルーフ女学園。

名前の通りここは人間から生気を奪い殺し、戦争をすると宣言した死神を殲滅するための部隊を育成するための学校である。


つまりここに通っているのは死神を殺せる力をもつ者だけ。


―前世の記憶をもつ、少女たち。


フルーフ女学園では自分たちが死神を殺すためにいるのだということを忘れさせないために行事がある度に死神と人間の歴史の話を繰り返す。


存在自体は国家機密。

全寮制の箱庭状態であり、完全推薦制、さらには卒業後国にとってまた世界にとって必要となる人材になっているという情報により世間からはエリートお嬢様学校としてみられている。


「宮古って苗字のせいで尚更だよ…」


宮古といえば日本でもトップレベルの名家である。

椿自身、自分が育ちのいいお嬢様だと意識したことはない。

むしろ、親からは見捨てられていたようなものだった。


だから自分が前世もちで…フルーフに来れることを知ったときはやっと宮古から離れられると安心したものだ。


それだけではない。

フルーフには全国から様々な人間が集まるため自分のことも気にならない。


自分のこと、ようは容姿のことだ。



真っ白な肌にプラチナブロンドの髪の毛。

それに加えて赤い目。


椿は俗に言うアルビノ―別名、先天性白皮症なのである。

見た目が原因で小学校のときはいじめられていた。


前世と同じ姿で生まれ変わる彼女たちは、容姿に様々なコンプレックスも抱く人も少なくない。


そんな人を見てるとなんだかどうでもよくなってくるもの。


「椿っ聞いてるの!?」

「うえっ」


一人考えに耽っていると唐突に声をかけられ肩をびくつかせる。


声をかけたのは椿のクラスメイトでありルームメイトでもあり、中学生徒会長を務める上重 桜である。


「何?何一つきいてなかったけどなんの話?」


3年間ずっと一緒にいて何度も似たような会話をしてきた桜はいつものように溜め息をついてだるいと言わんばかりの口調で話を再開した。


「皆知ってると思うけど、私たちは今年度中学3年生に進級し…従者制度という仕組みへと加わることになります。」


教師に代わり教卓の前に立って台本を読み上げるように事務的に話す桜。

わずか22人しかいないクラスメイトたちはその話を聞いて口々に喋り出す。

何しろ、従者制度といえばこの学校を卒業し…死神たちとの戦争でも深く関わってくるものなのだから。


従者制度はその名の通り主と従者の関係となる制度のことである。

とある儀式を行い、互いに認めた相手を主とし、従者とする。

従者は主のために死力を尽くす。


そんな単純な関係。


従者制度はもともと賛否両論であったが、パートナーでいたほうが生存率が圧倒的に高いためという理由で取り入れられたそうだ。


というように本当は戦争のためのものなのだが、中学生にとっては…憧れの先輩と距離を近づけるチャンス程度にしか考えられていない。


もともとフルーフ女学園は中等部からしか存在しない。死神殲滅部隊のたまごなどといわれても数年前までそんなこと知らずにいたただの小学生だったのだ。

彼女たちの感覚は一般的な女子学生と大差ないだろう。


「桔梗先輩…」


椿も例に違わず。

先輩に憧れを抱く気だるげな女子中学生なのだ

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